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Posted by naturum at

2012年03月14日

歳月は人を待たず・・・

 3月14日、水曜日。世間ではホワイトデーなどとおバカなことを口走りつつ、義理ばかりのチョコの返礼に野郎どもが、東奔西走する日らしいが、このひげオンジには、

 そんな悪習はなぁぁぁぁぁい!

などとここをせんどに叫んでみるが、それもこれも、一ヶ月前の14日、世界中の女性から一斉にシカトされた結果に他ならない。となれば、これぞまさに、

 負け犬の遠吠え・・・(T_T)

以外の何物でもないことなど、この記事をお読みの読者諸兄であれば、すでによぉくご存知のはずといたみ入りつつ、気がつけばすでに我が身は、

なごみの湖





の桟橋にあったりするから不思議なもの。これも毎年のことだが、2月は例の気鬱に加えて仕事の方が立て続けに混んで、釣りどころの騒ぎではなくなる小生。その間にも、生まれた孫は、

生誕100日!





を迎えるわ、気ままな一人暮らしを決め込む実母(現在87歳)は腰痛で寝込むわ、他にもあっちこっちと病気入院の連絡は入るわで、まさに小生の方が目の回る思い・・・で過ごしつつ、気がつけばなんと弥生三月の半ばになっている。ちなみにここ「なごみの湖」の一枚看板である田中マネも、この2月、急の心臓病で入院されたとか。WEBによればすでに無事ご退院。すでに現場に復帰されているとのことだが、先ずはそのご様子も伺わねばなるまい。いかに渓流解禁!の報せがあちこちからいかにさんざめこうとも、この小生にとっては、

春はなごみから・・・



白く見える朝の中央桟橋。もちろんこれは塗装などではなく、ただただ凍っているだけ・・・


というのが何といっても大切な大切なマイルール。昨年よりほぼ2週間遅い訪問となったが、先ずは本湖の桟橋で竿を振り回すことができてやっと今年の春は訪れるはず・・・。てなことを思いつつ、今朝も信楽経由で、京都和束へ足を伸ばすことになった次第。

 営業開始の7時半ちょうどに車から降り、タックルバッグを背に、「おはようございまぁす!」と毎度のごとくトボケた声をわめき散らして、事務所の扉を開けてみるが、なんと、そこは無人・・・
 「ええっ、田中マネが緊急入院で、完全フリーの管理釣り場になったのか?」と一瞬焦るが、さほど待つこともなくスタッフの伊東クンが、本湖からの坂道を下りてくるのが見える。聞けば天気こそ良いが、放射冷却の影響で(ちなみに、この日の信楽は最低気温マイナス5℃)恐ろしく冷え込んだ今朝。本湖が氷結していないか確認に出かけられていたとのこと。いやはや、たとえマネが休みでもこういう優秀なスタッフがおられるのだから、先ずはこの釣り場の平和は守られる。いやぁ、ヨカッタ、ヨカッタ・・・、などと心から喜びつつも、先ずはマネのご様子をお伺いしつつ釣り券を購入。聞けば、

「まだ無理はできないけれど、普通に仕事してはりますよ。」

とのこと。その言葉に少し安心しつつも、現在の釣況をも聞き逃さないというのがこのひげオンジ流。

「そうすね、魚はずいぶん上の方に出てきてますよ。うーん、タナは1.5から2ヒロぐらいかな。ただデカイのはすこし沈めないと・・・」

とまぁ聞けば、そうかそうかやっぱり冬が長い今年であっても、季節は確実に進んでいる。先ずは「ホー、ホケホケ・・・ケキョ」と少し調子外れなウグイスの声に耳を傾けつつ、本湖への坂道を毎度のようにエッチラオッチラと登りつつ、先ずは人っ子一人いない中央桟橋に釣り座を設ける。

 さて毎度のように6番ロッドにラインを通し、マーカーをちゃんとタナ1.5ヒロにセットしてのルースニング。向かい風に少し苦労しながらキャストすれば、ツンという小さなアタリと共に、先ずは本日の一尾目となる30センチ弱のオチビ(おそらくはここでの自然繁殖児)が、「おはよーう、ごぜぇぇぇーまずだ・・」と恨みがましそうな目で釣れてくる。
 んじゃ、よぉし、これから!と勢い込んで次のキャストに移ろうとしたが、なんとまぁフォルスキャストの度に、ゴリゴリ、ゴリゴリというイヤな感触が手に響いてくる。ムムム・・・(-_-;)と思いつつ、ロッドの方に目をやれば、それはもうまったくもって予想通り、

スネークガイドは全て氷結!



少しリトリーブすれば、ほれこの通りも"氷の世界"


という状態。頬に突き刺すような寒風を思えば、当然の帰結。さらには日陰の中央桟橋。凍てつく風に身をさらし、寒い寒いと地単駄を踏みつつ1時間で5尾のマスをリリースするも、それが限界。少しでも暖かいところを、と前方を見れば、しっかりと陽の当たる固定桟橋が目に入る。バックがほとんどない上に、足場も高く、障害物の多いこの釣り座。これまで何度もなごみを訪れながらも、ほとんど釣った経験のないところだが、ここはもう背に腹は代えられない。先ずは陽当たりよく、風裏となる桟橋へと、荷物を持って移動してみれば、これがもう実になんと、まったくもって、

大正解!(^_^)v



いかに風は冷たくとも、魚の頬にはすでに春・・・


後方がすぐ土手となるため、、先ずはバックハンドのサイドキャストで桟橋手前3~5メートルほどにのカケアガリに向けてキャストすれば、すぐさまキュキュキュ~ンとインジケーターが消し込んで、ここでのアベレージとなる40センチ級のマスが竿を伸す。いつもなら余裕でラインを手繰り取り込む所だが、すぐ目の前には、枯れた立木やらスタンプやらが、バレロ・・バレロ・・と言わんばかりに邪魔をする。となれば、こちらもすかさずリールファイトで応戦。5Xのティペットも心強ければ、先ずは障害物を回避しつつ、やったとったとネットインすれば、頬をはんなり紅に染める愛らしい顔の魚がネットに収まる。



これが固定桟橋。狭いがゆえに普段はルアー師お得意の釣り場となっている


 さてさて、それからがまさにここなごみでのプライムタイム!目前のバンクに魚が群れていたせいであろう。掛けるやいなや沖をめがけてのDash & Runでラインを全て引きずり出されるやら、いったい何を食ったらこんなにおデブになれるんだ・・とあきれるばかりのグラマラスボディを見せつけられるやら、圧倒的な、

50センチオーバー!!(^^)!






どちらもプリプリのパワーファイター!ああっ、腕がだるい~♪


を2尾交えつつ、9時から11時半までの2時間あまりで24尾のマスが釣れ盛る。いやはやこんなこともあるんだと、久々の釣り休暇。頭の中を真っ白にして堪能させてもらうことにする。

 ちなみにこの固定桟橋でのフライの釣り。掛けた魚が一目散に立木に突っ込もうとするのが何より怖い。それゆえラインはキャストに必要な最小限度だけ出して、手尻はほとんど残さない。そして掛けるやいなや右手をフル回転させてラインを巻き取り、間断もおかずにリールファイトに突入することが肝要と思い知る。後はドラグ微調整しつつロッドのトルクを信じてやりとりすればほとんどバラシはなし。
 「いやぁ、こんなに釣れるんなら、朝一番からここにすれば良かった・・・」と思うものの、この場所では、この釣りの大きな喜びの一つであるキャスティングがまったく楽しめないがため、小生にとって定番の釣り座になることは今後もないであろうというのが本日の見解。やっぱ、中央桟橋で目一杯ロッドを降り回し、障害物など気にすることなく、底へ底へと突っ込む魚とノビノビやったとったと遊ぶのがここなごみでの王道とこそ思い知る。でもでも、これだけ釣れれば何の文句もないのは当然至極なのでありました。

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 さて、少し早めの昼食を取った後は、少し遠のいたアタリをまったりと楽しみながら、まさに天晴れという好転の下、ひげオンジのフライフィッシング日和を堪能する。時計を見れば2時をようやく過ぎる頃。ふと気になって下流の方を目をやれば、大堰堤の傍らには、お馴染みの

黒いジムニー・・・



まだ万全ではない田中マネのエリア巡視。無理せぬように先ずは車の中で。
とはいえ毎度のごとく真下の釣り人に丁寧なアドバイス、って、どこまで仕事熱心な人!


が目に飛び込んでくる。「あっ、田中マネだ・・・」と思うもこれだけ距離が離れていれば、おそらく手を振っても気づかれるはずもない。先ずは「よくぞ、ご無事で・・」と心の中で呟きながら、小さくロッドティップを振ってご挨拶。「んじゃ・・・先ずはマネの目の前で良いところを見せましょか!」などと考え、釣りに集中し始めるが、なんとまぁ、おっとこどっこい、

魚がどっかへ行ってしまう?(@_@)


かろうじてマネの目前で釣り上げた小生の図。ホント、釣れてヨカッタ!


 なんとまぁ、田中マネの姿が見えるやいなや、それまで頻繁にあったアタリが急になくってしまうというのはいったいどういうことなのか・・・?などと考えるまでもなく答えは一つ。池の魚の全部が全部、

「マネさん、お元気なのですかぁ~♪」






マネがいなくなればほれこの通り・・・。美麗な好ファイターが次々と釣れる。


とその足下へ集まってしまっているからなのだろう。その証拠にマネのいる真下の1号桟橋では並んだルアー師がここをせんどのヒット、ヒット、ヒットの大連発のご様子。まさに貧乏くじを引くばかりの小生はあっても、先ずはここまでの釣果を思えば不満も何もあるはずはなく、ゆるゆると湖面に映る自分の影など眺め続けているのでありました。

 ・・・というような手持ちぶさたの1時間を過ごすものの、マネが再び事務所へ戻るやいなや、午後のプライムタイムが訪れる。バンクより少し沖目にキャストしたことも功を奏したか、それからも10分おきにアタリが出、今日3尾目ともなる50cmUPも無事ネットイン。夕刻5時まで一気のラストスパートで、さらに10尾あまりを追加して本日の釣りを終了する。

 法外な釣果のあまり利き腕が殊の外、重く感じつつあるのが何よりの喜びと、桟橋を後に事務所に戻れば、そこでは聞き慣れた暖かくも優しいお声でのお出迎え。

「いやぁ、ひげオンジさん、お疲れさん・・」

その元気そうなお声にほっと安心しつつ。チケットを返した後は、マネから病前、病後のご様子などをお伺いすることに。
 聞けば、今はずいぶん良くなったものの、まだ呼吸が乱れるような運動はできないとのこと。「うーん、まだしばらくは、本湖の方は無理かな・・・」と笑顔が少し力なげに見えるのが寂しいが、それでもずいぶんと血色の良いお顔を見ればこちらも先ずは一安心。「早く完璧に元気になって、また、キャスティングを教えてくださいね!」としっかりお約束した上で、くたびれた足を少し引きずりつつ事務所を後にすることにした。


 思えばこの釣り場に通うようになって早7年。当たり前だが誰もが歳を取って、誰もが日々の憂さを背に積もらせつつ生きてきている。いついつまでも若く元気でありたいと心から願うものの、時間はそれを許してくれるはずもなく・・・。先ずは小生のお仲間一人一人の健やかなるを願いつつ、先ずはこの先の釣り。その

 一瞬一瞬・・・

を、何より大切に大切にしていきたいものと、心から願う次第・・・・。

2012/03/14  


Posted by ひげオンジ at 23:08Comments(6)

2012年01月08日

一年の計は・・・

さぁて、年も改まった1月8日。ゆっくりと朝寝を決め込み、8時半起床。

 窓の外を見れば、うーん、良い天気。「よぉし、これなら・・・」と気持ちははやるが、新年早々そんなに慌ただしい気持ちで休日を過ごす必要はなし。先ずは毎朝欠かさぬモーニングコーヒーなどをゆるゆると楽しみつつ、洗顔やら着替え等々をまったりと済ませた後、ようやくタックルバッグを肩に、いざ出陣。車に乗り込んだ後、北か南か、一瞬迷うが、北を見ればそこは、冬の重い雲がたれ込めている。「んじゃ、南か」と独りごちた後、高速を南下、気がつけば車は

なごみの湖・・・



午後12時過ぎのなごみ専用駐車場。端から端まできれいに詰まった・・


のパーキングに滑り込んでいる。駐車場を見れば、さすがに今年最初の3連休の中日。しかも久々の好天にも恵まれた一日ともなれば、端から端までズラリと並ぶ車の列。時計を見ればすでに10時近くなっていることを思えば、これはこれで当然のこと。小生にとっても今年の初釣りとなる今日。人っ子一人いない寂しい釣り場よりも、これぐらい賑やかでちょうどよい。

 先ずは事務所で田中マネを始めスタッフの皆様方に新年のご挨拶。「あらっ、ひげオンジさん、おめでとさん。今年もよろしく~♪」というマネの穏やかな声に、「いえいえ、お世話になるのはこっちの方です」と心の中で何度も頭を下げながら、先ずは前回年末釣行とは趣を異にし、今日はライトエリアの釣り券を手にすることに。それから「ごゆっくり、どうぞ」とまぁ、これもまた聞き慣れたマネの声を背に、向かったのは、

第1ライトエリア!





 思えば小生が本格的な管釣り人生(って、いったいどんな人生なんだ?)を始めるきっかけになったのがこのエリア。放流量の多さも嬉しいが、先ずは前に滝、右に大堰堤、左に川と田園と、どっちを向いても視線が落ち着く。さらには猛暑の夏でも厳冬の冬でも、一年を通じてコンスタントに釣りを楽しめるのが何よりの魅力。とはいえ、このエリアに通い出した2年目からは本湖での釣りが中心になったことに加え、一昨年、上流の第2ライトエリアにきれいなウッドデッキが整備されてからというもの、ついついそちらにばかり目が移り、この第1エリアで釣りをするのは、なんと3年ぶり・・・ということになった。

 タックルをセットした後は、いよいよ小生にとって2012年の・・・初釣りということになる。今日は出かける前から釣りの目的は定まっている。それはつまり、

エイジ・シュート!

なるもの。先ずは今年1年の無事と好釣果を願い、歳の数だけ魚を釣るというのが目標とする。昨年は年末の怪我でトライできなかった分、今年こそという思いもある。となれば目標となる数は

55尾・・・



本日、最初の一尾。さて、後54匹だ!


気がつけばすでに四捨五入すれば60歳になるという自分に思わず呆れたりもするが、できればこのまま元気に70尾、80尾、90尾・・・と目標を大きくしていきたいという願いもある。ただまぁ、その時には乗った車イスごとポンドに落ちて、溺れ死ぬことになるかも知れないが、それはそれで、この自分には、もっともふさわしい死に方・・・なのかと思ったりする。なんて、話がいきなり

縁起の悪い方面・・・m(_ _)m



ちなみに、これが当日の小生のカウンター。これじゃ、まるで「賽の河原の石積み」
「一つ積んでは父のため~♪」って、新年早々なんて縁起の悪いことを・・


へとぶっ飛んでしまうが、そんなことは放っておいて、釣りだ釣りだ!






上が自慢のお手製マーカー。下は管釣り定番フライ。今年もお世話になりますね。


 さてお手製マーカーに、定番のBHピューパをセットし、キャストを開始。フライがすんなり水に馴染んだかな、と思うやいなや、マーカーが勢いよく水の中に消し込む。クィンと手首を返せば、強くはないが、キュンキュンと小気味よく4番の竿を曲げてくれたのは、ここでのレギュラーとなる25cmのニジマス君。「いやぁ。今年もよろしく」とここでも新年の挨拶を交わした後、そっとリリース。それから後も、隣に居並ぶFF師と競うが如く、交互に竿を曲げ続けているば、なんとすぐさま

放流タイム!



放流作業中のマネとスタッフ君。
いやぁ、この時ほど男前に見える二人はおりませんねぇ~♪


に突入。「いやぁ、別にそんなに気を遣っていただくなくとも、十分に釣れておりますから・・・」と遠慮の一つも言いたくなるところなのだが、いやまぁ、それでも、

据え膳食わぬは、男の恥!



なんとまぁ、泳ぎ回る据え膳とは・・・?ありがたいこと!


という言葉もある。先ずはここをせんどに釣りまくる!というのが、釣り師の義務(?)ということなのですよね、皆さん!

 となれば、ろくにキャストもせず、パラリと足下に仕掛けを落とすだけで、次々に魚は釣れてくる。「ううん、これじゃあ午前中に目標達成か?」という思いと共に、「いやいや、いくら何でもそれではあまりにあまり・・・」という気持ちにもなるから、人間とは不思議なもの。
 少しペースを落とそうと考え、10尾釣る毎に途中休憩を取ることに。今日に限って「カウンター」を忘れてきたため、その代わりにと、10尾を釣り上げる毎に、小石を一つずつ、後ろの石垣に並べることにする。「先ずは最初の一個・・」と、石ころを置けば、ふっと、自分が10歳だったころのことを思い出す。

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ひげオンジ10歳・・・まだオンジではなく、ひげオチビと呼ばれていたその頃。琵琶湖まで徒歩10分という所に住んでいたこともあり、よく友達と一緒に、竹の延べ竿(当時一本30円)一本かついで、サシ虫(当時1パック10円)をエサに「ボテ釣り」に夢中になっていた。
 「ボテ」というのは別名「タナゴ」と呼ばれる当時の琵琶湖を代表する雑魚。細かくはヤリタナゴやらタイリクバラタナゴとかちゃんとした名前があるそうだが、当時の琵琶湖の傍に暮らすガキンチョにとっては全て、「ボテ」という蔑称(すなわち体型も釣り味も「ボテッ」としたダメ魚ということです)で呼んでいた。
 夕刻間近になると急に食いの立つこの魚。ある時、釣れ盛るのに夢中になり、日の暮れるのも忘れて、友人と二人、真っ暗になるまで釣りまくり、笑いまくりの時間を過ごす。しかし、その時、我が家では、夜になっても帰らぬ我が子を心配した父親が警察に捜索願を出すという大騒ぎになっていた。そんなこととも露知らず、大釣果に笑み満面で帰ってみれば、そこには元陸軍将校の鉄拳が待っているとは・・・、なんてことも、何も知らない、ほんとに純真無垢な子ども時代であったのです。
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 さて、それから20分立つか立たぬかうちに区切りの20尾目が釣れ上がる。二個目の石ころを並べながら、頭の中には20歳の時の自分の姿が甦る。

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ひげオンジ20歳・・・当時、熱血ひげ野郎と呼ばれていた小生もなんと、大学2年生。その頃は釣りなど全くせず、その後「奥方」という名の下、世界一恐ろしい女性と天下に名をとどろかせることになる女性との交際が本格化した頃であった。
 その当時は殊の外「可憐で初々しく」見えた彼女。その姿に欺された・・・と気づくにはもう少し時間が掛かるのではあるが、あの時の過ちさえなければ、なんてことに一切気づかない、うるわしくも情熱的な日々であったのです。
 ~ちなみに上記の発言に対して、我が奥方のコメントは、
「なに言ってんの、欺されたのはこの私の方でしょ・・・。あんた、あの時は私の言うこと、何でも聞いてくれる優しい人だったし、そんな小汚い『ひげ』なんか、まったく生えてなかったじゃない。挙げ句の果てに、こんな釣りバカになっちゃうなんて、まったく約束が違うぅぅぅぅ!」
 ~だそうです。さてさて、真実はいったいどこに?
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 ここで時計を見れば、11時。放流効果もあって、いまだガンガン釣れ続く。思えば、ここまでフライ一本失うことなければティペットの交換もない。最初に準備したセットのままの連続超過・・というのもこの釣り場の実力というものだろう。それから30分もせぬうちに、気がつけば、3個目の石ころを石垣の上に置いている。ここまできたら当然・・・、

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ひげオンジ30歳・・・琵琶湖にブラックバスなるものが現れて(それ以降、前述の「ボテ」は急速に姿を消す。外来魚のせいにしたがる人も多いが、度重なる汚染のせいで琵琶湖の湖底から、彼らの産卵床であるカラス貝が姿を消したのが大きい・・というのが小生の見解)、急遽、ルアー師と化した小生も、気がつけばひげパパなどと呼ばれて、すでに5年。日々をやれラパラだ、ヘドンだ、バルサ50だと大騒ぎしているうちはは良かったが、月日が経つにつれ、陸っぱりでは次第に釣れなくなっていく。とはいえバスボートなどを購入する金もなかったこのひげパパさんが、目を付けたのが、フライフィッシング!なるもの。
 先ずはブルーギルなどで手慣らしをしつつ、いかにバスが釣るかに夢中になっていたのがちょうど、この頃で、時に夜が更けるのも忘れて釣りに没頭してつつ日々を過ごす。大人になっていたせいもあり、さすがに捜索願こそ出されなかったが、やはり家に帰れば、厳しい鉄拳制裁!が待っていたのは10歳の頃と変わらない。ただ小生をはり倒す人間が、元軍人の父親から
 奥方・・・
に変わるということには、未だ気づかぬ楽しい楽しい時代であった。
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さてキリ番の30尾で写真を撮ろうとランディングした所、自らネットを飛び出し、
丸太の上でポーズをとった、ものすごく行儀の良いニジマス君!


 さて3個目の石ころを並べ終わったところで、時計を見れば11時半。少し早いがあまりに速いペースで釣れ続くため、ここで昼食休憩に。ここ「なごみ」では年末「年越しソバ」の振る舞いがあるが、年始の今日は当然、

お雑煮!


これが「なごみ雑煮」。里芋、大根、人参、水菜・・・とまぁ地産地消の具だくさん!


を振る舞いがある。いやはやここまでしてもらっては・・・と恐縮することしきりだが、ここもやはり、

 据え膳食わぬは男の恥!

ということで、喜んでご相伴にあずかることにする。目の前に出されたのは、大きめのお椀に地元野菜と焼き餅が二つ入った味噌味のお雑煮。少し七味を利かせてふうふと啜れば心もお腹も芯から温まってくれる。ほんわか沸き立つ湯気に包まれていれば、本当に本当に、

新年の喜び・・・(^_^)v

がしみじみと体中に行き渡っていく。あんまりほめると、かえって嫌みになるなぁ・・・と自戒はしつつも、やっぱり良い釣り場です、ここ「なごみ」は!



事務所の前では真っ赤な南天がお出迎え。飾らない何よりの新春の喜び


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いつもは釣り桟橋から眺めている大堰堤を、背後から見る。
なかなか勇壮なその風景に少し感動・・・


 さてさて、大きめのお餅二つのおかげで、十分満腹した小生。手洗いを済まし、腹ごなしをかねて、少し周辺を散歩した後、再び釣り座に戻る。昼食後の第一投。まだまだ続く放流効果。最初のキャストでいきなり午後の一尾目が釣れてくる。それから15分も経たぬうちに、四個目の石ころが並んでいる。

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ひげオンジ40歳・・・思えばこの頃から、少しずつひげオヤジと呼ばれつつあったような気もするが、実はこの時はまだ「ただのひげ」なのであったりします。さてこの時期は、仕事もしっかりと覚えた上、職場での地位もそれなりに確保したというまさに「公」の充実時期。未だITなどという言葉はない時代ではあったが、それでも職場環境が一気に情報化!していくという時代の変わり目。
 それまで大きなワークステーションでしかできなかったことがPCでもできると知り、だったら、あれもできる、これもできる・・・と次から次へと色んなことに挑戦しつつ、夜も日もなく働き続けていれば、当然、魚釣りどころの話ではなく、それまで使っていたロッドもリールも、気がつけば納戸の奥で埃を積もらせることになった。ただ、この時、埃が積もらせていたのはタックルばかりではなく、
 小生の心・・・
もずいぶんと埃まみれになっていたはず。それから3年後、ひどい目眩と耳鳴りを伴った、自律神経失調症・・・なんてものになるとは、気づくことなどまったくなかった、幸せなのか不幸なのか皆目判らない小生なのでありました。
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 さてさてちなみに今日の第1エリア。釣り人はルアー師2名にフライ師4名といういつもとはずいぶん異なった趣。いつもならルアー師が2メートル間隔に居並ぶ場所ではあるのだが、なぜか今日に限ってフライ師の方が優性、というのは小生が訪れることを知っての乱暴狼藉かとも思うが、周りにフライ師が多い方が、全体のリズムが整い、釣りやすいことは間違いない。(キャストに自由度の高いルアー師が近くにいると、常に"オマツリ"を気にせねばならず疲れる)ちなみにそのご様子を拝見すれば、小生も含め居並ぶ釣り師全員が、

完全なるシニア!



手前がご主人、その向こうが奥様。一挙手一投足が息の合う良いご夫婦と見た


であることに気づき、改めて驚く。お隣でラインを伸ばすFF師は、小生とほぼ同年代かとお見受けする。さらにその向こうで、小生よりは少しばかり上か・・と拝見するご夫婦FF師が仲良く竿を振っておられる。(ちなみに釣った数ではご主人の方が勝るが、本日の最長寸とも言うべき50cm級をキャッチなされたのは奥様の方。これぞ夫婦円満の秘訣なのですねぇ)そんな周囲の様子見ていれば、まま、これぞ

FF高齢化社会!

の到来というものが脳裏によぎる。
 時間にゆとりのもてる中高年にとって、他にも楽しみはいっぱいあるだろうが、先ずは「きれいな空気と生きた自然」を全身で味わえるこの趣味。確かにもっともっと広まっても良いと思う反面、「だけどこれ以上、釣り人が増えて、釣り場が混むのはやだなぁ・・・」などと姑息なことを考えている所、なかなか

Study To Be Quiet・・


これがキリ番の40尾目。キュンキュンと糸なりさせる好ファイター!


なる釣聖の言葉など、いいかな自分のものとはならないものと恥じ入ることしきりなのです。

 などと周囲の様子に気を取られつつも、いやがおうでも釣れに釣れてしまう今日の「なごみ」。ふと我に返れば石ころはすでに5個目ということに。

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ひげオンジ50歳・・・病後のリハビリと思い復活させたフライフィッシング。途中、ブログなどという悪癖も覚えたせいで、全国津々浦々にお仲間が増えると同時に加速度的にのめり込むことに。それと共に気がつけば、今やもう、まったくもって完璧な、
 ひげオヤジ!
と化した小生。濁った目にふらつく足下。さらにはただただ釣りたいという乞食根性丸出しで、東奔西走の日々を迎えることになろうとは、まさに紙の味噌汁・・・もとい、神のみぞ知る!ということなのであった。それでも何とか無事にこれまでやってこられたのは、兎にも角にもこのブログを通じてお近づきになることのできた、
 
 全国のお仲間・・・

の皆様のお力添えがあってのことに他ならない。まっこと、さんきゅうべりいまっち、の限りなのでありますよ、皆さん・・・
****************

などと言っているうちに、さらに五尾目が追加されれば、

本日の予定終了!



この一尾で、ほんとは帰るはずだったんですよ・・・


ということにあっさりなってしまう。時計を見ればまだ午後1時を少し過ぎたばかり。当初の予定では1時間12~3尾のペースで釣って、午後3時終了予定であったが、この釣り場の高い潜在能力が、小生の予定を大きく狂わせることになった。本来ならここで潔く帰宅すれば良いのだが、せっかく買った一日券。たった3時間の釣りで反古にするのは忍びない。うーん困った、困った、こまどり姉妹・・・などと関西人にしか判らない独り言を呟いておれば、ふっと脳裏にあることがひらめく。そうだ明日は、

成人式!

 ちなみに今年も小生の年賀状でも登場した我が長女である豚娘も、なんと明日には晴れて成人。「そうだそうだ、あの子のお祝いをしなくちゃいけないな・・・」なんて一人ほくそ笑みつつも、先ずは、後、

 20尾追加!

とあっさり決定。「となれば心おきなく竿を振れますねぇ・・・」などと思うも、今日のライトエリアでは20尾ぐらいなら半時間もしないうちに釣れてしまう。
 何とか時間を稼ごうと、先ずはロングキャスト限定で、わざとフッキングの確率を下げたうえ、手元まで寄った魚には強引にジャンプしてもらって、わざと

 バラす・・・

という荒技に出ることで、少しでも釣り場にいる時間を確保しようというのだから、本当にどこまで根性の腐った釣りバカであることか。しかしまぁ、頻繁なアタリと俊敏なファイトを少しでも長い時間、楽しんでいたいと思うのは決して間違った考えではないと考える次第なのですが、さて皆様方はどう思われるのしょう?

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 なんて手前勝手な屁理屈をこねくり回しつつ、豚娘のためにと20尾目の魚を釣れば、時計はようやく午後3時。うーん、もはやこれまで、と充分満足した気持ちになったところで撤収を決める。それじゃ、片付けましょうか・・と考えた小生。先ずはリールのラインをしっかりまき直しておこうとポンド奥まで目一杯のキャスト。左手でラインをワインドさせつつ、クリクリクリとリールを巻き込んでいれば、なんといきなり、

 ガツン!

とラインをひったくるアタリ。あれあれ、まぁまぁ・・と呟きつつも、そのままリールファイトで25cm弱のニジマスをランディング。うーむ、これは、これは・・・・と少しく困った小生ではあったが、いえいえ、実はこの1尾こそ、今年0歳から1歳になる、

我が初孫のオチビの分!



これが初孫のための最後の一尾。まさにオチビであった・・・


ということに決定。いやはや、ここまで切りよく初釣りを終えることに感謝しつつ、ふと東の空を見やれば、遠くには、

青い空と白い雲・・・



これが無事に初釣り終えた釣りバカの正体。皆様、今年もよろしくお願いしますね


がこんな馬鹿を心から許してくれるように微笑んで、微笑んでおりました・・・とさ。

2012/01/08
  


Posted by ひげオンジ at 23:37Comments(4)

2011年12月30日

2011 The Final !!

12月30日、朝6時半起床。いつものようにすかさずコーヒーメーカーのスィッチを入れ、小用を済ませタバコを一服。さらに入れ立てのコーヒーをフゥフゥと冷ましつつも冷えた胃袋に流し込んだ後、さらに洗顔を済ませた後、

 スキーソックスよぉし、アンダータイツよぉし、ハイネックよぉし・・・

と一つ一つ指先確認で確かめながら着替えを済ませる。下半身は裏フリースのフリーパンツに上半身はフリースの二枚重ねにダウンジャケットと相成れば、これはこの師走の寒さに耐え忍ぶための装備一式。もちろんこんな朝早くからこれほど着込んでいるというのは、

 釣り!

に出かけるために他ならない。そうそう今年も残すところ、あと一日。小生にとっては恒例となる、

年末なごみ釣行!




に出かける大切な日なのだ。

 この今年一年の「釣り納め」となる大事な今日の釣行。本来なら奈良在住の「ならおう先生」や京都在住の「ま。殿」などにもお声かけして、久方ぶりの「京奈滋コネクション」の開催とも考えたが、今年の年末は、金沢に一人暮らす長女を、「迎えに行くやら行かないやら・・・」と、直前まで年末の日程が定まらず、釣りに行けるか行けぬかも前日まで判らぬままでいたために、お二人にはお声を掛けることもせぬままの単独釣行と相成ったこと、残念至極の極みではあった。

 さて7時過ぎには車上の人となり、いつものように名神~新名神と高速道を乗り継ぎつつ、一路信楽を目指す。朝早い故、空いた道路をいつものごとくのんべんだらりと走っていくと、気がつけば信楽ICまで2kmの標識が目に入る。「さてさて、ここで降りましょうか」と考えつつ前を見れば、直前を走る軽のワゴンがいきなりの急ブレーキ。「あややっ!」と思いこちらも慌てて減速するの待つこともなく、目の前の軽ワゴンは車線変更して再加速。そして小生の目の前には、

 超低速で走るHONDA・・・

が一台現れた。後続の車が100キロ前後の速度でどんどん追い越していくのも意に介さぬようなノロノロぶりに、小生も思わず「故障車?」と思ったが、ハザードランプの点灯もなく、ただただ走行車線をダラダラ走るその車。小生も追い越していこうかと考えたが、見れば「信楽ICまで後1km」の表示が見えている。「ここで追い越しなんか掛けてもしょうがないよね・・・」と思い、その車の後を同じようにダラダラついて行く。ふとバックミラーに目をやれば小生と同じように信楽ICで降りようとするハイエースがすぐ真後ろについている。ミラー越し見えるドライバーの表情はまさに「???????」。まま、誰にしろこんながら空きの高速道路を時速50kmで進む車に進路を塞がれれば、頭の中は同じようになるはずでしょう。

 とまれ、なんとかIC出口へと続く測道にたどりついてから少し加速し、くだんの車を追い越してみる。その低速HONDAと一瞬、併走するその際に、あちらの車内を覗いてみれば、上品かつ端正なご夫婦らしいカップルの姿が目に入る。運転席に陣取るご主人は別段、何かのトラブルに困った様子もなく平然とハンドルを握り、助手席の女性も笑顔で何かご主人に話しかけておいでになる。そのあまりに余裕綽々のお姿を拝見してみて、この小生もようやくあることを思い出した。

「そうだ、今、この道路は制限速度50km/時の規制中だったんだ!」

 そう、その通り。かの低速HONDAのドライバー氏は、何よりもまず

 法令遵守・・・

を最優先になさっていたのだ、ということにやっと気がつく。小生を含めた他の車両ももちろんそのことは十分に承知していながらも、路面の状況、天候等(夜明け前に雨があったせいで路面は軽くウェット。凍結の恐れはなし)を考えて通常の高速走行をしていたわけだが、その全ては基本的には、

 違法行為!

に他ならない。とはいえ、この道路状況下、ただ一台、規制速度を守って走ることは逆に周囲のペースを乱し、事故につながる可能性も十分にある。まさに、我々現代人は、

社会規範のどちらを優先するべきなのか?





などと、これこそ、あのサンデル教授の白熱授業のテーマともなるべき重い事柄だなぁ、と頭をひねりつつも先ずは無事に信楽に到着。一般道に出るやいなや、あの低速HONDAに自らの無法ぶりを気づかされた小生も、それまでの違反行為を行為の反省しつつ、先ずは法定速度の50kmを遵守しつつ、追い越し禁止車線を横目に見ながら、しばしドライブ。とはいえ、ものの5分もせぬうちに、なんと道路は小生を先頭にした

 数珠繋ぎ状態!

となる。「うーん、これじゃダメかあ・・・」と気を取り直して法定速度プラス10kmに改めれば後続車との車間距離も生まれ一転、快適ドライブとなる。とまぁ、法と社会、いつまでも解決しきれない難しい問題がそこにはあるのですね。

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 とまぁ、小生がぼけた頭で社会正義について考えつつも気がつけば車は、

なごみの湖





へと8時少し前に無事到着。師走の慌ただしい時季ながら、駐車場にはすでに10台以上の車が停まる。先着の3人組がタックルのセットに余念がないのを横目に見つつ、当方はバッグ二つにロッドを抱えて、とっとと事務所へと参上。

「おはようござぁあいまぁーっす!」

とふにゃけた声でご挨拶すれば、そこには田中マネ(って、ほんと久しぶり!)をはじめとするスタッフの面々がお出迎え。マネから状況を伺えば、

「本湖はおととい放流したばかり。新入生諸君は比較的浅場に出ているからそんなに難しい釣りにはならないはずだよ・・・」

とのこと。幸い気温も高く手袋なしでも手もかじかまない状態であれば、これはもしかすると秋のハイシーズンと同じ状況で楽しめるのかな?などとスケベ心満点で先ずは桟橋へと向かい坂道をえっちらおっちら登っていく。上から見ればすでに3本の桟橋全てに釣り師の姿が見えている。本当は一番奥の2号桟橋に入りたかったが、そこにもすでに先客が4名。となれば同じ4名の釣り人がいても、広い中央桟橋しかあるまいと思い、桟橋の一番隅っこに釣り座を構えることに。

 さて今日の「なごみ」。この数日、雨雪のない日々が続いたこともなって、水食はまさに、ジンクリア!水底4、5メートルまでしっかり見て取れるほど澄んでいる。これだけ水のきれいな本湖は久しぶり。それはそれは実に気持ちが良いのだが、こんなクリアな状況、FF師には厳しいもの。特に小生のようなルースニング派には、シビアな状況というのは一目瞭然。とはいえ、それでも何とか釣りにしなければここまで来た意味がない。ということでティペットは6X。とりあえずタナは2ヒロとってBHピューパを括ってキャスト開始。お隣に陣取っておられる同じFF師の、

「いやぁ、まったくアタリもカスリもしないぞぉ!(-_-;)」

というため息混じりの声に少しばかりおののきつつも先ずはゆるゆるとキャストの距離を伸ばしていく。さてそれからやっさもっさすること30分あまり。キュンと黄色のインジケーターが消し込むの見てグンとロッドをあおれば、

ズシン!



ヒレもボディも完璧な一尾、こんなの飛んだり潜ったり・・・たまりませんね


というしっかりした手応え。いきなりラインが沖めがけて走っていくのを目で追いつつ、いきなりのリールファイトと相成った。足下まで寄せればそこから先は桟橋の下へ下へと猪突猛進するのがここの魚。ロッドを思い切り水面下に沈め、ドラグをあれこれ調整しつつもキリキリキリとリールを巻けば、再びグゥーンとラインを出されての繰り返し。6Xであることを思えば無理はできないこと承知しつつ、澄んだ水面下を右へ左へ、上へ下へと走り回る魚の姿を目で楽しみ、カリカリカリと鳴るドラグの音を耳で楽しみ、ズンズンズンとバスドラムのごとき重い響きを掌で楽しんでいれば、

いやぁ、楽しい!(^_^)v

丁寧に丁寧にやりとりしつつようやくネットインしたのは銀色の魚体にまさにヒレピンの50センチオーバー。「いっぱいいっぱい遊んでくれて、ありがとさん」と声を掛けつつリリースすれば、なんと今年一年の、胸の底に溜まった澱(おり)が全て溶けていくように感じられるから、不思議なこと。ほんと、来て良かった。



これが今日の3尾目。その精悍な面構えを見れば、こちらは間違いなく"居付きの大マス"


 さてそれからも間遠いアタリを何とかかんとか拾いつつ、11時半まで何とか4尾の釣果。まぁこの時期の「なごみ」何だからこんなものと納得しつつも、やはり厳しい釣りに目は少し涙目状態に。さらには日が昇るにつれ、逆に気温は下がっていき、雪やら霰やらまで舞い散る始末。「ええぃ、ここは一息入れましょうか・・・」と独りごちた後、タックル一式桟橋においたまま、再び坂道をえっちらおっちら登って下って事務所へと向かう。

「まいど、どう調子は?」と明るい声を掛けてくださる田中マネには、うつむき加減で横に首を振りつつ事務所奥のテーブル前にどっかりと腰を落とせば、間髪入れずに、「お待ちどおさん、まぁこれでも食べて元気を出して!」とマネ自らが配膳して下った、

年越し蕎麦!





 そうそう、これこそがこの年の瀬釣行の最大の楽しみ。昨年は年末に右足を痛め、棒に振っていることを思えばなんと二年越しの年越しとなる。先ずは冷えた指先を暖かい丼でほぐした後、「いただきます」と両手を合わせてから箸を割る。薄めの出汁にでかい海老天。少し柔い蕎麦だが、この方が冷たい胃袋にはちょうど良い。ハフハフハフと湯気を吹きつつ、啜る蕎麦にこの釣り場ならではの

 心のこもった暖かさ・・・

を噛みしめる次第。ホントに来年のこの日も、元気にこの場所にいれたらな、と心より思うそんな時間なのでありました。

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 ゆったりと腹ごしらえした後、再度、中央桟橋に戻っては、今度はタコのルースニング。キャスト20分あまりできれいなアタリで先ずは40センチのスピードファイターを仕留め、さらに15分後、小振りだが銀ピカの一尾を釣り上げた後は、それはもう、まったくもって、

音沙汰なし・・・・(T_T)



これが午後の一尾目。頭より尾びれの方がはるかにでかいスピードスター!


 日が高くなって魚が沈んだのか浮き下2ヒロではまったくアタリがない。うーんそれなら、ということで取り出すのはDHロッド。今度は誘導仕掛けにして、浮き下は3ヒロ半(ってことは、5メートル)。それで間をおきつつも2尾を仕留めるが、それも後が続かない。気がつけば時計はすでに午後2時を回っている。第1桟橋の方を覗けば、これも恒例、一眼レフを首からぶら下げる

田中マネのエリア巡回・・・



凍える釣り人のために焚き火に余念のない田中マネ。
どこまでも釣り人想いの人だね、まったく・・・


の姿を拝見。アタリのでないまま途方に暮れている小生を見るに見かねてか、なんとそのマネ、小生の元へツカツカツカと歩み寄っては、すぐさまアドバイスをして下さる。

「いい、ひげオヤジさん。DHロッドはシングルの時のように利き手でロッドを押し込むようにシュートするんじゃなくて、グリップエンドの逆手を胸に当たるぐらいにしっかり引くこと。こうしたらティップのスピードがしっかり上がって、楽に距離が出るから・・・」

というお言葉と共に、小生が預けたロッドで二度三度、ロールキャストでロッドの捌き方をご教授いただく。「ふむふむ、なるほど」と頷きつつ、小生もその真似をしてグッとロッドを絞り込むように振り込めば、な、なんとロールキャストだけでラインがグーンと伸びていく。

 「そうか、そうか、そうだったのか・・・」

一人納得しつつ、それからしばらくはDHのキャス練に精を出す。バックキャストでしっかりポーズをとって、巻き込むようにシュートすればラインは風を切って吹っ飛んでいく。いやぁ、これはこれで気持ちの良いことしきりなのでありました。サンクス!田中マネ。



このラインの伸びる先に"サンクチュアリ"があったんですね、(^_^)v



宝箱の蓋をやっとこさ開けた"ひげオヤジ"のやつれた後ろ姿などはいかが?


 それから30分。キャス錬ばかりでは仕方なく、先ほどからルアー師が一人竿を曲げておられる固定桟橋脇の立木を周りを狙ってキャスト。するとフライが沈み込んでいく途中でアタリが出る。「そっか、ここなら浅くても魚が出るのか」と思い、再度、9Ft6番のシングルに持ち替え、タナ2ヒロで立木周りのブレイクラインを丁寧に攻める、攻める、攻める・・・・。というこれが大正解。おそらくは新入生のマス達がスクーリングしていたのであろう。キャスト三回で一度のアタリ。先ほどまでの絶不調が嘘のよう。瞬く間に5尾を連チャン。サイズは少し落ちるが、この時期の「なごみ本湖」であれば奇蹟!とも言うべき釣りになる。それから終了予定の4時過ぎまで、粘っこく釣って、結局今日一日の釣果は、なんと小生にとっては、この「なごみ」での師走レコードとなる

16尾!



これが小生にとって今年の釣り納めとなる一尾・・・よく走ってくれました


 とまぁ、幸せ(4×2)が鉢合わせ(8×2)、ということで無事に今年の釣りを納めることができた喜びを何よりの幸福と噛みしめつつも、本当に本当に、

 来年こそは良い年でありますように・・・

心から祈る小生なのであります。皆様方も健康にだけはお気配りいただいた上、良い歳をお迎え下さいますことを、衷心よりお願い申し上げては、先ずは取り急ぎ、ご挨拶などとすることに・・・・。

2011/12/30
  


Posted by ひげオンジ at 23:51Comments(4)

2011年10月13日

おしえて~♪

10月11日・夜19:00

 職場の上司はもとより、世間からしっかり見放されていることでつとに有名なこのひげオヤジ。おかげさまで、普段はまったく鳴ることのない小生の携帯。「これはこれで静かでよろしい・・・」などと強がっているこの耳に、

 ピヨロロロ~ン♪

と久方ぶりにメールの着信音が届いてくる。「むむっ、何々?」と覗いてみれば、なんと釣りどころか生き物全てが大嫌いという小生のDNAを完全に拒否して今も元気に生きている愚息からのメール。その文面たるや・・・

愚息:「明日の朝ぐらいに生まれるかも知れないので、また連絡します」

とまぁ、そっけないこと限りないのだが、小生並びに隣でおやつをボリボリ食っている奥方には、

 大事件!

ということに他ならない。なんともしかすると明日の朝には、このひげオヤジもついにというか、とうとうというか、

 おじいちゃん!

なるものになってしまうのだ。(ちなみに奥方"おばあちゃん"などには絶対にならないと宣言済み。本人曰く"大きいお母さん(英語ではGranーMa)"になるのだとのこと。そんな身勝手は神が許しても、このひげオヤジは許さない!)などという戯れ言はともかく、先ずは少し慌てふためくこの夫婦。

ひげ:「でっ、明日はいったいどうしたもんでございましょうか?」
奥方:「どうしたも、こうしたもあんたが赤ちゃん生むわけじゃないんだから、普通にしてれば・・・」
ひげ:「ということは、偶然とはいえ、明日、休みを取っている私は、魚釣りに行っても良いってことなんですかあ!」


奥方:「なんでやぁねん!!」

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10月11日・朝6:45

 あれから12時間。今朝も朝早くからタックル抱えて車を東南へと走らせるこのひげオヤジの携帯が再び、

ピヨロロロ~ン♪

と鳴り出す。慌てて出たい気持ちはあれど、こちらはとはいえ運転中。「お待ち下され、お待ち下され」と念じつつ、新名神・信楽ICを出たところで車を路肩に寄せれば、すぐさま着信先に電話を返す。すぐさま耳元に届く声の主はといえば、これはこれはの奥方の声。

奥方:「今、生まれたってメールがあったよ」
ひげ:「うむっ!」

と返事をするなり電話片手にガッツポーズをするこんなへんなドライバーを見かけても、皆さんあまり気にすることなく黙って通り過ぎてくださいね。

「そっか、そっか、生まれたか・・・そっか、そっか・・・Oh Baby,Yeah! (^_^)v」

とまぁ、今や定番となったこのRockおやじは性懲りもなく鼻歌交じりで深い霧立ちこめる信楽の町から府道5号線経由とたどりつつ、着いた先はご存じ、

なごみの湖!



朝霧に包まれた「なごみ」。ちなみに工事のために今日はライトエリアはお休み


 今年になってから「醒ヶ井養鱒場」など新規に遊ぶところができたせいで、なんと、半年以上も釣りに来てないこの「なごみ」。奈良在住のお友達である"ならおう殿"から、少し前に、

「田中マネが、『ひげオヤジさんどうしてる?』って心配してましたよ」

などというメールももらっており、これはやはり久方ぶりのご挨拶は欠かせないと思い、三連休あけにもかかわらず平日休暇を取っての釣行と相成った。

 さて、7時半の開場と同時に受付を済ますが、今日もスタッフさんだけでマネの姿はなし。「まま、三連休忙しかったんでしょう・・・」と今回も会えずじまいに終わることを覚悟しつつも先ずは本湖への坂道を荷物をしょってえっちらおっちらと登っていく。さてさて釣り座はどこにと少しく頭をひねってみるが、先ず今日のお目当ては、

久しぶりにダブハンロッドを目一杯振り回す!



小生手持ちの管釣り用DH7番12ft。初心者には扱いよくてよろしい・・・


ということであることを思い、一番広い一号桟橋へ降りることにした。(ちなみにこの桟橋ではあまり良い釣りをしたことがないのがホントの所。ってか、いつもルアーさんで満員で「入っていく勇気がない・・・」というのが本当のところ)

 さてまだ霧の残る湖面を眺めつつ、先ずは9ftの6番ロッドにラインを通し、肩慣らしと思いつつ、タナ1ヒロのルースニング。すぐさまアタリが出るがすっぽ抜け。さらにその数頭後出たアタリにガシッとあわせてやれば、今度は痛恨のラインブレイク。5Xがぶち切れるのだから、掛けた魚のサイズが想像できるが、やはり久方ぶりの「なごみ」で力が入っていることは間違いない。

「こんなことではダメダメ。なにせ今日から"おじいちゃん"になったのだから、もう少し余裕と貫禄を見せないと・・・」

と押さえても押さえきれない笑みに指先まで震わせながら、再度タックルをセットアップし、今度は手前に見えたライズの中心へとキャストすれば、

ストン!



銀ピカの50センチ。いきなりリールを鳴らせてくれて、感謝!


とものすごく気持ちが良くきれいにマーカーが水中に消し込む。オットットと今度は一息おいてから、しっかり魚の顎へとフッキングさせるべく、嘗めるようにロッドをスウィープさせてみればグンッとロッドがしなり出す。さてそれからはもはやお馴染みの、

なごみファイト

足下まではすんなり寄ってくれるものの、少し魚影が見えたところから、

底へ底へ・・・

と遮二無二に突っ込んでいくのがここ"なごみマス"の本領。こちらもすかさずロッドを水面下へと送り込めば、なんと掛けた場所とは全く反対、自分の背中の方で、

ドオォォォン!

と大きな水花火が炸裂する。その大きな音の一つ一つが、このひげオヤジ「初孫誕生!」を祝う号砲となったことは言うまでもなし。



少し小振りな40センチ級。パワーを劣るともそのスピードが魅力の一尾


 さて、それから10分間隔の3連発で結果が出るが、調子が良かったのもそこまで。9時を過ぎる頃から急に魚の気配がぷっつりと切れる。時たま出るアタリもあわせてみれば全て空振り。フライもあれこれ取り替えつつ、タナも1ヒロから2ヒロとあれこれ探ってみるが、思うように釣果は延びない。

「うーん、これはやっぱり3連休のハイプレッシャーが大きいのね」

と考えた小生。浅くじゃれるようなアタリが多いことを思い、ティペットを5Xから6Xへとサイズダウン。技術未熟なゆえのアワセ切れに苦しみつつも、何とか午前中に7尾まで釣果を延ばしたところで昼飯休憩。ムグムグとサンドイッチなどを頬張り終えた後、

「んじゃあ、午後は予定通りダブハン登場と行きますか」

と決意も新た7番12ftのロッドをつなぎ、よっこらせ、どっこいせ…とキャストを開始する。さて今日の「なごみ」。天気予報通りの快晴。風もほとんどないおかげで久方ぶりのキャストもそれほどトラブルが少なくて済む。(とはいえ、少しリーダーを長く取ると、すぐさまティペットが絡むトラブルに。よく飛ぶのが嬉しいダブハンだが、ターンオーバーの技術をもっちと磨いていかないと、まだまだ実戦では使い切れない・・・と、反省<(_ _)>

 それでもやはり遠投効果はあって、それから後はアタリも多くなっていく。とはいえ、遠いポイントでのヒットゆえに空振りも多ければ、6Xのティペットではこのロッド、少し荷が重いのか、アワセ切れやらファイト中のバラシも頻発。それならリーダーを短くし、ティペットも5Xに戻せば、今度はてきめん、

アタリが出ない・・・

という悪循環。ずいぶん涼しくなり水温も下がった今日の「なごみ」ではあったが、まだまだ魚の方が季節の変化について行けてない感じがして、「絶好調!」という状態にはとてもなっていない。(ちなみに小生以外にルアー、フライ、平日にも関わらず結構なお客さんが来ていたが、どの方も苦戦されていた様子)「そうさな、秋のハイシーズン本格化まで後1週間は必要か・・・」などとつくづく思い至った次第。



今日のなごみ・・平日なれど各桟橋には全て釣り人が・・・


 さてさて時計が午後2時を過ぎたところで、恒例となっている「田中マネの釣り場巡回」(・・・って、あんたは財前教授か?)が開始される。



今日も仕事だ、などと言いつつ大喜びで釣る田中マネ(ぼけた写真で申し訳なし)


 珍しく中央桟橋にてカメラとロッドをおろされるマネ殿に、「まぁ判るわけないか」と思いつつ、先ずは軽く会釈した後、お仕事に協力するためにもと、さらにあれやこれやと手を変え品を変えつつ、キャストを繰り返す。それでおおよそ1時間2尾というペースで魚を掛けつつ「新着情報」掲載用写真撮影に少しは貢献することができたのと自負する次第。



こんなもんで良かったすかね、財前・・・もとい、田中マネ!


(ちなみに今日の「なごみ」。アタリは間遠くとも魚のファイティングスピリットの方は強烈至極。50センチ級のニジマスのジャンプ&ダッシュはもちろん、7番のダブハンでもラインをたぐっていては寄せきれず、何度もリールファイトに持ち込まれてしまう。それが、もうなんとも・・・ああっ、楽し!)




今日一のファイター。堅い7番をグィンと曲げてくれました!


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 さて気がつけば頬なでる風も冷たく、太陽もしっかりと山かげに隠れてしまえば本日の釣りも終了。チケット返却に事務所に寄れば、PCを前にサイトの編集に余念のない田中マネ。

マネ:「誰も釣れてへん中、ひげオヤジさん、一人で竿曲げてたねぇ・・・」

などとまぁ、お世辞とは知りつつも、お褒めの言葉はうれし恥ずかし。「やっぱり昼間は厳しいけど、これでやっと秋シーズンもオープンってとこやね」と語るマネ殿には、この後、ここを訪れる、たくさんの釣り人の笑顔が頭によぎっているのだろう。ほんとに、またみんなで一緒に笑いましょうね、マネ殿!

 などと先ずはお別れのご挨拶もそこそこに、家路に戻ればそこには「ゲゲゲの女房」ならぬ

ムフフの女房・・・

が約1名いたりする。

奥方:「よかったねえ。無事に生まれて」
ひげ:「ほんと、よかったよかった。それより奥方、ちなみに小生も今日からおじいさんになったことなので、少し改名しようと思うんだ」
奥方:「改名って?」
ひげ:「いや、だっておじいさんならおじいさんらしく、ひげオヤジ改め"ひげオンジ"っていうのが妥当じゃないかな」
奥方:「まぁ、それはそれでいいけど・・」
ひげ:「だったらついでに初孫の女の子の名前も、それにあわせて・・」
奥方:「あわせて・・・ってどんな名前?」
ひげ:「やっぱり、シンデレラみたいなきれいな女の子になって欲しいから・・・
灰児(ハイジ)
ってのはどうかな?」


奥方:「なんでやぁああねん!!」



チーズを焼くふりなどをしながら、孫にロッドの扱いを教えるひげオンジ
オンジ:「いいかい、ここでこうやってグリップを返すと、チーズよりすてきな魚が釣れるんだぞ」
孫娘:「うわぁ、すごい、おじいさん!もっともっと、おしえて、おじいさん~♪


などと大騒ぎしつつも、今夜ここには、この世で一番幸せなおじいちゃんとおばあちゃんがおったそうな・・・

2011/10/12



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【ご愛読の皆様へ】

 読者の皆様には長く長くおつきあいいただいた、この「ひげオヤジのフライフィッシング日和」もなんとまぁ、今回をもって最終回となってしまいました。ここまで、このひげオヤジを時に励まし、時に慰めて下さった皆様方のご厚情があってこそ、このひげオヤジここまでこの拙いブログを続けてこれた次第。まっこともって、
 ありがたうごじゃりまする~♪
と平伏をもってご挨拶したく思うところです。ほんとうにありがとうございました。







ということで、次回からはタイトルを「ひげオンジのフライフィッシング日和」と大きく改め(って、どこが?)、相も変わらず懲りずに長文・駄文の限りを尽くしていく所存。

 今後ともお見限りのなきようお願い申し上げたてまつってござそう~ろ~ぉ。
  


Posted by ひげオンジ at 00:34Comments(6)

2010年03月16日

なごみ戦記

 いやはやさてさてまったくもって、毎年のように二月如月という月は、ジタバタ無意味に忙しい上に、生来の気鬱の病が発症する小生。となればブログの更新などという、

 重荷を背負うて坂道を登る・・・

こともまったく叶わず、気がつけばすでに弥生三月も半ばを過ぎるというていたらく。すでにいずこも渓流は解禁を迎えているにもかかわらず、相も変わらず

 管釣りの日々・・・

を過ごす、この阿呆のことを御笑覧下さいますように。

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 さてさて年も変わった去る睦月末には、かのhajihadu大将に誘われ、我等管釣りファンには忘れもおかぬあの「BF発祥の地」である伝説の

 すそのFP(この時の釣行記はきっと、いつか書くかも知れません・・・が)

まで遠征を試みている。とはいえ、その直後から、連日連夜の残業の日々が続き、ブログチェックどころか、メールすら確認できぬ日々が続く。しかぁぁぁぁし、止まない雨はなく、明けない夜もないの言葉のとおり、

 2月24日

ようやく午後の半休が取れる。ということで、いそいそと車を駆って出かけるのは

 
なごみの湖





 ここ数日、暖かい日が続いてくれたことを期待して出かければさすがに平日。先客はフライ師3名にルアー師が2名のみ。空いた中央桟橋に陣取り、先ずは一ヶ月ぶりのキャスティング。水温の上昇期と思えば、タナはいつものように一ヒロをとって沈めてみるが、いっかな反応がない。うーむと思い、今度は2ヒロへと深く沈めてやれば、お手製のインジケーターがキュンと消し込み、5番ロッドがきれいな弧を描く。足元まで来てヒュンヒュンと底へ底へと突っ込むのはいつもと同じ、

 
なごみファイター!





 先ずはその健在なことを喜びつつ、この日は少し深めのタナで先ずは21尾の釣果と相成った。ユスリカのハッチも始まっているのであろう。当たりフライは12番に巻いたBHVリブミッジピューパの赤。少し誘ってイマージングの気配を与えてやれば、幾度となく当たりが出てくれる。そっかあ、もうすぐ春なんだ・・・と繁忙期を無事に終え、新しい季節の息吹が妙に感慨深かったりするのは、これはもう間違いなく、

 年齢(とし)のせい・・・

に他ならない。あーやだやだ。

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 2月26日

 今日は朝から休みが取れた・・・というものの空模様はしっかりと

 
雨・・・





 とはいえこういう休日を無駄にはできず、今日も8時前には中央桟橋に立っている。さてさて雨とはいえ、これまで降っていたものとは違い、ずいぶんと暖かく感じるもの。気温もずいぶんと上がっているのだろう、水面には一面の靄が掛かっている。とはいえ、一昨日の記憶あるためタナは2ヒロからスタートするが、思うように当たりは出ない。水面を見れば前回には見ることの出来なかった魚影もそこここに見える。うーん、今日は浅いかと・・・と一人ごちた後は、タナは一気に一ヒロへ詰めてみるとこれが正解。きれいに出たアタリをアワせてやれば、キュンとロッドがしなって少し小ぶりな鱒が上がってくる。

 雨は止まぬものの、それから後はいつもの「なごみ」。インジケーターを外したLLの釣りでもきれいにラインが引き込まれ、何度も何度もロッドのしなりを堪能する。

 さてさて午後に入ればここでの恒例、

田中マネの釣り場視察



写真中央、白い雨具姿の田中マネ。DHとはいえその飛距離は唖然・・・・


のお時間となる。お馴染み「新着情報」に掲載する写真撮影が目的となるこの巡回。先ず第1桟橋に降り立つや否や、3名おられたルアー師の竿が次々曲がるのをカメラに収めてしまわれる。(この日はルアー師が本当に好調。活性が上がればやっぱ、ルアーの方が効率よく釣れて羨ましい)次に小生のいる中央桟橋にやって来ては、「いやぁ、こんなに早く仕事が片づいてくれるから、らくちん、らくちん」などと宣(のたま)いつつ、ご自身もDHロッドをセットして、まさにこれ見よがしのスーパーロングキャストをご披露下さる。その横で較べようもないヘナヘナキャストを繰り返す小生だが、それでも高活性な今日なら十分に釣りになる。先ずは小ぶりな一尾でロッドを曲げてマネのお仕事にしっかり協力することは忘れない。



ひげオヤジはかくの如く元気でおりますぞ。皆様、ご心配ご安心を!


 とまぁ、当日桟橋にいた釣り人の全釣り姿をとっととカメラに収めた後、早々にロッドをしまわれた田中マネ。「今日はみんなよう働いてるから、ご褒美やね!」などと言うから、この釣り場の優待券でもくれるのかと思ったら、なんとご褒美の主は魚たち。ここ「なごみ」では小生も初体験となる

 ペレット撒き!

という大判振る舞いとなる始末(マネ曰く「こうして水温の上がった時に魚に上の方を意識させておくと、少しぐらい冷え込んでも魚は急に沈まない」とのこと。なーるほど)。
 少し小粒な浮くペレットだが、他の釣り場のようにすぐさま魚たちは上がってこないが、それでもゆっくり下手へと流れていくペレットに、ポツン、ポツンとライズが始まったかと思えば、後はもう、狂ったようなライズの嵐と相成る次第。深い湖底から次から次へと沸き上がってくる膨大な数の魚影を見れば、

そっかぁ、ここにはこんなに魚がいたんだ!





ということを今改めて思い知る。などという感慨もあらばこそ、広がるライズの真ん中目がけてフライを投げれば、後はワンキャスト、ワンフィッシュで最後の一時間を終えることに。それまでは一日30尾のペースであったものが、気がつけば数は一気に伸びて、52尾(うち、ブラウンが2尾)。「釣った」というより「釣らしてもらった」という一日ではあるが、長く通うこの釣り場。たまにはこんなこともタナボタもあって良い・・・と一人得心しつつ先ずは納竿。

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 3月4日

 今日も朝から休みを取っている。カレンダーはすでに弥生となれば、当然、解禁したばかりの渓流へと気持ちは向かっているが、生憎今日も空は、

 
雨・・・





 うーん、これじゃ仕方がないと思いつつ、今日も新名神をひた走り「なごみ」方面へと車を走らせる。朝早く比較的空いた高速道路。のんびり車を走らせる小生を尻目を、追い越し車線を電光石火の勢いで駆け抜けていく車が数台。ちなみに現在、この小生が観察する所による

 高速道路爆走ベスト3!

を挙げるとすれば、先ず

第3位カローラのバン(特に『・・・薬品』などというロゴを車体に記す車は速いですよね。)

次なる第2位黒のベンツ(別にあちら関係でないにしろ、やはり黒で、ベンツ・・・となれば前を行く車をあおらざるを得ないというのが宿命なのでしょう。南無惨)

そして堂々の第1位は、ルーフキャリーになぜかハシゴを載せた

 
白のハイエース!





ということに決定。特に朝の7時台。この車の速いことと言えばまったくもってまさにF1級。おそらくは「し、しもたぁ、げ、現場に遅れる!」とまぁ、悪鬼のごとき形相で待つ親方の元へと急ぐがゆえの必死のパッチ状態であることはもちろん、なぜか助手席の御仁が缶コーヒー片手に、フロントグラス前に

 両足を乗っけている・・・

というのも、その音速級の早さの秘訣であるようです。読者の皆様も一度その目で、お確かめ下さいますように。

 さて3度連続の「なごみ」釣行。今日も5番の竿で、同じ釣りでは芸がないなぁ・・・と思った小生、「そうそうあれがあったっけ」と思って持ち出したのが12ftのDHロッド。7番の指定だが8番のWFで具合良くキャストできる一本。ここ最近、とみにロングキャストしなければ釣りにくくなっているこの「なごみ」ではやはり楽に距離の稼げるこのロッドも役に立つはず、と考えてのご登場と相成った。

 さてこの日は雨に加え風も強くさすがのDHをもってしても逆風を突いてのキャストは無理がある。ということで一番奥の桟橋から、最上流部目指してのキャストとなる。久方ぶりのDHゆえに最初は自分でも、

 何をしているのか判らない・・・(@_@)

ということとなったが、先ずは前回の田中マネのキャスティングを思い返してバックキャストでのポーズをしっかり取るように降ってみれば、何とかロッドの曲がりを感じることができ、ラインスピードも上がってくる。ということでフルライン寸前までキャストできるようになれば、後はいつもの機嫌の良い「なごみ」に早変わり。少し小ぶりなマスが増えたのかと気にしつつも、先ずは順調に釣れ続く。先ずは午前中だけで20尾を釣れば納得の昼休憩。雨をしのごうと固定桟橋奧の小屋にて昼飯をほおばりつつおれば、目の前にはFF師がバックキャストに苦労しつつも幾度も竿を曲げておられる。「よお、釣りはるなぁ・・・」と感心しつつ眺めおれば、なんと件(くだん)のFF師。

 
CreekWalkers元帥殿のトーナメントマーカー





を使っておられるではないか。うーん、まったくもって知らぬ存ぜずの御仁であるが、これだけのことで妙に親近感が湧くから不思議。顔こそ見えねど先ずは後ろから、

 がんばれー!

と応援しつつおればすぐさまマーカーがヒュンと消し込む。「やった!」と思ったのも束の間、スカンと空振り。今度こそと念じつつさらに応援を続ければ、何と

 3度連続の空振り!

ううううん、やはり他人の不幸を願ってこそのこのひげオヤジ。人の応援などと慣れぬ事をしでかしたために思わずご迷惑を掛けることになってしまった。許せ、トーナメントマーカー殿。

 さて、昼休憩もそこそこに、再度午後の釣りを開始。数分に一回、アタリがあり、その三回に一回、魚が乗るといういつものなごみペースで時間を過ごしつつ、時計を見れば午後2時過ぎ。それまでの風が少し弱くなったのを見定めて、今度は下流側のバンク目がけてキャストする。着水し、フライが馴染んだかと思うやいなや、グゥゥーンとゆっくりマーカーが沈んでいく。
 むむっと思い、すかさずロッドを立ててラインを手繰れば、ドォンという手応えがあるものの、そのままラインは水面に突き刺さったきり。「あちゃー、根掛かりか?」と半分がっかりしかけたその時、いきなりグィングィンとラインが底へ底へと走り出す。おお釣れてる!と喜んだのも束の間、何とラインが手繰れない。スピードこそまったくないが、ただただ底へ底へと持ち込んでいく重い走り。ちなみにティペットは6X。無理矢理引きずり上げることも出来ず、先ずはただひたすらの持久戦に突入。2メートルばかりラインを手繰ればまた2メートル持って行かれる・・・ということを繰り返すこと、十数回。ファイト開始後、すでに10分近く経った所で、ようやく魚は水面の方を向いてくれる。
 一瞬だが、水面直下に垣間見えたのはデカイ茶褐色した魚体。これはこれはと期待しつつも、それからは丁寧に丁寧にやり取りしつつ、さらに5分ほど、ただただロッドを溜めに溜めておれば、やはりDH。強いバットがしっかりしなって魚を水面まで誘ってくれる。すでに棒のようになった利き腕に最後の踏ん張りを利かせた後、何とかネットに納めたのは、

60センチ級のブラウントラウト!





 「いやぁ、こういうことがあるから釣りは止められないっす」、というようなことをこのバカはすでに100回はほざいているのを承知しつつ、先ずは101回目ともなるこのセリフを心の底からほざいてしまった。

 さてこのデカブラウンを釣った後は少し気が抜けてしまった小生。キャストミスやらライントラブルやらを連発し、結局、釣果の方はサクラマスも2尾交えての38尾止まり。まま低気圧到来で強風下の釣りであったことを思えば先ずは納得の釣果と言うべきか。それに、あのドデカブラウンも釣れたことだし、まさにオホホホホホホ(^O^)な一日となった。

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 3月16日

 取りに取ったぞ有休代休第四弾!さて今日こそ今シーズン初の渓流釣行と思い、前日までに巻いたドライフライが十数本。さらにフェザントテイルのニンフも加え、

 いざ行かん!

と、勢い込んで目覚めてみれば、今日もなんと無惨の。天気予報では朝からは止むはずであったが、思いの外強い雨脚に気持ちは萎えて、やっぱり今日も、「なごみ」へと出撃。これでなんと三度続けての雨合羽釣行となったが、まま、それはそれ仕方がない。

 釣り場に着けば、予想していたとおり(というより、それ以上に)

真っ茶色な湖面





に唖然とする。これじゃフライは無理かと思いつつも、ここまで来ては後には引けぬ。先ずは前回同様、DHロッドを取り出してみる。次にラインをガイドに通すことになるが今回は特にこのロッドのため新調した

sageのライン





 あの文豪ゲーテ「もっと光を!」と叫んだと言うが、このヘッポコFF師「もっと飛距離を!」と法外な望みを抱いての新規購入と相成った。さてさてどんな按配かと期待しつつロッドを振れば、いつもの8番ラインの半分ほどしかラインを出さぬのに、ロッドはしっかりしなり、ビューンとラインは吹っ飛んでいく。「うーん、さすがに良く飛ぶ・・・」と感心したのも束の間。通常のWFラインより先端が重いこのライン(ちなみにスペイもOKだということらしい?)、オーバーキャストではターンオーバーを待たずラインが先に水面に落ちてしまい、投げるたびに

 リーダーがグチャグチャ・・・(>_<)

になってしまう。好事魔多しというのはまさにこういうことかと歯がみしつつ、午前中はただただ雨中のキャス練と相成る次第。(結局はバックキャストのポーズをしっかり取って、心持ち上方にシュートすることで何とか上手くターンオーバーできるようになった。人間何事も鍛錬ですなあ。)

 さて午前中はバラシ3尾を含め、たった2尾をキャッチするに終わる。それまで降り続いた雨も気がつけば止み、気を取り直しつつ昼食を取った後は、それまで使っていた5Xのティペットを思いきって6Xにサイズダウン。「この濁りだから少々太くても大丈夫・・・」と思っていたのが実は大誤算。6Xに変えた途端、それまで間遠かったアタリが次々に出る。「なんだ、これだけのことか・・・」と気がついた時には、時計はすでに2時近くになっている。さてそこから3時間あまりはいつものように良く釣れる「なごみ」が復活。特に最後の一時間はいち早く「濁り」の取れてきた奧の桟橋にて釣れば、立て続けに7尾を追加する。ということで、この日も実質半日の釣りで22尾。帰りに寄った事務所にてルアー師のお話しを聞けば、終日釣って、47尾(!)の釣果とか。やはりこういう状況下ではルアーに勝てるものではない。少なくともここ「なごみ」に出かける時は、シンキングラインとストリーマーを常に用意しておくことを肝に銘じておきましょうね。





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 さてこの4度連続の「なごみ釣行」。晴れあり、雨あり、風あり、濁りあり・・・と毎回変わる条件の中で、あれやこれやと身悶えしつつの悪戦苦闘。それでも毎回、それなりの釣りになったことは欣快至極。さらには今回の経験で小生の釣りの経験値もそれなりに積み重なったはず。できればこの経験が、今シーズンの渓流釣行で生きてくれれば願いつつ、おそらくは、次回、今月末に予定する釣行日も、

 きっと雨(-_-;)

という恐ろしき予感に脅えつつ・・・、先ずは皆様方ともども、今シーズンも良い釣りができますように、願って止まぬ次第であります。

2010/03/16
  


Posted by ひげオンジ at 23:57Comments(10)

2009年12月31日

Count-Down2009

・・・2009年という一年もあっという間に過ぎ去って、今日はもう大晦日。今年一年を振り返りつつ、家族共々、静かに一日を過ごすことこそ、この国に生まれた人間にとって何より大切なことだとは、皆様も先刻ご承知のはず。にもかかわらず、そんな区切りの日を

 
なごみの湖の桟橋!




の上で過ごしている馬鹿がここにおります。

 さてそれもこれも、この小生にとって年末恒例となった、

京奈滋コネクション年越し蕎麦釣行


写真、左から、ならおう殿、ま。殿、りゅうちん殿。みんな元気一杯!


がゆえ。8時半に駐車場に着けば、いち早く到着していた京都の友

ま。殿が愛息りゅうちん殿を従えて、ご準備のご様子。さらに受付を済ませ、なごみ本湖に出てみれば、ならおう殿が中央桟橋にて鎮座まします。
 本来ならここに関西屈指の高校生FFマンこと、ま。殿のご長男、つきちん殿も居並ぶはずだが、何と今日は、

ふっと、猿・・・




の試合があるというではないか。いったい何処のモンキーセンターに行かれているのかは存じ上げないが、まま、それはそれで仕方なく、寂しさをこらえつつの釣り開始となる。

 さて、この大晦日。なんと日本列島全域を

 年越し大寒波!

が覆い尽くすという天気予報。各地で大荒れの天気が予想される中、ここなごみもいつも以上に、

 
さぁぶぅぃぃぃい・・・・


少しリトリーブしただけでロッドガイドは写真のように。冷気恐るべし!


家を出る時には、あの奥方から、

 「これが冬山登山だったら、殴ってでも行かさないけど、うーん、管釣りだから、・・・まぁ、いいわ。」

などと、亭主思いなのかそうでないのか、まったく理解しがたい言葉を投げかけられていることを思い出しつつ、時折吹き付ける爆風の中、先ずはキャストを繰り返せば、

ジャジャーン!




とばかりに先ずは本日の第一尾。気温は低いが魚は皆が皆、底にいるとは限らぬようで、タナ2メートルほどで釣れてきた。その後も、忘れた頃にアタリがでる・・・という具合で何とか午前中で5匹の釣果。数こそ少ないけれど、どれもこれも

ヒレピンプリプリの爆裂ファイター!




底へ底へとグングン突っ込んでいくその圧倒的なパワーに併せ、と風切り音と聞きまがうばかりの、ヒュンヒュンという糸鳴りが心地よく、やはりこれはここでしか味わえぬ喜びなのだなと思い知る。いやぁ、やっぱ楽しいね。

 さて、午後からはやっと空いた中央桟橋に移動し、やっとこさ、ま。殿りゅうちんならおう殿と並んで釣ることに。しかし投げれど投げれどアタリは間遠く、ただ吹き抜ける風だけが身を切っていくばかり。しかもお隣でキャストする

ま。殿




ならおう殿




共に、腕自慢のロングキャスター。向かい風などものともせず、懸命に6番の竿を振る小生の2倍!はラインを延ばして行かれる。さらに反対側をみれば、

小学生のりゅうちん!




までが小生の1.5倍!の距離を楽々とキャストしているのまで見れば、

 
来年の課題・・・


こんなヘボキャスターでも釣りになるのだから、やっぱ、"なごみ"はスバラシ・・・


が少し見えてきたりもするのは、やはり年の瀬。来るべき2010年をより有意義なものとするべく、神様はこのひげオヤジに新しい試練をお与えになって下さるのであろう。

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 さて終了時刻1時間前には、寒風の前に矢弾が尽きる前に、心の矢が折れてしまうのが、軟弱を以て知る京奈滋コネクションの真骨頂。そそくさと桟橋を退場し、受付事務所に据えられたストーブ目がけて脱兎のごとく馳せ参じ、凍えきった体に命の灯をともすことに。

 暖を取りつつ、しばし語らう時間もあればこそ、それぞれに共に新年を迎えるべく、待っている家族のある身なれば長居もできぬ。先ずはなごみスタッフの面々にご挨拶を済ました後、駐車場では、ならおう殿ま。殿りゅうちん殿の皆様方とも、改めて歳の暮れのご挨拶を申し上げることに。

 いやはや、先ずは今年の釣り納めを無事終えた小生。今年一年、このお馬鹿と遊んで下さった皆様方にとって、2010年が本当に良い歳であることを心から祈りながら、ふと東の空を見上げれば、そこにななんと、大きな大きな満月が、微笑むようにこちらを見ているのでありました。

2009/12/31
  


Posted by ひげオンジ at 20:52Comments(4)

2009年12月29日

煩悩退散!

12月29日、午前8時20分。昨日やっとのことで

 御用納め!

を終えたこのひげオヤジ。師走に入ってからほとんど休みもなく過ごしてきたが、今日からやっと、6連休!がスタート。いやぁ、止まない雨もなければ、明けない夜もない・・・ということはまさに真実。先ずはゆったりと寝過ごした後、「ではでは、行ってきます!」と声高らかに出発。目指すは今やお馴染みとなった京都府相楽郡和束町、

 
なごみの湖




きれいに澄んだ青空の下、湯船森林公園を横目にしつつ、気持ちよく車を駐車場に近づけてみれば、

 
なんじゃあ、こりゃ!




とあのGパン刑事の雄叫びもかくやと言わんばかりの絶叫をあげる小生。長くこの釣り場に通う小生にとっても、生まれて初めて目にする、大混雑・・・が目の前に繰り広げられていた。

 今日29日からが年越しのお休みと思えば、少しは混むとは予想していたが、まさかここまでとは思いも寄らぬ。「うーん、まいった・・・」と一人ごちつつも、ここまで来てたからには後には引けぬ。先ずは事務所にて、田中マネに、「いやぁ、混んでますね・・・」とぼやきつつのご挨拶。「うーん、やっぱし、今日から一斉にお休みだからね。まま、これから放流もするから。」と少し同情するがごときお声を響かせつつも、眼鏡の奧のその瞳は

 
エヘヘヘ・・・(^_^)v


「今日もしっかり放流しまっせ!」と頑張る田中マネ(手前)。なんとも頼もし・・・


としっかり笑っている。そりゃそうだ、こんなに大混雑、大繁盛が一ヶ月も続けば、携帯すら圏外となる、このショボイ事務所も、まちがいなく
「なごみ御殿!」


「なごみ御殿」想像図・・・手前がなんと、新装ライトエリア!


となってしまうはず。

 とまれ、不景気ばかりが取りざたされる世の中だが、時にこういう景気の良い風景を目の当たりに出来たことだけでも、喜びとするのが妥当なのかも知れないなぁ、と妙に納得したりするのは、やはり年の瀬のせいなのか。

 さて、今日は本湖は攻めずに(ってか、この状況では桟橋には割り込む隙間もないはず)ライトエリアの一日券を購入。時間券が中心のライトエリアなら、午後から空いてくるはず、という腹づもりでもあったが、実の所、今日は別の魂胆が。それは・・・

 
おニューなロッド!




の試し振りということが真の目的。今まで使っていた3番ロッドがどうにも気に入らず、釣りを始めたばかりの兄に譲ってしまい、その後釜にと新調したのがCampanella37113RW。とはいえ、オリジナルのままで購入するのも芸がないと考え、グリップやらラッピングスレッドやらを別にオーダー。さらに調子に乗った挙げ句、バットにネームまで入れてもらうという暴挙の後に購入した一本。できれば来春の解禁移行、石徹白で入魂!と考えていたが、それまで待ちきれないのが、なにせ小生イラチな関西人。先ずはチビマス相手にキャストの練習と思い、今日この日をデビューとすることにした。

 さてゆるゆるとHardyのFeather-Weightをリールシートにセットしてみると、少し地味に選んだブラウンのラッピングと合わせ、これがなかなか良い感じ。小ぶりなコルクグリップも自然と手に馴染むのに満足しつつ、ラインを通しキャストしてみると、思った以上にパワーのあるバット部にしっかりラインを載せて先ずはまったりとシュート。すると伸びるラインを追いかけていく竿先が、すぐさまピタリと落ち着くのも気持ちよい。「うーん、これは良くできてるなぁ・・・」と改めて感心しつつ、先ずはゆっくりと前後に伸びるラインの軌跡を目で追いながら、キャストの練習を兼ねてBFを投げてみる。何度か澄んだ水底からフライを見に来る魚もいるが、やはり水温が低いのかフライを銜えるには至らない。20分ほどキャス練のつもりで続けてみたが、やはり魚を掛けて竿の曲がりを見てみたいという思いが勝つのは当然。
 ということでBHタコでサイトの釣りへと変更。5メートルほどのキャストだが、フライがすうっと水に馴染んでいくのと同時に一尾のマスがクルンと反転するなり、

 
パックン!




とフライを銜えるのが目に入る。すんとロッドを立てれば、クゥンクゥンという小気味の良い振動がグリップから脳天に届いてくる。典型的なミディアムアクションの円弧を描くロッドを目で楽しみながら、先ずは今日の一尾目をネットイン。ニジマスの乱暴な走りにもばたつかずピタッと付いていくこのロッド。先ずはイメージ通りの一本であることに納得。いやぁ、良い買い物をしたと先ずは満足、満足・・・ということに相成った。

 さて、その後も底まで沈めたフライを拾い食うマスも含め10尾ほど釣り上げた後、ひときわデカイ魚影がグワシとフライを横銜えするのが目に入る。ホイッと合わせてみればこれまでとは格段にちがう重い手応え。と同時に

 
ヤッ、ヤバイ!




水面下をのたうつのは年末特番としてこのライトエリアに特別放流された50センチ級のデカマス。6Xのティペットはともかくも、新品のロッドが折れやしないかと冷や冷やしつつ、先ずはHardyを使っての初めてのリールファイトに突入。無理に引っ張ることはさすがに出来ないものの、それでもしっかりとしたバットが魚の遁走をきちんと受け止めてくれる。慌てず騒がず、ロッドの能力に全てを預けてファイトすること数分。ようやくネットに収まったデブマスを見れば、この竿の真価を改めて痛感した次第。
 いやぁ、さすがMade in Japan!やっぱこの国の人間の優秀さを思い知ることとなった。

 さて、それから1時間あまり。リズム良く釣ったマスが20尾を越えるか否かの時に、ここ「なごみ」での年末年始スペシャル!とも言うべき特別大放流!のスタート

 いやぁ、別にそんな事してもらわなくても・・・

と真断なく釣れ続いている小生。あまり釣果の伸びぬルアー師の面々に、少し遠慮しつつも、さらに活性の高まった魚たちを相手にすれば、

 据え膳食わぬは男の恥!

とばかりに次々と竿を曲げていく。抜けるような青空の下、冬の陽差しにきらめきながら、きれいに曲がるロッドを見ていれば、今年一年の憂さがゆっくりゆっくり晴れていくよう。ほんとに、ほんとうに、今日は良い日だ。

 さてさて30尾あまり釣り上げた所で時刻は11時30分を過ぎたあたり。「そういや今朝は朝飯を食ってなかった・・・」と思い出したこともあり、「んじゃ」とうなずきつつも再度、事務所へいそいそと向かう。受け付け奧の休憩所で小生を待つのは、これまた年末恒例

 
なごみの湖謹製・年越し蕎麦!




 「はい、お待たせ!」とまぁ湯気の立つどんぶりを手にした田中マネ手づからのサービスにもあずかり、心と胃袋を一度に芯から暖めてもらえるのが何より嬉しい。いやぁ、こういう細かなところまで気配りの利く、本当に良い釣り場なんですよ、ここは!

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 さて、お昼が近付き、次々お蕎麦目当てに事務所に戻ってくる釣り客と入れ替わる形で再び第2エリアへ戻る。今日のライトエリア。釣り客は多く、プレッシャーはかなり高いと見受けたが、それを上回る圧倒的な放流量のおかげでフライ師の小生にはまさに天国と言って良い。(ルアー師の皆様方は少し苦戦、というか技量差が歴然と出る状況であった様子。本格派エリア師は連発。素人さんは大苦戦という状況でありました。)ちなみに今夏からきれいなウッドデッキに改装された第2エリアには20名弱の釣り人が取り囲む状況。ちなみにフライ師は小生を含め7名という数だが、気になることはたった一つ。小生以外の釣り人は全て、

 
ハートラブハートラブハートカップル!



先ずは管釣りカップルの定番、「貴女釣る人、僕掬う人」 羨ましい・・・





これも管釣りカップルの定番、「彼女に先に釣られ、焦る彼氏」 ざまぁ見ろ!





こちらはシニアのご夫婦。奥方がトラブっていても、旦那さんは一切、無視・・・。
一方、旦那さんがミスれば奥方、拍手とは。さ、流石の熟練カップル!


なのだ。現在の管釣りにおいて、ルアー師のカップルはことさら珍しいものではなくなったが、フライ師のカップルはまだまだ珍しいもの。しかもそれが一度に3組も現れて、釣り場ヤモメの小生を悲しませる。本当なら今日は厄よけも兼ね、世に人が背負いし煩悩の数という

 
108尾


本湖のみならず、現在ライトエリアにも放流中のコーホ


を切りにしたいとおもっていたが、あちらこちらのラブラブモードを目の当たりにすれば、逆に

 
煩悩大爆発!


なんと怒りのあまり、アルビノまで釣れてきた。見た目とは裏腹の好ファイター!


という状態に突入。「ええええぃ、管釣りに愛など要らんわ!」などと訳の判らないことを口走りつつ、ただただフィッシングマシーンと化し、ひたすら竿を曲げ続ける。その鬼気迫るばかりの姿に周囲の視線がどんどん白くなっていくことを感じつつも、ほぼ2分に一尾のペースで釣ること3時間あまり。気がつけば煩悩の数などとっくに通り越し、150尾近くの釣果となっていた。50歳も過ぎたというのに、こんなことでムキになるとは。まったくもって性懲りもなく、あの大泥棒、石川五右衛門の辞世にならえば、

  なごみの湖 持てるフライは 尽きるとも 
           世に釣り馬鹿の 種は尽きまじ


・・・とまぁ、かくもジタバタ生きながらえつつ、先ずは今年も暮れていこうとしております。

2009/12/29  


Posted by ひげオンジ at 22:18Comments(14)

2009年05月17日

お久しぶりね~♪

 お久しぶりねぇ~♪

とまぁ、懐かしい小柳ルミ子のヒット曲を、BGMにガンガン鳴らしながら、先ずは、

 本当に、お久しぶりね

という、このブログ更新。前回の砂金探査釣行(?)以来、あたふたな日々が続けば、GWなぞもあっという間に杉田次郎。ここは戦争どころか「釣りを知らない子どもたち」などと、現在40代の皆様方にはまったく訳の判らぬ話をこきたおしつつ、目覚めてみれば、

 午前3時!

本当なら5時に起きるはずが、なんとその2時間も前に目が覚めてしまう、というのは当然!

 久しぶりの休みだ、わぁーい、わぁーい!!

という全く遠足当日の小学生のようなハシャギぶり。これぞまさに

 永遠の小学生・・・こと「磯野カツオ」

の最大のライバルたらんと日々研鑽するこのひげオヤジなのでありました。

 とはいえ、釣りに行くにはあまりに早く、少し寝直そうかと考えても、もう寝られない。んじゃ、仕方ないということで、ラインの手入れやタックルのセットアップなどで時間を潰しつつも、結局は「少し、早いけど、まっ良いかぁ。」とまだ5時にもならぬうちから家を飛び出し、ハンドルを握ることに。ちなみに今日の天気予報は思いっきり雨。もし晴れるようなら「渓流へ」と考えていたが、激しい雨が予想される中、そんな無茶もできない。ということで、これまた、

お久しぶりねぇ~♪、という

 
なごみの湖



この時季、きれいな藤の花もシャクナゲもすでに盛りを過ぎている。
もう少し早く来たかったね


へ見参となった。さて、駐車場に車を置いたのは5時40分。まだ開場までに50分もある。「やったぁ、一番乗り!」と喜びつつも、先ずは人っ子一人いない駐車場。身の置き所に困った挙げ句、腰をウネウネ回しつつ、首肩を逆にヒネリ続ける「悶絶!ひげオヤジ体操」(ちなみにこの体操。我が家の娘の評価は、ただ一言。「お父さん、それだけはぜったい外でしないでね!もししたら親子の縁を切るから・・・」というもの。)などで体をほぐしつつおれば、それでも時間は経つものであり、気がつけばいつもの中央桟橋にて竿を握っているから不思議なものだ。

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 さて、薄く青空がのぞきつつも、それでも風上からはどんよりとした雲がこちらの様子を窺っている。ちなみに「天気予報が雨!」というのが今日、小生が「なごみ」への釣行を決意した最大の理由。通常の日曜日であれば桟橋中、人、人、人だらけになるこのハイシーズン。当然、そのプレッシャーゆえに釣れる魚も釣れなくなるのは、まさに管釣りの必定。となれば、
「釣れないよりは濡れた方がマシ!」
という大釣馬鹿魂が火を噴くのは誰であれ当然のことであろう。ちなみに昨年の同時期も、GW明けの雨のの一日、殊の外良い釣りを楽しんだ思い出もある。とまぁ、捕らぬ狸の皮算用などしつつも、先ずは朝一番の来客は小生を含め、たった3人。先ずは目算通りとほくそ笑みつつ、さてさて、今日のファーストキャスト。

 湖面にはいくつもライズがあるゆえ、先ずは小さめのBFドライなどを投げ、様子を窺うが、いっかな魚が見に来る気配はない。それじゃあ、ということでソフトハックルで表層引きなどにも精を出してみるが、2度ほど、チェイスしてくる魚影を確認しただけで、ヒットには至らない。「ん、じゃしゃーないか。」と一人こちつつ、毎度お馴染みのタコの吊し釣りということに相成った。3投目でアタリが出たがそれは、空振り。少しずつキャストを伸ばしつつの5投目で、モソッとした前アタリの後、ウググググッと浮子が消し込むのに合わせてやれば、久方ぶりの魚の感触が掌で踊る。足元までスンナリ寄ってきた後、グルグルとローリングアクションで抵抗を見せたのは、半身に大きな噛み傷も哀れな

サクラマス


鱗の剥げた寂しい魚体。この裏側に大きな傷が赤く口を開いております。


3月に放流されたの一尾だろうが、おそらくはここ「なごみ」の居つきの大鱒に食われ掛けたのであろう。いやはや尺越えの魚を頬張るほどの魚がいることに、先ずは素直に感動しておきたい所。さてそれからも、頻繁にアタリはあるものの、これがもうなんとまぁどうもこうにも徹底的に、

 空振りの嵐!

ということになる。これはもう誰がどこから見ても、典型的な

 
ショートバイト!



この50オーバーのニジマスもフッキングは口の皮たった一枚。
こういう釣りもまた、それはそれでスリリング!


 良い時なら、ツンという前アタリの後、グゥゥンと消し込むインジケーターを確かめてからズンと合わせてやれば後は、「タッタタタラタラなごみのダンス~♪」というリズミカルで小気味よい鱒とのファイトが堪能できるはず。それが今日は、最初のツンという前アタリだけで終わってしまう。それじゃあ、と、そのツンというアタリで合わせてみても、当然、魚はフライをくわえているはずもなく、すこ~んと虚しくラインだけが空を切る。もちろん、釣れないのは小生だけでなく、他の釣り人方(本日の来客数、小生を含みたった10名)も悪戦苦闘のご様子。うーん、これでは朝一番の皮算用が、まっこと捕らぬ狸となってしまった。

 ちなみに帰り際に田中マネにお話しを伺った所。GW中の混み様は尋常でなかったらしく、二日連続放流したものの、アッという間に「スレスレ」ということになったらしい。それに加えて、ずいぶん乱暴なリリースをする人も多かったのであろう。水面下至る所に、痛々しいヤケドマスの姿も、多数発見。



白い合羽姿お仕事中の田中マネ
この実力者をもってして、2時間で1尾なのだから、やはり厳しい!


 そんなどんよりとした湖面を眺めていれば、まさに今を去ること、10日余り前、この国の至る所で、東奔西走、七転八倒したあの大連休を終えた後の、

 
「祭りの後」の倦怠期!



そぼ降る雨に湖面が泣いている・・・


なるものがこの釣り場全体を覆い尽くしているように感じたのは、小生一人ではなかったのでしょう。などと愚痴りつつの午前中、それでもポツポツと小さなアタリを拾いつつ、何とか9尾のマスを仕留める。

 さてそれで午後に入るや、さらにさらに倦怠感を高める雨が本降りになってくる。魚も幾分沈み気味な様子となれば、吊し釣りでの反応もただただ鈍くなるばかり。それじゃぁ、と気分を変えて、TypeⅡでの引っ張りの釣りに種目変更。2投目でググンと向こう合わせの一尾を釣り、「よぉし、これなら!」勢い込みつつも、足元までチェイスする魚影は何尾も見えるものの、どれ一つバイトには至らない。「ぬぬぬぬぬっ・・・」と歯がみしつつおれば、やっとのことグンと竿がのされてヒットしたの、小生この釣り場では初体験となる

 
なごみブラウン!



イワナと同じく、魚食性の高い鱒族であればこそ、ストリーマーでの初ヒット。先ずは納得の一尾となった。

 その後も、吊し釣りやらフローティングラインの引っ張りやら、あれこれ手練手管を尽くしつつおれば、何とか忘れた頃にヒットがある程度・・・の貧相な釣りが続く。(途中、イワナも一尾混じり。今回は四目釣りを達成。これで「なごみの湖名物」のでかい「カワムツ」が釣れていれば、五目・・・だったのにね。残念!)6時の納竿までに釣れた数は17尾。ここでのこの尾数なら、さほどの貧果とは呼べぬはずだが、期待感の大きさに反比例した、何とも言えぬ空しさが胸に残る。むろん、これはこの小生の人格、未だしなる所以かと、少しく反省しつつおる次第。



お馴染みイワナ君。今日も桟橋が濡れていたので、自分の足で歩いて帰ってもらうことに。


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 すっかり日も暮れ、降り続く雨。消沈しつつ、走りおる帰途の新名神。途中、無理矢理割り込んできたトラックに「あわや、大惨事!」という窮地にさらに神経を刻まれて、玄関のドアを開ける姿は、まさに這々の体。「ただいまぁ~」と蚊の鳴くような声を居間に掛ければ、

 「おかえり、どうだったの、今日は?」

と奥方がいつになく明るい笑顔のお出迎え。「う・・・・ん、それが、イマイチ。」と失意の亭主が伏し目がちに返事をするのを横目に見た彼女。なぜか突然「良妻賢母モード」にスイッチオン。

 「そう、そんな日もあるわよ、次、頑張れば。」

 読者諸兄!そうとも、彼女の言うとおり。釣りは別に今日一日で終わるものでは決してないはず。そう、次の釣行で、このリベンジを果たせば良いんだ。

 「うん・・・、そう、次、頑張ることにするよ。」

と少しく明るさを取り戻し、慌てて晩飯を掻き込もうとした小生の豹変ぶりに、何やら怪しいものを感じたのか、すかさずいつもの「鬼嫁モード」にシフトチェンジ。

 「あんた・・・、まさか、まさかね、今週、もう一度、仕事サボって、どっかに釣りに行こうなんて考えてるんじゃあ、ないんでしょうね?

 その霊感たるや、まさに鬼神に迫ろうかという我が奥方。「なんで、判っちゃうのかな・・・」とおののきつつも、先ずはそしらぬ顔を決め込むこのひげオヤジ。もちろん、彼女の予言が、あのノストラダムスよりもはるかに正しいことなど、皆様方、すでにご承知済みのことであろうかと・・・、いやはや、どうなりますことやら。

2009/05/17

  


Posted by ひげオンジ at 23:00Comments(12)

2009年03月05日

なごみ伝説・・・

 
皆さん、こんにちわ!黄色い星

 突然、ひげオヤジのブログ更新です。前回釣行が先月18日。それ以降はまったく融通の聞かぬ上司やら、某有名通販(海人損・・・などと人は呼ぶ)やらとの格闘を経つつ、後はただただ、

 仕事の日々!

まま、このご時世、「仕事があるだけ幸せ!」と思えば、不満を言えるべき身の上でもなく、それでもお金は貯まらず、ストレスばかりが溜まるだけ・・・の日々を過ごしつつ、気がつけば、二月如月も最後の週になっている。今週初めで何とか仕事の方も一区切りついたところで、今日2月25日(水)は、久々の、

 平日休暇!ニコニコ

職場の上司に断りを入れるのを忘れていたため、こりゃもう、ただの無断欠勤になることも厭わず(そのことに気づいたのは釣り場に立った後2時間経った後。なんとそこは携帯が圏外!という恐ろしくも嬉しい所なのだ)、先ずはそぼ降る雨の中、

 
なごみの湖




に見参。いつものように8時前には中央桟橋にて竿を出すが、小生、久方ぶりの休日を、あざ笑うが如く、周囲は一面の、

 雨・雨・雨・・・雨

 竿にべとつくラインは気持ちよく伸びることもなければ、本来なら湖面をにぎわすはずのライズもまばら。「ま・ま・まま・・・」と何も考えずに、毎度の如くタコのルースニングで釣り開始。伸びぬラインを伸ばしつつ、4度目のキャスト。ようやく水に馴染んだフライがしっかりとタナまで届いたかな、と思う所で、最初のアタリ。ズンと掌にのった重みを感じれば、今頃、兇悪鰐目で小生に呪いの言葉を喚き散らしているであろう上司の顔も、しっかり雲散霧消する。




 てなことで、後はいつものように間遠いアタリに身悶えしつつ、ポツポツと釣り続けて行く。途中、額にルアー傷を残す、居つきの50センチオーバーにリールファイトを楽しませてもらいつつ、何とか午前中だけで10尾を越える釣果。2月の「なごみ」でこの釣果なら先ずは納得すべきこと・・・と先ずは久々の休暇を満喫する。

 さて午後に入れば、ようやくしのつく雨も止む。レインコートの胸元を少し開き、「ホッ・・・」と一息つくのも束の間、今度は上流の堰堤から怒濤のように、濁った水が流れ込んでくる。濁りだけならまだしも、上流から枯れ葉やら重い泡やらドンブラコ、ドンブラコと流れてくれば、見る間に青い湖面が、

ゴミだらけ!




になっていくのを見るのは悲しい。当然、アタリは遠のきつつあれば、途中、馴れぬDHでの釣りなども交えつつの悪戦苦闘。特にDHでの釣りは、向かい風などものともせず、キャストの距離も稼げてある意味ずいぶん楽ちんなのだが、何せ取り回しが悪く、

 シビアな管釣り・・・

ではインジケーターに出たアタリをしっかりと取れない。途中続いた3連続バラシに歯がみしつつ、先ずは科学特捜隊のハヤト隊員よろしく、

 出たな「バレタン星人」!チョキ

などと戯れ言をいうのが精一杯。とはいえ、こんなお馬鹿なことを昼間から口走れる自分が妙に愛おしくかんじれば、日頃の憂さも少しは晴れる。

 さて、それからは再度SHの6番に持ち替えた後、ボツボツと拾うように釣り続ける。アタリは渋いがいったんフッキングすれば、それはもう、

 
ご存じ、なごみファイト!




 桟橋から底へ底へと突っ込むファイトぶりはまさにここならではパラダイス。小生、幾度も幾度も竿を湖面に突き立てつつ、6番ロッドのバットを目一杯に引き絞るレインボーランを堪能する。

 さて、雨も止んだ午後3時。空いているのを良いことに(今日の釣り客は小生含めたった4名)、桟橋の反対側に移動しては、左手のかけ上がりを狙い。もっそりとキャスト。ムワァ~ンというおっとりとしたアタリが出れば、スピードこそないもの重い重いトルクフルな引きを堪能させてくれた後、水面を割ったのはでっぷり肥えた50センチ級のイワナ君。

「うーん、ご立派・・・」





と一人ごちた後、体高も一際高いこのイワナ君をしばし濡れた桟橋の上に「放置プレイ」。なぜにこんな愚かな振る舞いをするかと言えば、小生かつてNHKの番組で見た(確か、場所は渇水の黒部渓谷)、

「イワナは歩く!」という伝説

を証明しようと考えてのこと。「さて、どうかな?」と、しばしの間、眺めおれば、皆さ~ん、やはり伝説は正しく、ウネウネと数度体をくねらせた後、胸ビレを上手に左右に振りながら、かのイワナ君は自ら、池の中へとお戻り遊ばされた。その時の仕草、表情はまさに「山の哲人」と呼ぶにふさわしく、毎度毎度バタバタ飛び跳ねるしか能のない、アメリカ産の魚などとはえらい違い。





 やっぱり良い国ですよね、この日本。などと愛国心などとはほど遠いこのひげオヤジ、「あー、やっぱ来て良かった・・・。」と感嘆符を頭の上に三つも四つも乗っけている次第。

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 さてお約束の5時過ぎまで釣りに釣って、釣果はニジマス20尾にイワナ2尾。前日用意したフライが全てマルトミの「ファインワイヤー」であったために針を伸ばされたバラシ多数。(皆さん、なごみ本湖では軸の太いしっかりしたフック…例「TMC100SPBL」などを使いましょうね。それだけで釣果が5割近く違うはずかと存じます。)

 終日、春の陽差しを感じることのない一日ではあったが、先ずは痺れたようにだるい利き腕が、今日という日が良い一日であったことをを物語る。とはいえ、ここにもさらなる不安の影が・・・。それは終了、1時間ほど前、しっかり竿を絞り込んでくれた

 
50センチ級アルピノ!





 ちなみにこの「なごみの湖」では

 
アルピノを釣った釣り師は
それ以降、ボーズの嵐に苦しめられる!ガーン


というもう一つの伝説がある。さて、春3月も待たぬうちに、すでに暗雲立ちこめるこのひげオヤジ。その運命やいかに?・・・その顛末は、次号を待たれよ!

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という次号はすぐにやって来るからあきれたもんだ。アルピノ釣行からすでに1週間。

 
「なごみアルピノぼうず伝説」





の真偽を確かめるべく、再度、中央桟橋に立っているのはまさに釣り馬鹿の極みともいうべき、ひげオヤジその人でありました。

 今回はしっかり上司に休暇願を出そうと思った昨日。なんと急の仕事が舞い込んで、「あらら~、困った・・・。」と嘆く小生の前に現れたのは、なんとまぁ、親愛なる職場の同僚S女史の姿。

 「そんなの、私が変わりにやっておいてあげるから、気にせず休みなさいよ!」

という何より暖かい言葉に丸い背中をドオォォォォォォンと押されての出撃。となれば、「おっとっとっと・・・」などと勢い余った小生、カンカンに凍り付いた桟橋に足を滑らし、思わず湖中に落ちそうになったりするぞ。うーん、危ない、危ない・・・。ガーン

 さて、先週は雨ながらも暖かい一日(気温11度)であったが、今朝は晴天。そしてお約束の放射冷却!のため、気温はなんと一気に下がって、

氷点下4度




 この急激な冷え込みゆえに、ここ「なごみ」ではお馴染みの、

 ターンオーバー…ブロークンハート

が起きている。キャスト後、リトリーブするラインには、ねっとりとした感じで湖底から巻き上がった重たい水がまとわりついてくるのが分かるほど。

 う・・・・・・・・んウワーン

 これこそ「なごみアルピノぼうず伝説」の真実かと思いしった次第。ロッドガイドが氷結するの気にしつつ、早々に表層の釣りをあきらめ、いつものようにタナを1ヒロ少し取ってのルースニング。広がる湖面中央にキャスト、キャストを繰り返すも、ノーバイト、ノーヒット。最初のアタリが出るまで1時間半。さらに2度の空振りの後、ようやくロッドに重みが乗って、最初の1尾をランディングしたのは、釣り開始後1時間45分を過ぎていた。ふと空を見上げれば、ようやく暖かい春の陽差しが顔を覗かせている。水もやっとのこと軽くなってきたかと思って、時計を見れば10時半。さぁ、これから、これから・・・っと。




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 ということで今日の「なごみ」。湖面中央では散発のライズがあるものの、待てど暮らせどアタリは出ない。となれば、今度は一転、右手のヘチ狙い。おそらくやる気のある魚は湖岸際のバンクをゆったり回遊しているよう。しつこくしつこく壁際にキャストし続けていれば、30分に1度アタリがあり、1時間に1尾というペースで釣れてくる。バラシ4発を加えて、先ずは何とか10尾をネットイン。前回同様、大イワナ君も交えつつ、先ずは、

 
暴君!








とも呼ぶべきマス達のジェットランを堪能できたのは何よりのこと。午後3時を過ぎる頃からは強風にめげつつも、先ずはこの悪コンディションの下、ツ抜けの釣果であれば良しとしたく思う次第。とまれ、今日、本題となるのは、

 「なごみアルピノぼうず伝説」

・・・前回アルピノさえ釣っていなければ、春3月の平日釣行(とはいえ、好天晴れという天気予報に誘われてか、平日であるにも関わらず10名を越える来客、こんなに混んだのもきっと、「呪い」のせい?)、本当はこの5倍は釣れていたのかも知れないなぁ、と一人呟きつつ、事務所に戻り、田中マネに少しく愚痴をこぼせば、

 「ふうん、でも明日また放流するから・・・。」ピンクの星

というお気楽極まりないご返事。えええっ、そんなことと知っていたなら、

 明日に休暇を合わせたのに!

とまぁ、やはりアルピノ君の呪いは、どこまでもどこまでも深いものがありましたとさ。

2009/03/05  


Posted by ひげオンジ at 22:59Comments(15)

2008年12月31日

回顧2008年!

12月30日、午前5時45分

 久方ぶりに携帯のアラームがかき鳴らすEntertainner~♪にどやどやと叩き起こされ、先ずはコーヒーメーカーをスイッチオン。手洗いに行き、顔を洗った後、入れ立ての珈琲にほっとしなから、先ずは朝の一服。「うーん、うまい…。」などと暢気に構えている暇などない。慌ただしく着替えを済ませれば、すぐさま車上の人になる。まだ世も明けぬ新名神道路をひた走り、金背トンネルを過ぎれば、空もしっかりと白んでくる。薄青い空に細く雲がなびくの見れば、

 よしっ、今日も晴天!

と一つうなずいたまま、今日の目的地。「なごみの湖」へと向け、車は霜枯れの田園地帯を駆け抜けていく。さて今日が、今年2008年の釣り納め。昨年同様、

 
08年回顧!なごみの湖年越し蕎麦釣行


なるイベントを京都の「ま。殿ファミリー」および、奈良の「な。様」とまぁ、共通点は「どこもかつてこの国の都であった」という由緒正しき、

 京奈滋コネクション!

にて執り行わんとする次第。いつもの坂道を転がるように掛け下り、毎度お馴染みとなった「なごみの湖」の管理棟が目に入るやいなや、あっ!と驚く。

 なんと駐車場遙か手前での、大渋滞!

時計を見れば、まだ開業15分前。「まさか、こんな時間ですでに入場制限か?」と年末休暇で混むとは覚悟していたものの、その不安がさらに倍加したとたん、小生の車に向かって近づいてくる田中マネの姿。手振りで、「エンジンを切れ」との合図。言われたとおり、エンジンを切り「おはようございます…」と声を掛けようとしたところ。なんと田中マネが見せたのは、「鉄砲を撃つ」構え。「えーっ、熊でも出たか、はたまた広域暴力団による管釣りでの縄張り争いか?」などと頭の中には「仁義なき管釣り・死闘編」などという訳の判らないタイトルが閃きつつも、すぐさま、

 ズドォォーーーーン!!

という大きな銃声。2度も続く爆音に、思わず震え上がりつつおれば、なんと4台前の車には今回ご一緒のお約束をした平城京「な。様」のお姿が。朝のご挨拶もそこそこに、

 「なんですか、これ?」

と小声でお尋ねすると、なんとライトエリア周辺での害獣一掃のための一コマとのこと。小生の住む近江京が誇る琵琶湖近辺でも猛威をふるうケダモノ達がこのような所にまで現れて悪さをしているとは、不届き千番、ここはこのひげオヤジが体を張って・・・と思う気持ちはあっても、すでに先ほどの銃声にて腰が半分がた抜け落ちているこのだめだめオヤジには、もちろんそんな明日はないのだ。

 さて、何とか作業も終了し、予定の7時半から受け付け開始。平安京代表の「ま。殿ファミリー」は少し遅れるということを前夜聞いている。となれば先ずは「な。様」と二人、えっちらおっちら、別名「メタボ退治坂」と呼ばれる坂道を「なごみの湖」目指してヨタヨタヨタヨタ登っていく。

 さて一番乗りを決め込んだのは朝一の冷え込みで凍り付いては、足元の滑る「中央桟橋」。昨年の年越し釣行同様の位置に「な。様」共々荷物を下ろし、いざタックルをセット。7番フローティングラインでLLの釣りに挑まれるご同僚の姿を横目に、こちらはいつも通りのタコのルースニング。水面下を見れば、何尾かイワナらしい魚影も見える。魚も少しは浮いているかと思えば、浮き下は先ず2メートル。風もない穏やかな湖面に向けて、やややっとキャスト開始。我々に少し遅れてきつつも、先に釣りを始めた下手のルアー師が良形のイワナをさっそくヒットさせているのを横目にしつつ、さっそく・・・
 行く2008年を振り返りつつの釣りが始まった。

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 先ずはルアー師に負けじとばかり、ラインの巻き癖を取りつつ懸命のキャスト。ようやく15メートルあまりラインを伸ばした所で、インジケーターがクンと沈む。アワセてやればゴクンといつもの手応えとともに、魚は底へ向かって一気呵成に走り出す。リールを使うほどの重さはないものの、そのシャープで俊敏なフットワークは、紛れもなく、お馴染みの

 
なごみマス





幾度かラインを出しては引っ張りを繰り返しつつ、ようやくネットに納まったのはヒレもぴーんと張ったきれいな魚体。おそらくは昨日、放流されたばかりの40センチ級であろうが、本当にこういうきれいな魚を選んで放流しているここの田中マネも偉いが、こういう立派な魚をちゃんと育てている養殖業者も偉いもんだと改めて感心する。今年、この国で一番喜ばしかった話題、

 
ノーベル賞日本人4氏同時受賞!

 
ということにも重ね、こういうちゃんと仕事をしようという気持ちをもった人たちがこの国に大勢いることを思えば、今がどんなに厳しい時でも、止まない雨もなく明けない夜もないはず。きっとまたみんなが笑って暮らせる日がきっと来るはずと、先に笑っている自分がいたりするのは申し訳ないことしきり。

 さてこれを皮切りに一気に釣れ盛るかと思いきや、そうは銀行は金貸さないのと同様に、問屋が卸さないのが、冬のなごみ。次のアタリが出るまでにはさらに30分あまりを費やしてしまう。「やった、乗った」と喜ぶ小生の横で、なんと「な。様」にもダブルヒット。馬鹿の一つ覚えのルースニングに精を出す小生を横目に、

 
「私はあなたとは違うんです。」





とばかりにロングキャストの雨霰、表層から低層までを縦横無尽に攻めまくるその姿こそ、尻をまくってトンズラしたどこかの元総理大臣に見せてやりたいものと思うのは、間違ってませんよね、福田さん

 さてそうこうするうちに時計は9時。3本の桟橋から湖岸沿いに据え付けられた固定桟橋まで、まさに「満員御礼」の釣り場を目指し、嘉門達夫そっくりの異様なサングラスをしたいかつい親爺を先頭に、ひときわスリムなヤングマン、さらに短いロッドをやたら長く見せるてくれるチビッコFF師という3人組が坂道をのんのんずいずいと降りてくる。

 「ちわぁーっす!」

と元気に声を掛けてくるのが、平安京を根城とする京の雅なFFファミリーこと
 「ま。殿ファミリー」ご一行であった。昨年の夏以来のお出会いになるつきちん師匠は幾分伸びた背丈に加え、頬にニキビの後など残す、まさに一皮むけた高校生ぶりに感心しつつ、日本一のFF小学生ことりゅうちん君は相も変わらずのチビ助ぶりを見せてくれていることに少し安心。狭い釣り場を譲り合って、先ずはつきちん師匠、りゅうちんのお二人と並んでの釣り開始。嘉門達夫、もとい「ま。殿」は子供のことなど知ったことかと言わんばかりに、一人固定桟橋で釣り始める。父に置き去りされた子どもたちの姿を見れば、今年、突如現れた、

 
ホームレス小学生・・・



子どもたちを見捨て、一人で勝手に釣っている無責任オヤジ約1名


となる言葉が脳裏をよぎるが、ここではこのひげオヤジ並びに「な。様」がついているぞ。子どもたち、ご安心召されよ。






上が「りゅうちん君」、下が「つきちん師匠」。ボウズの釣り人が何人もいた中で、まさに大健闘!


 さてそれから後もほぼ30分に一度のペースでアタリが出、午前中だけで何とか5尾まで数が伸びる。チビ助りゅうちん君の竿にも2度のヒットがあるなど、それなりに釣りは進んでいくが、やはりこの寒さ。子どもたちには厳しかろうと「ま。殿」が持ち込んだのが、カセットボンベを利用するアウトドア用ストーブ。さっそく火を入れて暖まろうとするがいくらやっても上手く点火しない。「こりゃ、返品だわ!」とあきらめた「ま。殿」が去ったその後で、こんどはつきちん師匠があれこれ試しているうちに、グゥオオオオ!と突然の大発火。その火を見れば、この夏、お隣、中国で燃えた

 
北京オリンピック!


の聖火などを思い出すが、今はそんな感慨に耽っている暇はない。慌てふためく子どもたちに向かって、「早く、元を締めて、元を!」と叫ぶ「な。様」の声にようやく落ち着きを取り戻したつきちん師匠が、元コックを締めたおかげで、先ずは一安心。かくして、今年中東アジアを震撼させた恐怖の

 
自爆テロ!



携帯ガスストーブと格闘する「ま。殿」、この直後、事件は起きた・・・


がここ「なごみの湖」では未然に防がれたこと、先ずは何より喜ばしい限りに思う。

 さて、12時を過ぎれば固定桟橋に陣取っていた「ま。殿」もこちら中央桟橋に降りてくる。かくして、ずらり居並ぶ古都三都、京奈滋コネクション!の輪が完成。まさに

 
洞爺湖サミット





ならぬ「なごみ湖サミット」の様相と化しつつ、5人並んで釣り続けるが、日が昇るにつれて、こちらのルースニングはウンともスンとも言わない状態に。逆にシンキングラインで底を引く「な。様」の竿に連続ヒット。さらには同じくベタ底をなめるように引いていた「ま。殿」には3連続ヒット。それじゃ、こちらもと思い、シンキングラインに取っ替えて、底べったりを攻めてみるがこちらの竿は相も変わらず一度アタリがあったきりのなしのつぶて。途中、昼飯休憩を挟みながら、投げちゃ引き、引いちゃ投げを繰り返していれば、まさに海外資金が引いた後、めったやたらの投げ売り状態となった

 
株価大暴落・・・


が脳裏をよぎる。「うーん、いかんなあ」とため息ばかりついていても仕方ない。そうともあのオバマ次期アメリカ大統領も言っていたはず。"We can change the old system …"

Yes We Can!!


ということであるならば、さっそく手持ちの13ftのDHを取り出し、DLS(Deep Loosening System)のセッティング。久方ぶりのダブルハンドに戸惑いつつも、先ずはタナを5メートルにとって、

 
再チャレンジ!


と意気込むことは、まさに今年一年、遠く信州から関東、さらには管釣りから渓流まで、行くあてもなく釣り場を彷徨するままの「管釣りホームレス」と化していた小生にとっては当然至極のことならん。

 さて、あまりに長いリーダーシステムのため、キャストもままならぬままに、立木際のバンクを流せば、ようやくのこと、モゾモゾというアタリ。スンとロッドを立てれば、久方ぶりの魚の手応え。この剛竿をもってしても負けずにファイトを続ける魚に向かい、オモロー!ならぬ、

 
アラフォー!



奇声をあげるひげオヤジ約一名(photo by ま。殿)



などという訳の判らない喜びの奇声を挙げるバカはそうは他におりますまい。

 そのすぐ後にも同じポイントでもう一尾を追加したの午後3時前。それから後は待てど暮らせど来ぬアタリに、出るのはため息ばかり…となってしまう。「うーん、釣れない」とぼやきつつ時折周囲の眺めてみれば、我々5人も含め、今日すでに30名を越えている釣り人の、なんと全員が、釣れてない!となれば、これこそまさに古今未曾有「こきんみぞうゆう」なんて読んじゃダメですよ、麻生首相!)の、

 
世界同時不況・・・




早朝から大混雑の第1桟橋。これだけプレッシャーが掛かれば、やはり厳しい


ということに他ならない。この釣り場に吹き荒れる恐ろしいばかりの不景気風のせいで、

 
飢えと寒さに苦しむ子供…




まで出てくるようになったら本当にもうまったくもって、おしまいです。

 さて4時になったところで、本日はゲームオーバー。営業時間はまだ1時間あまり残すが、小学生も交えたグループなれば、これ以上、寒風の中に立ちすくんでいる訳にも行かない。タックルを片付け、えっちらおっちら事務所に戻れば、当然そこには、

 
ホッカホカの年越し蕎麦





が待っている。冷え切った体と心にはこれが何よりの楽しみ。年明けに振る舞われるお雑煮もあわせ、こういう心のこもったサービスがあればこそ、本当に「なごむ」ことのできるこの釣り場。田中マネはじめとするスタッフご一同の日頃のご苦心にも思いを馳せつつ、先ずは暖かい蕎麦に心ほぐされる思いがした。

 さて蕎麦を啜った後は、「な。様」、「ま。殿」と3人であれこれ四方山話に花が咲く。「で、結局、今日はどれだけ釣ったの?」とお二方にお伺いすれば、お二人ともそろいにそろって小生と同じ「7尾」とのこと。子どもたちが2尾ずつであったことは別として、先ずは大人3人揃っての、

 
777


とはまっこともって、縁起のいい話。これこそ次来る年が、小生のみならず、読者諸兄にとって幸運をもたらす吉兆ならん…と思いつつ、

 先ずは、今年一年の感謝と共に、来年もよろしくよろしくお願い申し上げ候。

2008/12/30  


Posted by ひげオンジ at 01:08Comments(11)