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Posted by naturum at

2008年08月05日

暑中お見舞い…

ナチュログのお仲間の皆様方、ご無沙汰を詫びつつも先ずは、

 暑中お見舞い申し上げまする…

 7月に入ってから、仕事に忙殺されることもあり、まったく竿を握らぬままに日々を過ごす、このひげオヤジ。忙しいから…という言い訳もありつつ、実のところこのところ続きに続く、

 猛暑と物価高

ゆえに、釣行に向け腰が引けていたのも実のところ。「夏が暑い」というのは当たり前のことでありつつも、昨今の暑さは尋常ではなく、高水温ゆえに関西近郊の管釣りも軒並み、

 夏季休業!

に突入となる。あの朽木KC(ここは比良山系源流直下の水を引く、比較的水温の安定した釣り場)ですら20度を超える水温ともなれば、鱒達も自分が生き伸びるのに精一杯。どこもかしこも釣りになる状態ではない。

 さらにはそれに追い打ちを掛けるガソリン高騰。樋口一葉嬢お一人で満タンにできたのは今は昔。いまや福沢さんにわざわざのご登場いただかなければ満タンなど到底無理な状態。となれば、こちらも自衛策をとらねばならず、極力、公共機関を使うのは当然のこと。万が一、自動車なぞに乗らねばならぬ時には、いかなる酷暑の日であっても、クーラーなどという油を食うものはついぞ使わず、車の窓は常に前回で走り続ける。エアコンのスイッチを点けるのは、80歳をとうに越えた老母を隣に乗せる時のみ。バカ娘や愚妻を乗せている時などは、当然、蒸し風呂状態の車内で大汗かきつつのドライブとなる。時にが、

 「父さん、熱いよ~。このままじゃ、溶けちゃうよ~。」

と泣き喚いても、さらには、

 「あなた、おっ、お願い!ねっ、この50円、いいえ、100円あげるからクーラーつけて…。」

と例の鬼嫁が手を摺り脚を摺り懇願しようとも、

 「バカもん!夏は大汗かいて新陳代謝を促すのが健康の秘訣。お前達の体を第一に思うこの父の心が判らぬかぁぁぁあ!」

などと絶叫しつつ、熱中症寸前の状態で日々を過ごす夏となった。さて、そのようにやせ我慢を張りつつも、

 やっぱ、釣りに行きたい!

という思いは抑えがたく、昨日8月4日、久方ぶりに「なごみの湖」へと出撃することにした。となれば、いつもの爆釣報告!となるかといえば、ハハハハハハ…そのようなことを、この地球温暖化の現実が許すはずがない。当日デジカメを忘れたゆえ(って、この辺りですでに軽度の熱中症の兆候ありか?)、写真すらもないが、先ずは朝7時半から11時間、途中、激しい雷雨のため、1時間の中断は取りつつも、竿を振り続けたその結果は、

 
たった4尾!



猛暑の中、貸し切り状態の釣り場で「キャス練&カワムツ釣り」に精をだすひげオヤジ
(表水温25度を超える「なごみの湖公式webサイト」提供)


という大貧果。途中、何度もフライを銜えたカワムツも数に数えて良いのなら軽く二桁を越えるのだろうが、先ずは嘘偽りのない報告をしつつ、先ずは猛暑渇水の夏をお仲間共々、悲しみたい次第。兎にも角にも、

 今、関西では釣りにならない…

という現実に思い至れば、

 こうなったら信州に逃げるしかない…

と考えるこのひげオヤジ。昨年のような大釣り旅行は叶わぬものの、先ずは15・16日の両日ぐらいは信州方面へ脱出も可能な様子。(ってか、あまりにショボクレた小生の姿を見て、うちの鬼嫁もとうとう『行っていいよ…』と折れてくれた。)となれば、その良き日の至るまで、夏の暑さにも仕事の憂さにも、負けずに強く強く生きていこう…と、なぜか「青年の主張」のごとき思いにかられつつも、

 先ずは皆様方も炎天酷暑の続く日々、御身第一に過ごされますよう、ひげオヤジ、切に切に願う次第であります。

2005/08/05
  


Posted by ひげオンジ at 21:23Comments(19)

2008年05月11日

雨ニモ負ケズ

貧乏暇なし!

 うーん、まさに人生の真理を言い得て妙、という言葉だが、この一ヶ月の小生の姿こそ、この決まり文句にうってつけのものはなかろう。先週までのGWも、二度ばかり半日休暇を取るのがやっと。その折にも親戚付き合いやら家族のお相手等々、等々、気がつけば前回釣行(4月6日の渓流行)以来、一度も竿を握れていない。

釣りに行きたあぁぁぁぁぁぁぁぁい!

という憤懣やるせなく迎えた昨日、5月10日(土)。やっとのこと取れた休みも空模様は無常の雨。しかぁし何事も、ものは考えよう。「普通の休日なら混むはずの管釣りも、こんな雨の日ならきっと空いているに違いない!」とまぁ、こと釣りに関しては根っからのオポチュニスト(つまり「楽天主義者」…って、別に某ネット通販会社に義理がある訳ではない)をもって知るこのひげオヤジ。しのつく雨脚をものともせず、車上の人となった。

 さて小生、今後の予定としては月末23・24日、今や恒例となった、あのhajihadu公主催

 春の陣 in 石徹白川

に参加せねばならぬ身。となればその予行演習も兼ねて、

 渓流型管理釣り場

への釣行とも考えたが、ただでも渓流初心者の小生には、今日の天気では思うような釣りができるはずもないことは自明の理。さらには、久々の休日、チビマス相手の釣りでは余計にストレスも溜まるはず。となれば勝手知ったる

 
湯船森林公園「なごみの湖」



これが当日の「なごみ」。自生の藤の花が薄紫のカーテンとなりとってもきれい。


を目指し、一路新名神を信楽方面へとひた走ることに決定。

 5時40分過ぎに出発し、現地にたどり着いたのは、営業開始の6時半を少し過ぎる辺り。急いで雨合羽を着こみ、ゴム長に履き替えた後、「ちわぁーす!」と事務所を覗けば、常連さんとコーヒーカップを傾けつつの田中マネが笑み満面でお出迎え下さる。

 「おはようさん。良かったらコーヒーでもどうや?」

と相変わらず気さくに声を掛けて下さる田中マネの慈悲深い言葉も、この釣りに餓えしひげオヤジの耳底には届かない。大慌てで入漁券を求めては、ウンコラサッサと坂道を上り下り、いつもの中央桟橋に立つ。

 「この雨なら空いているはず…。」

という小生の目論見とは裏腹に桟橋中央にはルアー師の二人組。第1桟橋には4人の釣り人の姿も見え、唯一空いている最上流の第2桟橋かなとも考えたが、やはり釣り馴れた場所が良かろうと、ルアー師お二人とは少し離れた桟橋の済みに陣取ることに。

 ロッドにラインを通すももどかしく、先ずは「魚は表層にいるよ。」というマネ氏の言葉を信じ、BF-EHC(14番)にてキャスト開始。水面のあちらこちらには盛んにライズリングの輪も広がり、まさに期待大の第一投。ライズのあった辺りに狙いを定めつつ、10mほど伸ばしたラインを一心にキャスト。きれいにターンオーバーしたことを喜びつつ、ポカンと浮いたフライを5分間ほどじっと見つめる。が、

 沈黙…

 それ以降もライズを見つけてはヘッポコキャストを続けるが魚が水面上にまで出る気配は全くない。30分以上、あーだ、こーだとトライするも、「うーん、やっぱりこの雨じゃ無理か。」と一人納得。「ん、じゃ…」とすぐさま気分を切り替え、お馴染み「タコのルースニング」へと種目変更。それでも魚は表層を意識しているはずと考え、先ずはタナ1mから探ってみる。良い時なら、桟橋から数メートルのキャストで釣れるこの釣り場。最初は足元近くから探っていくが、軽くフライに触るようなアタリばかりで、なかなか食い込むまでには至らない。「やっぱ、GWのプレッシャーが残っているのかな」と思いつつ、次第にラインを伸ばし、ちょうど15mほどキャストした時に、クィーンときれいなアタリ。きっちりアワセをくれてやれば、その後は久方ぶりの暴れる魚の感触をしっかり両手で受け止めるだけ。足元まで来てから底へ底へと突っ込む「なごみファイト」に少しドタバタのロッド裁きとなったが、先ずは無事に今日の1尾目をランディング。サイズはここでのレギュラーである40センチ級。それでもそのスピードとトルクフルなファイトで6番の竿を充分に曲げてくれることに感謝、感謝。おそらくはGWの前後に大量放流された新入り君であろう。初めて(?)出会うFF師の姿に目を丸くしているように思えたのは小生の錯覚ではなかったはず。


サイズはそれほどではなくてもこれが「なごみ」自慢のスピードキング!


 さて、それから先はほぼ10分に一尾のペースで釣れ続く。これは日本中の全ての管釣りにおいて言えることだが、

(大前提)GW期間中というハイシーズン。どこの管釣りもここをせんどの大量放流
(小前提)しかしGW中は釣り人の多さからくるプレッシャーでそれほど多くは釣れてはいない。
(結論)その結果、釣れ残った大量のマスがGW直後に大爆発する!


という「管釣り3段論法」はここでも有効であるのだ。とはいえ、今日の「なごみ」。やはりGW期間中、マス達はずいぶん虐(いじ)められたのであろう。ある程度のロングキャスト(といっても小生に届く範囲だから多寡が知れている)とショートバイトへの対応が必要であることは否めない。空振りを防ぐためには、できるだけ近くでアタリを取りたいし、とはいえ、賢い魚は足元では絶対に食わない。という「二律背反」なシチュエーションに身悶えしつつ、先ずは距離にして15メートルのキャスト、誘いを一切掛けないほっとけメソッド、さらにはラインスラックゼロ、という3項目を目標に、ポツリポツリとマスを掛けていく。

 さて気がつけば、お隣にいたルアー師二人組は第2桟橋へ移動。これなら伸び伸びキャストできるな、と喜んだのも束の間。すぐその後に青のレインジャケットに身を包んだ、小柄なルアー師がお一人、小生の立つ桟橋に降りてこられる。ロッド二本にラバーネット、さらには小粋なタックルバッグと先ずは絵に描いたような管釣りルアー師スタイル。小生の横を通って行かれるその折、先ずはマナー通りに、「こんにちは」とお声を掛ける。「こんにちは。」帰ってくる返事を聞きつつ、フードに包まれたお顔を拝見すればなんと、年の頃は小生より一回り下辺りかとお見受けする

 
妙齢の淑女!





となれば、ご主人もご一緒かとあたりと見渡せば、「女一人旅」ならぬ「女一人釣」のご様子。

 うーん、世の中、本当に変わった。女性の社会進出もついに管釣りにまで及ぶのか…。

などという今日的社会問題に頭を巡らせつつも、先ずはその手慣れたキャストとルアーローテーションなどを拝見しつつおれば、これがまもうまさに、

 本物の釣り師!

であったりする。もちろん、こういう世の中の変化は大歓迎の小生なれば、ここは一つ、あのカサブランカにてクールに決めたH.ボガードよろしく

「ハイ、レイディ、君のニジマスに乾杯!」とか、

「この赤いタコフライをあのマダムに…。幸せを運ぶ黄色いマーカーを添えてね…。」

などとダンディな言葉の一つも掛けようかと思い悩みつつ、どこまでも見かけ倒しなのがこのひげオヤジの真骨頂。竿をメイチに曲げる大マス相手に奮戦苦闘されるこのレディには、「あ、これ、どうぞぉぉぉ…。」と声を裏返しつつ、ランディングネットを手渡すのが精一杯であった。

 などとあらぬ妄想街道を全力失踪しつつも小生のロッドは曲がり続ける。「うーん、今日は絶好調だな。」と自画自賛しつつも、人生すべからく好事魔多し。なんとまぁ、突然の尿意が嵐となって小生に襲いかかってくる。本来なら一旦、事務所まで戻って、隣接のトイレを利用するのが正しい日本の常識なのであろうが、そのためには、また片道7分(普通に歩けば5分なのだろうが、途中、息が切れて必ず休憩を取る小生にはこれだけの時間が掛かる)という坂道をエッチラオッチラ行き来せねばならない。それゆえ、小生も含め大半のこの「なごみユーザー」の男性諸氏は、人目に付かぬ所にて(時には人目も憚らず)

 立ちション!

という暴挙に打って出ることになる次第(良い子の皆さんはけっして、けっしてマネしちゃダメだよ!)。もちろん、周囲は鬱蒼とした自然林だけに、少々放尿した所で特段、罪の意識には襲われない。思えば、小生の子どもの頃など、友だち数人と河原に居並び、

 オシッコ飛ばすぞ選手権!

を常時開催していたものだ。そのことを思えば、ここでの立ちションなど平気の平左…。というわけには今は行かない。今小生の横におられる淑女の視線の先にて、

 大放尿!

など暴挙に出れば、おそらくこの小生、セクハラなる咎(とが)で訴えられる以前に、

 この人はケダモノ…

という蔑みの視線を一身に浴びることになるはず。ということでその後、しばらくは間欠泉のごとく定期的に襲い来る尿意に身悶えしつつ、いつになく両太ももをよじっては、まさに「禁断の…」とでも呼ぶべき

 内股釣法!

にて釣りを続ける小生なのであった。(幸いなことにその後すぐ、釣り座を移動されたこの淑女。そのお姿を見るやいなや、彼女の死角に紛れ込んでは、先ずは事なきを得たこと、皆様共々、喜びたい次第。)

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 さて午後に入っても、おおよそ10分1尾のペースは変わらない。先ずはけっこう数多いアタリ(池中央を目がけ遠目に投げれば取りあえず何らかの反応がある)に山のような空振り、及びショートバイトによるバラシに歯がみしつつも、おそらくはこの池全体を回遊しつつある新入生マス達のスクールに廻り逢うのを待ちこがれつつ、キャストを続ける。一旦、スクールに遭遇すれば5分に1尾と格段のペースアップ。しかしその群れがキャスト圏内から離れれば、30分間ノーヒットノーバイトということを繰り返しつつ、しのつく雨の中、10℃を切る気温に身を凍らせながら釣り続ける。お得意のロケットランのみならず、俊敏なジャンプで目まで楽しませてくれるニジマス達以外にも、途中、サクラマス、ブラウン、さらにはイワナまでが混じのを喜びながら、時に痺れた利き腕をゆるりゆるりとほぐしつつ、先ずは久々の休日を満喫する。

左から、サクラ・ブラウン・イワナとニジマス以外の名脇役が勢揃い


 さて午後3時を過ぎると、いつものように田中マネのエリア巡視がスタート。あまり竿の曲がらないルアー師(今日は全般にルアーは低調。やはり連戦のプレッシャーで魚は動くものには警戒を解かなかった様子。先述の通り、ルースニングでも誘いを掛けた方が悪い結果に終わった。)を横目に一人竿を曲げ続ける小生に、マネ自ら、

 「絶好調やね、ひげオヤジさん!」

とお褒めの言葉を賜ることに。渓魚から鮎までおよそ淡水の釣りを窮め尽くしたこの田中マネから掛けていただくこの言葉。まさに「管釣り師の誉れ」と呼ぶべき勲章ならんかと思う次第。

 さて時計の針が5時を指そうかという時、竿を振る釣り人の影も一人減り、二人減り…しつつあったその矢先。小生が一人で竿を振る中央桟橋に二つの影。「ふむ…?」と思い振り返ってみれば、そこにはなんと、二体の

 
傘地蔵!




が神々しい姿にて鎮座召されているではないか。降りしきる雨の中、この小生の幸福を念じてか、ただ黙々と竿を振り、修行を積まれている神々しいお姿にはこのひげオヤジですら掛ける言葉もない。となれば小生にできる唯一の供物として、

 
50センチオーバーのビッグファイター



ならびに

なごみ居つきの極悪非道マス
(下あごには幾多のルアー傷あり黒く変色していた。)



の姿をもって捧げるのが礼儀ならんと、一心に竿を振り続ける小生であった。あー、ありがたや、ありがたや。

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 さて、5時半過ぎには田中マネも納竿、事務所へと引き上げられる。後1時間の釣り時間ともなれば、先ずは疲労困憊した老体にむち打ちつつ、ラストスパートへと一気に走る。先ずはタナを少し深めの1ヒロ半まで下げ、フライも定番の白色系(今日のなごみ、なぜかいつもは不人気の黄色、黄緑系が当たりフライ。なぜだ?)へ変え、キャストを続ける。何度か出るアタリをおおよそ確率2分の1でフックアップさせれば、ちょうど終了時刻きっかりに最後の一尾がネットイン。「うーん、これはできすぎだなぁ」と思いつつ、今日の釣果を数えてみれば、

 51尾!

 これまでこの釣り場での小生の記録であった37尾を大きく上回ることのできたこの結果には、自分自身大満足。1年で最も釣れる時季に居合わせたと思いつつも、先ずは痺れて思うように動かなくなった利き腕をさすれば、今夜一夜限りは、

 なごみの帝王

などと自称しても罪にはならぬかなどと、思い上がる次第。しかしそれにしても、今日のような冷たい雨の降り続く中、ほぼ11時間あまり竿を振り続けた自分という人間はいったい何者なろう?こうして過ぎし時を思い浮かべつつおるその最中、東北の大地に生きた、一人の詩人の言葉が脳裏をよぎる。

 
「雨ニモ負ケズ 宮沢賢治」…曰く


雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋(いか)ラズ
イツモシヅカニワラッテイル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウ(勘定)ニ入レズニ
ヨクミキ(見聞)キシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萱ブキノ小屋ニイテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニソウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイイトイヒ
北ニケンクワ(喧嘩)ヤソショウ(訴訟)ガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ


うーん、かくなればこの小生も、

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
偏屈ナアタマヲモチ
釣慾ハアリ
スグニ瞋リ
イツモ下品ニワラッテイル
一日ニ焼酎2合ト
パントコンビニノ弁当ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンノ都合ノヨイヨウニ
スキニミキキシワカラズ
ソシテワスレル
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ管釣リノ池ニイテ
東ニ釣レナイ釣場アレバ
行ッテ暴言ヲ吐キ
家ニツカレタ妻アレバ
行ッテコノ馬鹿ト足蹴ニシ
隣リニ釣レソウナ人アレバ
行ッテ今日ハ釣レソウニナイネト嘘ヲイヒ
ブログニケンクワヤソショウガアレバ
オモシロイカラモットモメロトイヒ
ボーズノトキハナミダヲナガシ
釣レナイナツハオロオロアルキ
ミンナニ釣リバカトヨバレ
ホメラレルドコロカ
クニサレルバカリ
サウイフモノニ…


すでに私はなっているではないか!



雨ニモ負ケナイひげオヤジの図(なごみ公式WEBより)


とまぁ、先月後半より我が家を襲ったADSL大断線のあげく、ものすごく久方ぶりのご挨拶になりましたこと、ご無沙汰の非礼ともども、謹んでお詫び申し上げる次第であります。(今後もボチボチと復活のつもりなれば先ずは気長くお付き合い下さいませ。)

2008/05/11
  


Posted by ひげオンジ at 22:06Comments(15)

2008年03月08日

なるか、リベンジ!

3月8日、朝5時35分。なぜか目の前には体長5メートルはあろうかという大きなニシキヘビ。思わず後ずさりする小生にいきなり飛びかかるヘビは、なんとその愛くるしくもぷっくりふくらんだ下腹部に巻き付いてきた。

 アグググググ…

身動きの取れぬまま、その大縄の締め付けによる激痛のため絶叫しつつ、目が覚めればなんと夢だった。「うーん夢かあ…」と安堵の息を一つついたが、なんと下腹部の激痛はそのまま。それは他ならん。前夜しこたま飲んだ焼酎のせいで、膀胱がはちきれんばかりになっていたせい。これが5歳の頃の小生なら、「まっ、いいか…」などと再び眠りに落ち、蒲団の中に伊能忠敬にも匹敵するかという「大日本地図」を描く所であろうが、さすがに齢50を過ぎたオヤジともなれば、潔く寝小便という訳にもいかぬ。もちろん後10年もすれば、失禁用のオムツの手放せぬ身になっているのだろうが、今はまだそこまではボケてもいない。ということで、大急ぎで便所に駆け込み安堵の吐息を一つついてから、いつものようにコーヒーメーカーをセットして、煙草を一服。入ったばかりのコーヒーを飲むやいなや、今度は「大」の用事にて再び便所に駆け込み、気がつけばあっという間に1時間ばかり時計が進んでしまうほど、その行動が「のろまなロバさん」なのは、やはり

 歳は取りたくないもの…

という感想をもってする他はなく、それでもタックル一式かついで、6時40分には車上の人になっていることだけは自分をほめてやりたく思う。

 などとおのれの老化を痛みつつ、さて今日の目的地は先週土曜日同様、

 
なごみの湖!



中央の桟橋、一番左ではしゃいでいる馬鹿オヤジが小生であること、判りませんよね。


思えば、昨年末、この3月と、

 屈辱の2連敗…

を喫しているこの釣り場。このまま捨て置いてはこの「管釣り大(馬鹿)魔王」の異名を取るひげオヤジのプライドが許さない。昨日の「なごみ公式WEB」によれば、「タナ2ヒロ」でも釣れるほど状況は改善しているよう。さらにこの週末、関西地区は高気圧に覆われるとの天気予報。かくなる上は、

 リベンジ!

の決意も込めて、新名神(またの名を「ひげオヤジ高速」)を一目散に駆け下っては、7時15分には駐車場に着く。さて車から降りた小生迎えたのは、

重機!




さらに釣り場へと出向いてみれば、

氷結!


朝一番の湖面の様子。奧の桟橋の手前、霞んで見える所はすべて氷。


 「うーん、これは…」とまあ、暗雲漂う成り行きに不安は隠せぬものの、先週とはうって変わって好天の空。前回のように手もかじかんだりはしない。早朝の放射冷却のせいで表水面だけが一気に気温低下しての結氷と思えば、水温自体が急に下がったはずもなかろう。さらに先週、あれほど濁っていた水も、いつも以上に澄んでいる。おまけに、水面のあちらこちらにライズも見える…。とまぁ、相も変わらず「釣り始める前の釣り師の楽観論」を心の中で滔々と述べつつ、タックルのセット。一瞬、「今日もDHで…」という智恵が脳裏に浮かんだが、やはり今日は「釣ること」が最大の目標。手返しの良さを考え、ここはやはりいつもの6番9ftの出番となる。先ずはタナ2ヒロを取り、ティペットの先にはピンクのヘビータコボム。さらに凍り付きツルツル滑る桟橋の足元をしっかりと確認した後、本日の第1投。5分ほどゆっくり沈めてしっかりフライをなじませてから、いよいよ本日の釣り開始。
 リーダーシステムが長いため、当然ゆったりとしたスィングでループをワイドに取り、10メートルほどキャスト。ラインの巻き癖など取りつつ、インジケーターを見つめること5分…沈黙。10分…沈黙。ピックアップの後、少し距離を出しつつ再度のキャスト。5分…沈黙、10分…沈黙。という所で「うーん、今日もダメかぁ…」と泣きが入りそうになった時にキューンと勢いよくインジケーターが消し込んだ。グンとロッドを煽れば、ズンとラインは水面に立つ。ゴゴン、ゴゴゴンとお馴染みのシェイキングダンスが始まりとともに今日の「なごみの湖ショウ」の幕開けとなった。



本日の一尾目。サイズは40cmどまりだが、体高の高いシャキシャキのじゃじゃ馬君。


 それから1時間の内に1尾をバラシつつも3尾を追加。一週前、アタリが出るまでに2時間以上待っていたことを思えば、まさに「夢のよう」な展開。しかし好事魔多く、その後もアタリは出るが「空振り」の連続。活性が上がってきたとはいえ、やはり食いは浅いよう。となればということでフライをタコからエボレスに。アピール度ではタコには劣るが食い込みの良さにより、現在小生のフライボックスにおいて赤丸急上昇中のこのフライ。同じピンクを選んでキャスト開始。(ちなみに小生のエボレスフライ。定番とは違いBHにヘビーワイヤー仕様。お馴染みのスプリットショットは使わない。ちなみにショットを付けるとキャストの下手な小生にはライントラブルの原因となるだけで、百害あって一利なし)

 このフライチェンジが効を奏したか、再び順調にヒットを重ね、10時過ぎには、

 
銀嶺の覇者!





とも言うべき50cmクラスを仕留めては、まさに意気揚々。さらに図に乗り、2尾をリリースした後、少し沖目に流したインジケーターが重々しく沈む。しっかり腰を入れてロッドを立てれば、ドォンというそれまでのアベレージ君とはまったく違う重いアタリ。先ずは二度三度竿を煽って、しっかりフックキングさせた後、2度3度とラインをたぐる。白銀の姿態を煌めかせつつ、一旦浮き上がっていたその魚体、すんなり足元まで寄るかと思いきや、その後いきなりの大遁走。何とリーダー部を沖に漂う氷の塊へと引きずり込んでいく。このままでは氷に擦れてティペットが飛ぶと考えている暇もなく、テンションは殺さぬようにラインをくれてやりつつ、今度はロッドを一気に水面下に突っ込む。先ずは魚が沈むに任せ、氷の塊からリーダーを待避させることに専念。そしてその後は、ひたすら水面下でのファイトに終始。水中で満月に絞られた竿を目で楽しみ、さらに両の掌は、とってはやり、やってはとってのファイトを繰り返しておれば、思わず心の底から、

あ~楽し!!



ペレット撒きもないこの釣り池で、どうやってこんなおデブになれるのか?
これが「なごみの謎」の一つ…


という声が洩れる。先週の悪夢どころか、日頃、溜めに溜めたストレスが頭の先から蒸気となって抜けていくのが感じられている。こういう一瞬のために、この馬鹿は釣りを続けているのだ。

 さて60cm近い魚体をネットに収めたのが、午前中のクライマックス。20分後さらに1尾を追加した所で、サンドイッチとコーヒーでノンビリノホホンのランチタイム。昼を過ぎ、少し気温も上がった桟橋で感じる陽光には、少しく「春の気配」が感じられたのが、何よりご馳走であったことは言うまでもなし。

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 しばし休憩の後スタートした午後の部は、当然のことながらDHロッドのご登場。とはいえ、今日の状況ではDLS(Deep Loosening System)の出番はなく、タナ2ヒロで通常のルースニング。前回釣行ではお古のWF7Fを誂えていたが、実際にキャストしてみて、少し役不足を感じていたため、新規に購入したWF8Fを巻き込んだリールをセットし、先ずは結氷のない、中央桟橋下流サイド向けてにキャスト開始。WFのベリー部を全てだし、「ゆっくり、しっかり」を心がけつつ、3度ほどフォルスキャストしてからシュート。

 うーん、飛ぶなぁ…

という声が今日も思わず口をつく。まだシュートのタイミングまちまちなせいで、上手く行ったりいかなかったりの試行錯誤の最中だが、それでもきちんとラインリリースのタイミングさえ合えば、ヘッド部は当たり前のような顔をしてランニングラインをグゥンと引きずり出していく。30分ほどキャス練を繰り返した後、「ん、じゃ」という気持ちで釣り開始。正面に見て右手のバンク際を狙ってのキャスティング。ターンオーバーが上手く行かないことを気に病みつつ、先ずは3投目でまったりとしたアタリが出る。「よし!」と思って合わせてみるが、シングルハンドの感覚で竿を煽ろうとしても、ロッドの重さがそれを許さない。もわっとした変なアワセでは乗るはずの魚も乗らないのは当然至極。そんなままで、せっかく出たアタリを3連発で逃した後、少し心を入れ替え、ラインの遊びを極力減らし、電光石火のアワセができるよう脇を締めてコンパクトに構えてみる。それでやっと出た4発目のアタリ。ロッドを左に、ラインを右に目の前で八の字を書くように大きく合わせれば、ようやく午後の一尾目。この剛竿をもってすれば、いかなる魚もブッコ抜き…という思いはすぐさまどこへやら、午前の大物同様、底へ底への「なごみファイト」でロッドのしなりを心ゆくまで堪能させてくれた一尾は、まさに

悪役!



この精悍な顔をご覧あれ。
こんなネイティブな奴が釣れてしまうのがやはり、ここ「なごみ」の真骨頂ですぞ。


と呼ぶにふさわしい「居つきの古豪マスであった。

 同じポイントでもう一尾追加したのが30分後。ふと振り返ってみれば、桟橋上流部の氷もすっかり溶けている。それならと考え、今度は追い風に乗りつつ、ロングキャストに精を出す。(とはいえ、今日もフルラインは出ず。やはりリーダーシステムが長いため無理はできない)幾度もキャストを繰り返しつつ、きれいにターンオーバーも決まった納得のキャストにほくそ笑んだのも束の間、スルルルと横走るインジケーターにすかさず八の字アワセを食らわせてやれば、ドンとラインが水面に突き立ったまま動かない。「んんん?、こんな所で、根掛かり…」などと思った矢先、今度はそのラインが底へ底へと潜っていく。すかさず手元のラインをリールに巻き込み、ロッドを煽ってみれば、ズーンズーンと、魚は慌てず騒がず、まったりと腰を振りつつ沖へ沖へと走り出す。決してスピードはないが、この剛竿をもってしても魚を押さえ込むとはできない。底へ底へ着こうとする魚に対し、先ずは腰を入れたポンピングで水面まで浮かしてみようとするが、インジケーターが見える所まで巻いた所で、また潜る。再度巻き上げインジケーターが見えた所で、また潜る。「うーん、こいつは…」とうれしい悲鳴をあげかけた所で、今度は一転、足元めがけて突っ込んで来る。慌ててリールを巻くなり、再びロッドを水中に突き立てる。小生の立つ桟橋のはるか後方までラインを引きずり出されては先ずは、「忍の一字」で魚が再び、正面にまで出ることを待つしかない。しかし、この時頼りになるのはやはり13ftというロッドの長さ。水中で溜めつつも、魚の動きの一つ手前にロッドを置いた感じで比較的余裕をもっての対応となる。さて正面に持ち出してからもさらに新品のリールにカリカリカリと悲鳴をあげさせ続けたこと数分。ようやく上がってきた魚体は、

大きすぎて掬えない!


ちなみに写真にあるDHロッドのグリップ部は50センチあります。


というここの「なごみ」でのモンスターと呼ぶべき60cmオーバー。前回済んだはずの「新ロッド入魂の儀」というのは実はただの露払い。この一尾によって、このDHロッドに本当の魂が込められたと言うべきであろう。

 とまあ、午後のクライマックスも早々に終わってしまえば、後はとにかく数を釣るだけと考えを切り替え、ひたすらキャストを繰り返すことに。とはいえDHを振り続けるのはさすがに疲れるので、再びシングルに持ち替えたりしつつ、数を稼ぎにかかるが、2時を過ぎる頃から突然アタリが途絶えてしまう。それならばとあちこちポイントなども変えつつ、拾い釣りをしていけば、それでも数は稼げる。途中、恒例となった田中マネによる

「記念撮影」



今回の写真もまたシングルハンドで釣っているシーン。
いつになったらDHを振り回す小生の勇姿をご披露できる日が来るやら。


なども交えつつ、終了時刻一杯まで粘って、

 22尾!!

の釣果となれば、これはまさに納得。「一日釣って12尾」というのが、この「なごみの湖」の勝敗分岐点と思えば、まさに久々の爆釣と自画自賛したくなるほど、充実した一日となった。

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 さて釣りを終えた後、事務所に戻れば、なぜかあちこちキャス練をされるお客さんの姿が。見れば田中マネがそばについて、あれこれとアドバイスされている。ちなみに田中マネによる、この無料キャスティングスクール。ここ「なごみ」では毎度お馴染みの光景とはいうものの、

 「ええい、そこまでして客に釣らせたいのか、このオヤジ!」

という途方もなく心温まるワンシーンでもある。そういうスタッフ一堂の真心のこもる釣り場でなればこそ、本当に、

 なごみ…

と呼んでしかるべきなのであろうと、先ずは思い至りつつ…。

(今回はなぜか、「なごみの湖」の宣伝ブログになってしまいましたが、もちろん、当エリアから、このひげオヤジには、リベート、バックマージン、アフィリエイト等は一切与えられておりません。できることなら、「なんかくれ、田中マネ!」

2008/03/08
  


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2008年03月02日

二つのデビュー

 カレンダーを一枚めくれば、弥生三月。あちらこちらで「解禁!」の喜びに東奔西走をはじめるお仲間達の姿を横目に、二月の重たい雲に憂さばかりを募らせていた小生。さてさてそんな風に、いつまでもグズグズしている訳にも行くまい。先ずは月替わりの休日となった3月1日。「釣りに行くぞ!」の想いも猛く、一路、

 「なごみの湖」…

目指して、車上の人となる。さて今回、「なごみ」への釣行を決めた理由は、何ならん。

 
新名神高速道路!!




新名神信楽IC。こんな田舎だが、けっこう利用者多いのに驚く

の走り初め、ということに尽きる。先週の土曜日に開通したばかりのこの高速道路。我が家から車で5分の栗東ICから、草津ジャンクション経由で信楽までの道のりが20km足らず。もう少し足を伸ばせば、鈴鹿の山の懐をどぉぉぉんと突き抜け、三重の亀山までも一気に着く。将来は愛知の豊田市まで続けようかという、早い話「近畿~東海」を結ぶやたら豪華なバイパス道路。新しいもの好きひげオヤジともなれば、先ずは走ってみなければ気が済まない。

 さて、時折激しく降る雨の中、おなじみの名神道を南下すること5分。すぐさま左に分岐して、お目当ての新名神へ。朝早いせいで空いているのは当然だが、やはり、



轍(わだち)のまったくない新道


を走っていくのは気持ちが良い。時折、ハンドルから手を離しても車はしっかりまっすぐ走ってくれるというこの喜びも、先ずはこの一ヶ月間のことだろう。昨今の交通事情を考えれば、あっという間に凸凹道化してくであろうことは仕方のないこと。先ずは全国の「きれいな道愛好会」(って、そんな会がどこにある?)の皆さ~ん。早く来ないと駄目ですよぉ!と申し添えておくことにする。

 一般の高速道路と較べてこの新名神。とにかく、「路肩が広い!」ことに驚く。なかでも感動したのが、途中通過した、全長4kmほどの「金勝(こんぜ)トンネル」。走行車線の左側のみならず、追い越し車線の右側にまでゆったりとした路肩が取られ、普通感じるはずの「トンネル走行時の圧迫感」というものがまったくない。当然、トンネル内も全線「車線変更可能」という贅沢さ。走る者の立場で言えば、楽ちんなのは嬉しいが、ここまでする必要があるのかという疑問も残る。これもまさに、あのお役人使いたい放題の

 道路特定財源!!

の存在があってのことかと頭を巡らせつつあれば、途中、道路脇に表示された、

 急な下り坂 運転者注意!

という看板も思わず、

 急な天下り 納税者注意!

と読めてしまうのは小生だけはなかったはずであろう。

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 とまあ、ぼやきつつもいつもなら急な山道をヒーコラヒーコラ言いつつ通っていた信楽まで、それこそ「あっ」という間に着いてしまう。途中、コンビニでの買い物なども済まし、釣り場に着いたのは7時を少し過ぎた辺り。これまでの運転時間と時間と較べれば25分以上短縮されたことになる。高速料金はかかるが、それまで山道で消費していたガソリンのことを思えば、経済的な負担もそうは変わらない。「いやぁ、ほんとに便利になったなあ…」と思えば、まさにこの新名神。

 ひげオヤジのために造られた道…

と言い切っていいのではないかと勝手に考えたりもする。となれば突然、「国交省の皆さ~ん、さっきは悪口言ってごめんね。」と君子豹変したりするのも、この釣り馬☆おやじの常なれば、先ずはお許しいただきたい。

 さて事務所にて「まいど!」と明るい声を掛けて下さる田中マネにご挨拶した後、早々に釣り場へと出る。朝からの氷雨が残る天気となれば、釣り客の数も少ないことは当然だが、釣り桟橋へ降りる途中に湖面を見れば、

 魚の姿が全く見えない

ということの方に余計驚く。三月になったとはいえ、昨日の気温が氷点下5度とのことであれば、水温は未だ低く、魚はベタ底に落ちた完全なウィンターパターンとなっているよう。「うーん、これは…」と思いつつも、そういうこともあろうかと小生が今回手にしているのは、

 
13ft7番のダブルハンドロッド




 前回12月の「なごみ釣行」の際、盟友「ならおう殿」が10番のDHを振り回されていた姿に刺激を受けつつ、さらにはここ「なごみ」での夏冬に必要な「ディープルースニングシステム(タナを4ヒロ以上取る)」には通常のシングルハンドでは厳しいと考え、この1月に思いきって購入した新竿。とはいえ、10番以上の高番手の竿を管釣り使うことはなかろうと思い、先ずは今まで持ってなかった「7番」で良かろうかと、ナチュラムにて「テンリュウ K-BULLET SD1304ー#7」を購入。とはいえ、それ以降、落ち着いて釣りに出かける時間も取れなかったこともあり、結局は一ヶ月以上、納戸のの肥やしになっていたというのが実情。ということで、新名神同様、小生生まれて初めてのダブルハンドロッドの「筆下ろし(?)」も兼ねたという「初物尽くし釣行」というのが今回の目玉でもある。

 さて桟橋におり、長い竿を継いだ後、WF7番のラインをガイドに通す。本来なら通常のリーダーシステムで、DHロッドの「キャス練」に励むべきなのだろうが、やはり先ずは「新しい竿で一尾釣りたい…」という思いから、誘導式マーカーを付けたDLS(Deep Loosening System)をセットすることに。天井糸(3号のナイロンハリス)に3Xを2ヒロ、さらに5Xを2ヒロ取って、先ずはノロノロとキャストしようとすると、突然の横風で、いきなりティペット部がお団子状態に。寒い雨の中、かじかんだ両手をこすりこすり、再度、仕掛けを作り直す。今度はゆったりと広いループを作ってと思うが、何せ初めてのDH。今度は桟橋の端にラインを引っかけ、再度、リーダー部がお団子状態に。とまぁ、出だしから、ものすごく大苦戦となったのは、早い話、初めての竿でキャス練もせず、いきなり釣り場に来てしまうというこの大馬鹿なればこそ。時折激しく降り注ぐ氷雨に泣かされつつも、最初の1時間半ほどは全く釣りにならなかったとは…哀号



なごみの湖公式サイトに掲載された小生の釣り姿。ただしこの時は9ftのシングルハンド


 とまれ、なんとかロールキャストで前に飛ばせるようになれば、キャストの距離のいらないのがDLSの取り柄。手前、5メートルほどの所に、仕掛けを放り込めば、後は桟橋付近に回遊してくる魚を待つだけという暢気な釣りであることは言うまでもない。
 最初はタナを3ヒロで攻めるが…沈黙。それじゃ、3ヒロ半沈黙。ちきしょうこうなったら4ヒロでどうだ、……さらに沈黙。ここまで使っているフライはピンクのエボレス。タングステンのBHにウェイトを仕込んであるが、それでも沈下の遅いこのフライ。スプリットショットなども噛ましつつだが、ここまで来ると、タナが取れるまでにタバコが一本吸えてしまうというほどのノロノロフィッシング。ついには4ヒロ半(浮き下7メートル)までタナを下げて、待つこと20分(釣り始めてすでに2時間が過ぎている)。スンと消し込むマーカーに合わせてみようとするが、何せ手にしているのは、重くて長い竿。いつもの癖で、利き腕だけで竿先を立てようとするも時すでに遅く、無念の空振り。んぬぬぬぬぬ…、と歯がみしつつも、しかしまぁ本日最初のアタリがあったことに安堵しつつ、さらにマーカーを眺め続けること10分間。マーカーの消し込みと同時に、剣道での胴打ちよろしく、両手にて竿を横走りさせれば、グンという手応えとともにロッドティップが心地よくしなる。何せ、深場で魚を掛けているため、魚体を見るまでに時間は掛かる。とはいえ、手にしているの7番とはいえ、シューティング用のダブルハンド。その鬼のごときバットパワーをもってすれば、40センチクラスのニジマスなど、赤子の手をひねるようなもの。いつものように桟橋奧に潜ろうとする魚体もなんなく諫め、スッとランディングすれば、先ずはこれにて「入魂の儀」は終了。



手前桟橋左隅で「ダンゴ虫化」しているのが小生(なごみの湖公式サイトより)

 その一尾を丁寧にリリースした後は「タナも判った、よぉし、これから!」と勢い込むも、その気持ちとは裏腹にマーカーは相も変わらず「沈黙」のまま。フライもエボレスからスーパーヘビーボム(タングステンBHに太いワイヤーを仕込んだタコフライ)へ、それも各色試してみるが、アタリは間遠く、お隣にいたルアー師(ここ「なごみ」では珍しい「プラグ派」、でかいシンキングミノーで60近いビッグワンを仕留めておられた)共々、「アタリは出ないけど、愚痴はすごく出ますよねえ…」などと力無く笑い合いつつ、ただただ寒風に身をさらし続ける。あの啄木の絶唱、

 はたらけど はたらけどなお わが生活(くらし) 楽にならざり ぢつと手を見る

などを、

 投げれども 投げれどもなお わが竿は
             しならざりけり ぢっと浮子(うき)を見る


などと悲しみの歌に変えつつ口ずさむこと幾たびか。途中、重いDHをいつもの6番竿(タナはそれでも3ヒロ)に持ち替えつつも、とどのつまり、

4尾…

という小生の「なごみ釣行」最低記録を更新する釣果に終わった。(以下は当日の全釣果であるニジマス。今年は冷水時用の「岩魚」や「コーホ」の放流が少ないのが気になる。田中マネに直接、聞いた訳ではないが、やはり前年猛暑の夏、客足が遠のいたため、経営が少し厳しくなったのではとも推察したり…)
 

 


 さて営業終了までの最後の1時間は、釣るのをあきらめ、DHのキャス練に精を出す。とはいえ、お古のWF7Fでは充分にこの竿の真価は問えないが、それでも2度フォルスキャストの後、エイヤとシュートすれば、見る間に20メートルほどラインが吹っ飛んでいく。風がグルグルと舞う状態だったのでフルラインに挑戦はしなかったが、これなら

 猿でも出せるフルライン!

ということに気がついたりする。「よおし、それなら!」とすでに図に乗りかけているこのひげオヤジ。次回もこの長竿を振り回すべく、新たな釣り場へと出没すべく、まさに虎視眈々なのでありました。

2008/03/02
  


Posted by ひげオンジ at 18:42Comments(18)

2007年12月30日

行く年、来る年

 12月29日、午前7時15分。

 雨天のため、辺りはまだ薄暗い。愛車「放浪丸」から降り立った小生は、まだゲートの閉ざされた

 「湯船森林公園・なごみの湖」

の駐車場にいる。昨日でようやく今年一年の仕事にもケリがつき、先ずは区切りの一日を過ごそうと、夜来の雨も厭うことなく、ここ京都府和束町までやって来たのだ。さて雨合羽など着こみ、タックルなどをセットしているその最中、雨に煙る駐車場に低く唸るようなエンジン音を響かせて一台のSUBARUが滑り込んでくる。

 「やあやあ、来ましたね。」

とドアを開き降りてきた長身の男性に手を振れば、笑顔とともに手を振り替えして下さるそのお姿こそが、我等が京奈滋コネクションの大御所、

 ならおう様

に他ならない。相も変わらぬその「タフ」を極める風貌にいささか威圧されつつも、先ずはご挨拶と思い歩み寄ろうかとすると、さすがハードボイルド・ダンディ、

 「釣り師に挨拶など無用!」

とばかりにタックル一式を手にするや、灯りの点ったばかりの管理事務所にまっしぐら。「あららら…」と、いきなり置いてけぼりを食らいそうになる小生。となればこちらもアタフタしつつ、その後を追うように小走りで事務所へと向かう。

 「おはようっす!」と声を掛けつつ、事務所に飛び込めば、いつもように「おはよ、ごきげんさ~ん!」といつものごとく

 田中マネ

の暖かい眼差しのお出迎え。いやぁ、この「なごみの湖」で最も「なごま」せてくれるのは実はこのマネージャー氏の笑顔であったりするなぁ、と改めて感じ入る次第。一番乗りの常連さんと言葉を交わす「ならおう様」にもあらためてご挨拶。この夏、おなじ湯船森林公園にて、あの「つきちんファミリー」ともども、BBQでパーティを開催した際、はじめてお顔を拝見して以来のお出会いとなるが、「なごみの湖WEB」上で、何度かお姿を見せてもらっているのでそれほど久しぶりという感じがしないのが不思議。先ずはお手洗い等、なすべきことをなした後、二人して、ウンサカエンサカ、いつもの坂道を登っては下り(これだけで、すでに息が上がり、汗が出る小生。なんてヘタレだ!)、中央桟橋へと降りる。水面を見れば、あたり一面、しっかりとした

 マディ・ウォーター

などと稀代のブルースシンガーの名を連呼したくなるほど、思い切り濁っている。昨日からの雨で、一気に流れ込んだ濁流が、いつもの深緑をこの湖からすっかり奪い取ってしまったのだ。

ひげ「こりゃ、まさにルアーさん、万歳。フライさん、残念、ってことみたいですね…。」
なら「そうすね…。」

とロッドにラインを通しながら、すでに泣きの入っている二人。しかしいくら泣いても、今なお降り止まぬ雨ほどは、小生のヒゲを濡らしはしない。

 この状況ならシンキングで引っ張った方が良いかな…と思いつつも、やはり、いつものスタイルを崩すのは良くなかろうと、ピンクのBHタコをたな2メートル弱でセット。先ずは正面めがけて10メートルほどキャスト。となりを見れば、ならおう様も、「先ずは表層から…」ということでフローティングラインでソフトハックルを引っ張りはじめる。予想通り、アタリは間遠く、誘いを掛けようが何しようが全く反応なし。水面を見ていれば、思いの外、もじる魚も多い。「それなら…。」と考え、今度はタナを一気に1メートルまで浅くする。キャスト後、フライが水になじむのを少し待ち、軽く誘ってやれば、ようやく、ツンツンという前アタリの後、

 クゥン…




とインジケーターが消し込んだ。「ヨッシャ!」と心の中で小躍りしつつ、竿を立てればラインが一気に水面に突き刺さる。手元までは一息に寄せることができても、そこから元気な「なごみニジマス」。相も変わらず、「底へ、底へ」。さほど重くはないが、そのスピードスターぶりこそ、ここの魚たちの魅力に他ならない。ロッドの曲がりを散々楽しんだ後、先ずは無事に40センチ弱の魚体を取り込み、リリース。時計を見れば、釣り開始から30分足らず。「うーん、この調子なら今日は何とか15尾ぐらいかな? ま、『なごみ』ならこんなもん…。」と納得しつつも、笑顔でいられたのはここまで。その後は、確実に「1時間1尾」のペースに落ち込むことに。

 2尾目…8時52分、ピンク、3尾目…9時51分、Dオリーブ、4尾目…10時35分、シャトーリュース、5尾目…11時59分、シャトーリュース。(とまぁ、釣れる数が少ないと詳細レポが書けてそれはそれで良いこと?)

とまあ、貧果を嘆けばきりがないが、廻りの様子を見渡せば

「(好調な筈であるルアー師も含め)やっぱり、釣れてない!



(本日は雨天のせいもあり、祝日ながら16名ほどの釣客。でっ、釣れた総数は70尾ほど…?)


という様子。途中、1.2号のティペットを(おそらくは60センチ級に)ぶち切られて、少々ホットになりつつあった「ならおう様」の「濁り以上に温かい雨が大量に流れ込んだせいで、水がひっくり返ったのでは…」という解説を拝聴しつつ、「これもまた釣りなりけり…」と呟きつつ、午前の部終了。



(これが無料でサービスされる「年越しソバ」。暖かい湯気がよろしいでしょう…。)


 再びエッチラオッチラと坂道を上り下り、事務所にて昼食。ここ「なごみの湖」では毎年、年末、釣り客に「年越しソバ」が振る舞われる(年が明けての三が日は「お雑煮」になる)。湯気の立つソバをズリズリすすりながら、久方ぶりにお出会いした「田中マネ」とゆっくり談笑。相も変わらずポーカーフェースにどこかトボケた味のある声で、何やかや興味ある話題を拝聴する。曰く、

マネ「前に、ひげオヤジさんがGFGの記事で書いてた、あのhanaさんとかいう女性、たぶん自分の知り合いだわ。あの子、可愛いよねぇ、ほんとに…。」
 といきなりの意味深発言。うぅぅん、一流の釣り師は好色だというのは本当か?(だって、どちらも「濡れる」のが好き)…っていうその真相はhana殿がかつて田中マネの管理していた大戸川の釣り客であったとのこと。@すばる殿、ご安心を!。

マネ「あの***(某管理釣り場名)の管理人はひどい飲んべえでさ、昼間から飲んではいつも帰りに車ごと田んぼに突っ込む癖があってね…。」
 そうか、それであの釣り場の魚は釣れたり釣れなかったり、訳の判らない行動を取るのか。どうりであのマス達、頬が赤いと思った。早い話、みんなただの酔っぱらいだったんだ。



(関西管釣りNo1ダンディこと田中マネ。仕事も何も、実は筋金入りのただの釣り★鹿…)


などなど、あれこれ四方山話を伺っておれば、体の底から暖まって来るというのは、ありがたい年越しソバのせいだけではなかったろう…。

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 さてさて小生が昼食の間も、休まずロッドを振り続けていた「ならおう様」の元へ戻ったのは午後1時前。「釣れましたかぁ?」とお尋ねすれば、「うーん、ダメ…。」というお返事。この名手(午前中は2尾のみと拝見した)をもってしてかくの如き惨状ともなれば、今日の「なごみ」の渋さはまさに、

 空前絶後!

ということになる。さて午後からも先ずはルースニングで。ただでも昼前後に一休みする傾向のあるこの釣り場。それから先は、長い長い沈黙に入る。30分に1度ほどアタリもあるが、食いが浅いせいであろう、全てすっぽ抜け。とまれ、まったく動きのないインジケーターを見ていれば、頭の中にはなぜか、この1年の様々な釣り場の風景が浮かんでは消えていく。まとめれば、

南郷のビワマス、くろやの魔王、アーネストのブルック、ニレ池のBF、安曇野の魚津波、朽木のBHピューパ、サンクチュアリの黄色いコーン、そして再び雪景色の中の安曇野…。

 と、同時に、この1年でお顔見知りになることができた

多くのお仲間の顔…

が走馬燈のように浮かんでくる。「うーん、来年もきっとまた、新しい釣り場で、新しいお仲間が待っているんだろうな…」という思いに浸りつついれば、アタリのないこともそれほど苦痛にはならないから不思議。午後から気温が下がり、靄の立ちはじめた湖面の桟橋に揺られながら、やっとのこと年の瀬らしいゆったりとした気持ちになれたことに妙な満足すら覚える自分が、なぜか、そこにいたりする…。

 さて時計の針が2時半を過ぎる頃になって、釣り場には田中マネが、恒例のエリアチェックに。先ずは対岸の第1桟橋にて、釣り客の写真撮影、並びに釣果情報のためのテストフィッシングに精を出されているよう。「ようし、今、釣ったら『なごみの湖新着情報』に写真が載るなぁ…」などというスケベ心もあらばこそ。昼前から2ヒロ(3mほど)とっていたタナを再び2メートル弱に戻し、なごみ定番「ピンクのBHタコ」に取っ替えて、再挑戦。そして待つこと10分。スッと消えるインジケーターに瞬殺のアワセをくれれば、久方ぶりの「なごみファイト」。最初の手応えではさほどと思っていたものの、足元まで来て、強い強い。なかなか魚体を見せぬまま、桟橋下に一直線に潜っていくのをタメにタメ、ようやくランディングできたのは銀白のボディが眩しい50センチ級。小顔だが体高の高い本当に良い魚であった。




 さて、そうこうするうちに田中マネも中央桟橋にやって来る。ルアーロッド片手にあちらこちらとキャストを繰り返されるているが、どうやらノーヒット。今日の「なごみ」、あの田中マネの技量を持ってしても、「釣れない…」ということにある意味安心したりする。挙げ句の果てには、この釣り場の全てを牛耳る田中マネ自らの、

「ほんまに、魚はどこ行きよったんや…?」という一言に、

「あんたが、それ言ってどーする!」

とすかさずツインツッコミを入れる「ならおう様&小生」なのでありました。






なら「王様と私」…、ではではご一緒に、Shall We Dance?
(いずれも「なごみの湖・新着情報」より)


 さて、終了時までに何とかもう一尾を追加して、今日の釣果は、なんと、

 7尾…

という今年初めての一桁釣果に終わる。しかしもうこれ以上、今年の釣りがないことを思えば、

「今年はもう二度とこんなことはない!」

と確信をもって宣言できるこのひげオヤジは「日本一幸せな釣り師」であると言って良いのでしょうね…。

 日も沈むのを確かめつつ、タックルを片付け、事務所で再びゆったりと「ならおう様」とお話しした後、「先ずは来年にはこのリベンジを!」とお約束。さてさて楽しい時間はとうに過ぎゆき、帰路に向けて名残惜しみつつ腰を上げる。出口には田中マネがわざわざのお見送り。「それじゃ来年もヨロシク。先ずは、良いお年を!」という優しいお声に送られながら、なぜか心の中にホカホカしたものを抱えつつ、すでにすっかり暗くなった駐車場を後にする。

 漆黒の夜道を走りつつ、「来年もきっときっと、明るい良い年でありますように!」という思いを込めて、コーナーの一つ手前でパッシングライトを点してみる。その光がこのブログを通じてお付き合い下さる皆様方の未来を照らすものであることを…、

 このひげオヤジ、心より心より、お祈りいたしております。

2007/12/29
  


Posted by ひげオンジ at 00:46Comments(12)

2007年09月27日

月月火水木金金

 かくも長き不在・・・

などとかつての名作映画のタイトルをもじるまでもなく、このナチュログも更新せぬまま一ヶ月あまり。

 「忙しくなるな…」

という予感はありつつも、「まさかこれほどまで…」という超絶多忙期となったこの9月。平日休暇どころか、土日祝日すら休みはなく、平日も残業、残業、残業!の嵐でブログ更新はおろか、お仲間の皆様方のご様子をお伺いすることもできぬまま、ただいたずらに日は過ぎていく。まさに月月火水木金金…と古い軍歌を絵に描くような日々を過ごすこのひげオヤジ。とはいえ、

 明けない夜もなければ、止まない雨もない!

ということで昨日の出張を最後にようやく仕事の方にも一区切り着いた。さすがに疲れ果てた昨夜は夕飯もそこそこに爆睡。ほぼ12時間眠り続けた朝は、久しぶりの休み…、となればやはりどこかに釣りに出かけねばならない。平素は「この無駄飯ぐらい!」と冷たい視線を投げつける奥方も、さすがにフラフラの小生が釣りに行くと言い出せば、少しは心配になったのだろう。

「行くの、ほんとに…」

とかつて巷間賑わせし日活映画、麻丘ルリ子もかくやと言わんばかりにタメにタメての決めゼリフ。その声を背に受けつつも、

 ロッド抱えた渡り鳥

と決め込みつつも、握るハンドル、踏み込むアクセル。気がつけば京都府相楽郡和束町

「なごみの湖」に立っていた。


 

 さてさてカレンダーはとっくに9月を過ぎ、すぐそこに10月が迫る中、可憐に咲くコスモスや、次第にふくらんできた栗の実など、秋はそこかしこに姿を覗かせている。しかし木立の中からは、

ミ~ン、ミ~ン、ミ~ン♪

と相も変わらぬミンミン蝉の声が響く朝。今年この日本を覆い尽くす異常気象。本当にこの先この星は一体どうなってしまうのかと不安を胸に抱きつつ、いつものように管理事務所に。マネージャーの田中氏にも無沙汰を詫びつつ、状況を聞けば、本湖は相も変わらず20度を超す水温でかなり苦戦を強いられるとのこと。平素の小生ならそれを見越して「ディープルースニング」のセットを用意する所だが、ここしばらくの多忙の最中、そのようなセットを用意することもできていない。タックルバッグの中は「夏の遠征時」用意したままほったらかしの通常の管釣りパターン。となればお気楽ライトエリアで、溜まりに溜まったストレスを発散することに決める。


 入漁料を支払った後、再び車に戻ってタックルをセットアップ。誰一人いない貸し切り第2エリアへと向かう。手にしたタックルはお馴染み8.7ftの3番ロッドに6Xのティペット。14番のBFラバーレッググリーンを結んで、先ずは未だ続く盛夏の名残ともいえる後方のブッシュに気をしつつも先ずは第一投。着水と同時に魚たちは反応するがフライを銜えるには至らない。それから2投、3投。次第にキャストの距離を延ばして行く。おそらくカワムツ(この時期になってもまだ彼らは元気だ)のものと思われる小さなアタリはすべて無視し、底からスッと背伸びするようにライズしてきたチビマスが、ハグッとフライを銜えるのをしっかり視認してからロッドを立てる。

シャバッ!

という大きな飛沫とともにグィングィンと首を振るマスの様子がグリップから掌へ、さらに脳髄へと響いてくる。6Xのティペットでは何ということのないサイズの魚であっても、ようやく釣り場に立つことができた我が身には至福の瞬間。丁寧に丁寧に取り込んで、ゆったりとリリース。さてこの第2ライトエリア。昨年の台風以降、大量の土砂が流れ込み、あちこちかなり浅くなり(釣り座から5メートル程の所で30センチほどの水深の所もある)魚は否応なく水面を意識せざるを得ないものの、かなりナーバスになっているのも事実。それ故、手前にいる魚はほとんど反応せず、少し沖目にキャストしなければアタリは出ないよう。とはいえ相も変わらず山のように放流された魚たちであれば、それほどのストレスもなく魚は次々と反応してくれる。30分に10尾足らずのペースであるが、体の芯が疲れている今の自分にはそれぐらいがちょうど良い感じ。12時前には、カウンターは使わないものの、頭の中で数えた魚がちょうど50尾になる。というところでアベレージサイズのその魚を記念撮影。なぜかと言えば、

今日が小生の50回目の誕生日!に他ならないからだ。

 ハッピーバースデイトゥミー、ハッピーバースデイトゥミー~♪
 ハッピーバースデイ、ディアひげオヤジ、ハッピーバースデイトゥミー~♪


と口ずさみながらも、まさかマスにローソクを立てることもできず、賑やかなこととは全く無縁のこととは申せ、先ずはこのひげオヤジ(いつからか人は我を「管釣り大魔王」などと呼ぶ)にはこれにまさる誕生日パーティはない。家族は誰一人祝うことがなくとも(これが娘や奥方の誕生日ならこうは行かぬが、まぁ、父親の誕生日などその程度の値打ちしかないというのはこの国の常識)それはそれ、先ずはマス達が祝ってくれるだけでも充分とすべきであろう。

 
 さてBFの後はタコのLLほっとけメソッドで沢山のマス達に誕生日を祝ってもらった後、缶コーヒーとサンドイッチで遅めのランチ。そして午後からはやはり人っ子一人いない第1ライトエリアへと釣り座をい移す。最初はBFドライで攻めるも、数尾上げただけで後が続かない。となれば浮き下1ヒロのルースニングに。水面上からは魚の姿を確かめることはできないものの、ここも第2エリア同様、圧倒的な放流量を誇るのであろう。次から次へとアタリはでるが、そのほとんどが「空振り」に。たった一ヶ月とはいえ、やはり久方ぶりの釣りとなれば勘が狂っているのであろう。キャストの度にアタリはあるものの、10投に1度のフッキングでは数は伸びない。とはいえ、モソモソ…という小アタリの後、キュンというしっかりしたアタリで掛ける魚はどれも元気一杯。3番ロッドをしっかりしならせ、もう一つの至福の時間に小生を誘ってくれた。

 さて沈める釣りで30尾ほど追加した後、「やっぱりドライが楽しいな」と思い改め、再度、第2エリアへ戻る。戻ってみれば、先ほどの貸し切りエリアに釣り人の姿が二つ。お一人はすでにタックルを仕舞った様だが、もう一人は何やらやっさもっさとキャストの最中。たるんだループでターンオーバーもままならぬご様子を見れば、なるほどフライ初心者の中年ペアとお見受けするも、そのフニャフニャキャストの釣り師曰く、

 「いやぁ、こういう釣り場はボクは苦手で…。」

なんて途方もない言葉をお仲間に掛けられるのを聞き、昼飯に食ったサンドイッチがいきなり喉までこみ上げかける。おそらくは日本で一番か二番目に釣れるであろうこの「なごみの湖第2ライトエリア」が苦手なFF師がいるとすれば、その釣り師が魚を掛けることのできる場所などこの銀河系宇宙には存在しないはず。おそらくは一二度管釣り経験を下手初心者FF師が、全くの釣りなど知らないお友達を「フライで管釣りなら簡単に釣れるから…」などと誘っての釣行なのであろう。こういうつまらない見栄っぱりになぜかいらついた小生。BFで立て続け3発掛けて見せる。その様子を見ていたかの見栄張氏、すかさず、

「いやぁ、やっぱり常連さんはポイント知ってるから…」

などとさらに訳の分からないことをお仲間に向け口走る。それなら!とこちらも変にムキになり、あっちこっちとポイントなど無きがごときマシンガンキャストで水面を叩けば、次々とマスはロッドをしならせてくれる。その様子をほーっと見ていた見栄張氏のお仲間は、

 「それじゃ、お先に失礼。」

とまあ、とっとと「口だけFF氏」に見切りをつけて帰路に着かれる。後に残された見栄張氏もやはり余程気まずかったか、すごすごとタックルを片付け釣り場を後にされていく。その後ろ姿を眺めつつ、我ながら、

 「大人げないな…」

と思うものの、それでも今日50歳となってこんな稚気ある自分を妙にいとおしく感じることができたことが、先ずは何よりの誕生日プレゼントとなったのかなぁ…と思ったりもする。

 さぁていよいよ10月。秋のハイシーズンに乗り遅れることなく、仕事の方はそこそこに、気持ちの良い釣りができるように祈りを込めて、薄く雲をなびかせる秋めいた空に向け、一つぴょこんと礼をしてみる。すっかり早くなった夕暮れと風に揺れるコスモスが、


 
「大丈夫、大丈夫…。」


と頷いてくれたように思えたのは、ただの錯覚だったのかしらん…?

2007/09/27  


Posted by ひげオンジ at 23:12Comments(21)

2007年08月20日

That's 夏休み!

 信州旅行から戻って以来、長編ブログの編集やら、たまった仕事で休日出勤やら、さらには(これが最も大切な)

 奥方孝行

やら何やかやと何か訳の分からないうちに時間だけが過ぎていく…。ということで思わず書き忘れそうになっている記事が一本。それは日頃小生が何かとお世話になっている…

 京奈滋コネクション!

 以前にも告知したとおり、「京都を代表するFF一家・つきちん家」および「奈良を代表する頭脳派FF氏ならおう一家」とこのひげオヤジ合同の「夏休みBBQパーティ」をさる8月16日(木)に実施していたのだ。

 さて当日の16日。本当は朝5時には起きて、7時前には「なごみの湖」にいるつもりだったひげオヤジ。さすがに疲れていたのか起きたのは6時半。お盆休みの最中であり、道路こそ空いていたが、途中買い物のあどしていると時間を食う。さらには馬インフルエンザ大流行の栗東トレセン前を通過したせいもあったか、やっとこ8時に「なごみ」着。駐車場に車を止めようと徐行しつつ進めば、ちょうど到着したばかりと見える緑のRVが一台。ちらりと車内を窺えば大中小、男の子3名を乗せた家族連れ。おやおや、まあまあ…、と思いつつ、降りるなり釣り道具の準備にかかるサングラス姿の男性にお声を掛ける。

 「あのー、もしかしたら、つきちんパパさん(以下、略して「つきパパさん」)ですか?」

そう呼ぶ小生に向かい眼鏡越しにひとしきり人なつっこい笑顔のご挨拶。

 「ええ、そうですよ。」

となればこちらもあらためて丁寧にご挨拶…

 「どもどもども、こちら滋賀のひげオヤジと申します。」

と先ずは無事にファーストコンタクト終了。以下、関西屈指の少年FF氏、中3の「つきちん」、間には全国屈指の小学生FF氏、小3の「りゅうちん」、さらにはこの関西で今や最も未来を嘱望される未完のFF師(って本人はまだ竿を振ったことなし)である3才の「しょうちん」という、パチンコファンなら垂涎の「333」ブラザーズとも初のご対面。皆、このひげオヤジの恐ろしい顔に涙すら見せず、お相手下さったこと、先ずは感謝。

 さてタックルを下ろして先ずは「なごみ」も管理事務所で田中マネにご挨拶。なごみの湖のマス達同様、幾分夏バテ気味にも見えるが、それでも釣り人に対し「釣らせてみせよう!」という心意気は実に盛ん。先ずはつきちん、りゅうちん同様「ライトエリア2時間券」を購入する。(つきパパはりゅうちんのサポーターということで釣りはしない、とのこと)


手慣れたキャストを見せる手前が「りゅうちん」、奧で早速リリースしているのが「つきちん」


 先ずは第1ライトエリアに真っ先に降りていった「つきちん&りゅうちん」の兄弟フィッシングの様子を、タックルをセットしながら土手の上から、つきパパと居並び観戦。「つきちん」はさすがにキャリアも豊富。ピンと背筋を伸ばした端正なフォームで、力強いラインを対岸まで伸ばしている。それに対し「りゅうちん」は小さな体全てを使うダイナミックなフォルスキャスト。体が小さいため背後の障害物に苦労しつつも、しっかりしたシュートとターンオーバーで、ちゃんとポイントにフライを送り込んでいる。(ちなみにこの「りゅうちん」のライトエリアでの最高釣果は76尾だとか。まさに大人真っ青、なんて小学3年生!)さて二人の釣り姿を微笑ましく見守るつきパパとはほんの少し談笑。きけばフライ歴は6年ほど。とはいえ、歳の空いた男の子3人がいつも最高の遊び相手ともなれば、これからしばらくは保育園とフライフィッシングとの縁が切れないとのこと。まっこと羨ましいパパ殿ではある。

 とはいえお話しをお伺いしつつ、小生の頭からは、ある一つのことがどうしても離れない。それは今聞いているつきパパのお声が、

 雨上がり決死隊の宮迫そっくり!!

ということである。目を閉じて聞いていると、「なぜこんな所に芸人さんが・・・?」という妄想にかられつつも、先ずはタックルのセットを終え、つきちんがキャストする池中央のすこし左端に釣り座を構える。

 先行の二人はBFによる水面の釣り。釣り場に降りるやいなや、つきちん殿のシャープなアワセ一閃!堂に入った取り込みようで先ずはそのテクニックの一端をかいま見せられる。次には間髪おかず、りゅうちん殿にフィッシュオン。短い手で懸命にラインをたぐり寄せつつ、それでも誰の手を借りることなくランディング、そしてリリース。予想通りの天才FF兄弟を前にこのひげオヤジもタジタジの有様であった。


まったくスキのないシャープな釣りを繰り広げる「つきちん殿」



体は小さくとも釣り根性だけなら誰にも負けぬファイター「りゅうちん殿」


 さて連日連夜の猛暑のせいか、さすがの「なごみの湖ライトエリア」の活性も今ひとつ。小生が投げるBFにも反応こそあれど、なかなかフックアップしない。隣のルアー師がスティックベイトのスローリトリーブで釣果をあげていることを思えば、底一杯のルースニングが効果的とは思いつつも、先ずは子どもたちにならいBFを投げ続ける。そして20分ほどしてようやくチビマス一尾をフックアップする。隣を見ればつきちん殿は同じBFをウエットのようにリトリーブし、連発している(とはいえやはり食いは浅く、バラシも多かったよう)。同じようにリトリーブしようかとも思ったが、やはりそれでは芸がないのでこちらはお得意の「マシンガンキャスト」で近い所から遠い所まで、とにかくやる気のあるマスの鼻先に叩き込もうと懸命のキャスティング。それで何とか後半追い上げるものの、結果、

 つきちん13尾>ひげオヤジ12尾

と、あっさり勝負の軍配はつきちん殿に上がる。ということで、次に雌雄を決する日まで、小生、つきちん殿を、

 師匠!

と呼ぶこととなった。先ずはこれからもよろしくたのんますです、師匠!

 さてりゅうちん殿の方はライントラブルやフライ交換などに追われ、思うように釣りに専念できぬよう(結果、りゅうちん殿は8尾。小学生にまで負けずに済んで、先ずは小生もほっと、安堵のため息)。途中トイレ休憩などと、釣り座を中座された折には、「それじゃ、代わりに…」とかなんとか、つきパパがロッドを振り、さらには魚まで掛けている。その姿を見た小生、思わず携帯手にし田中マネに、


子ども料金で釣ってるオヤジがおりますぞぉぉ!


と密告しようかと思う次第であったが、なんとこの「なごみ」では肝心の携帯が圏外。無事、告発をまぬがれたつきパパのパワフルなキャスティングフォームに賛嘆しつつ、先ずは2時間の釣りを無事終了。時計は「ならおう様」とのお約束の10時になっていた。

 再度、事務室に戻りチケットを返した後、「それじゃ、BBQ楽しんできて~。」という田中マネの言葉に送られつつ、車で「湯船森林公園管理事務所」前の駐車場に移動。つきパパの先導で車を進めれば、遠くで手を振る御仁が一人。かつて「なごみの湖新着情報」で拝見した「ならおう様」が手を振るお姿、すぐさま目に入ってきた。いままでブログを通じその博覧強記に驚きつつもあれこれご教導頂いてきた「ならおう様」。初めてお目にかかることになったが、先ずは

 あんたは、伊武 雅刀(いぶ まさとう)か?

  (おおっと、懐かしの「スネークマンショー」!)


とみまごうばかりの硬派な印象のダンディ。眼鏡の奧にきらりと光る慧眼と落ち着き払った渋いお声こそが、あの探求心旺盛なブログの土台であったのだなぁ…という感をあらたにする。

 さてご挨拶もそこそこに、めいめい大きなキャンプ用品を手に、「ならおう様」手配のBBQ施設へと移動。中央に小さなコンロと排煙口の設けられた、広さ12畳ほどの東屋はなんと土足厳禁。謹んで靴を脱ぎつつ、つきちん家5名、ならおう家4名、さらにはこのひげオヤジを入れて10名がそろい、さっそくBBQの準備に取りかかる。とはいえ、昔ながらの「河原の石組んで火床を作り、薪を集めてたき火する」という旧式アウトドアしか知らぬ小生は、ここでは全く役立たず。バーナーコンロに、ダッチオーブン等々、最新アウトドア用具を横目に見つつ、ただただ邪魔にならぬよう隅っこに鎮座するのが関の山。

 テキパキと準備が進めば、すでに石炭にも火が行き渡る。先ずは「ならおう様」お手配の、

100グラム1000円という高級霜降り和牛のステーキ肉が、

 どぉぉぉん!

とお目見え。その瞬間、ゴクリと唾を飲む大人たちの喉の響きで、グラリ東屋の屋根が揺れたように思ったのは小生の錯覚か。さて、しっかりした炭火の火力のおかげで肉にはすぐに火が通る。テキパキと切り分けて下さる「ならおう様」(って、もしかしたらこの御仁も「とんでもない鍋奉行」?)。先ずは

 いただきまぁぁす!

 塩とコショウだけの味付けだが、「良い肉」にはそれで充分。口の中に広がる脂肪の甘みとほんのりと焦げた肉の香ばしさが、至福の時へとこのひげオヤジを導いてくれることとなった。

 さてさて食事もそこそこに子どもたちはそばに流れる小川へ水遊びへと出る。つきママ、ならママのお二方も(ちなみになおう家には同じく未来のFF師となる小学1年と4才のおぼっちゃまがおられる)その見張りにとついて行かれるが、ちなみにその時の外気温は、

 35℃超!


居並ぶ3名の、FF界未完の大器達。将来が楽しみ?


 それでも帽子もかぶらず走り回っていられる「子ども」とは一体どういう存在なのか?中三であるつきちん殿はさておき、残る4人の「やんちゃの盛り」はいつまでたっても炎天下の川遊びから戻ろうとしない。「ほんと、元気だよね…。」とあきれつつ、ふっと自分の子どもの頃を思い出せば、朝から野球、昼からプール、夕方は横町で缶蹴りと、暑い最中、休むことなく遊び続けたあの夏の日々。ありきたりなノスタルジーではあるにせよ、

 That's 夏休み!

 ということをふと思い出した良い一日となった。こんな素敵な休日を演出して下さった「つきパパ殿・ならおう様」ご両人への感謝の気持ちをいだきつつ、川風に吹かれながら、子どもたちの歓声をいつまでも、いつまでも聞いているひげオヤジでありました。

2007/08/20  


Posted by ひげオンジ at 01:51Comments(14)

2007年06月30日

希望の光

 さてさて6月も終わり。まだしばらくは梅雨空が続こうが、このひげオヤジの胸の内は、

 晴れ 晴れ!

 今日から来週月曜日まで、久しぶりにしっかり休みが取れて、思う存分「釣り!」ができるはず。となれば天気予報なぞ何するものぞ。

先ずはいつもどおり出勤した職場では、一仕事片付けた後、上司に休暇を願い出て、心も軽く、一路



「なごみの湖」へと。


 11時過ぎに到着すれば、雨の予報もあってか、先客とおぼしき車は3台のみ(内1台はなんと「多摩ナンバー」、「なごみの湖」も遂に全国区?)。これならのんびりゆっくり釣れるはずと、一人ほくそ笑む。さてタックルを下ろし、事務所へ向かえば、いつもの如く「田中マネージャー」がお出迎え。「こんにちは!」と声をかければ、「いらっしゃい!」との声に続いて、

 「見てるよ、ブログ。ほんま、おもろいねぇ…」といきなり話はこのナチュログ方面へ。

 「ボクもあれこれ釣りのブログ見るけど、スラスラ読めるし、なんちゅうか…、ほのぼのしてるよねぇ、ほんまに。」などと思わず歯の浮くようなお褒めの言葉に腰が砕けそうになるが、うーん、こうやって方々に面が割れつつあるこのひげオヤジ。全くもって悪さ、悪口を控えねばならぬという思いもしきり。元々、行儀の悪い小生にはこれぐらいのプレッシャーがあった方が、「まっとうな社会人」になれるかと思えば、これもまた「釣りの余徳」と言うべきであろう。

 さて田中マネには、釣りのことはさておき、「なごみの湖」におけるネットワーク関連のお話しなど伺いつつ、先ずはいつものように、

 「ごゆっくり、どーぞ!」

という暖かい声に送られて、釣り場への坂をひた登る。

 さて先客一人の中央桟橋に降り立てば、雨こそ降っていないが、不快指数120%というような重たい空気に蒸し暑さ。聞けば、魚のタナは3~4ヒロという。いつものようにルースニングでと思うが、まさかそのタナではマーカーを固定すれば、9ftの竿では取り込みができない。さてどうしたものかと思案しつつ、先ず取り出したのが、「TSR社製インジケーター」。ただの「ハエ浮き」なのだが、フットの部分に工夫があって、ペグなしでティペットに固定できるもの。とはいえ今日はワザと固定しないまま、4Xのティペット(2ヒロ)に通す。ノットを意図的に大きくしつつ、その先に2ヒロの5Xをつなげば、先ずは、 「なごみサマーパターン」とも言うべき

 誘導式ディープルースニングシステムの誕生。

 インジケーター自身はフリーだがノットの所で自然と止まるため、キャスト後は4ヒロのタナを攻め、取り込み時はちょうど竿一本分までリールが巻ける。とはいえ、リーダーも合わせて7mにもなるこのリーダーシステム。でかいインジケーターにタングステンBH使用のヘビー級タコ爆弾との組み合わせとなれば、下手っぴな小生にはフォルスキャストなどできようはずもない。取り出した5番ロッドに6番のラインを合わせ、先ずはベリー部だけをぶっ飛ばし、5~6メートル投げるのがやっとのこと。そうして待つこと、数分。

 クィン…

ときれいに消し込むアタリに合わせれば、ものの見事にすっぽ抜け。とはいえ、魚居る所までフライが届いていることは確認でき、先ずは一安心。次にはシェード狙いということで桟橋と平行にキャスト。しばらく待てば、ポッコリという感じで浮きが立ち上がる。さらに深く沈めようとラインを送り込み待つこと数分。今度は、

 ピョコピョコピョコ…♪

とインジケーターが踊る。「よっしゃ!」と竿を空へと跳ね上げれば、ズゥゥンとラインが湖面に突き刺さる。一、二度ラインをたぐるやいなや、魚は沖へと一目散に走る走る。頭に「最近、もうラインブレイクが多くて多くて…」という先ほど聞いた田中マネの言葉が頭をよぎいるや、ドラグをゆるめ、魚を走らせるだけ走らせることに。その姿はまさに帯を握られ、クルクルと広間をころげまろびつする腰元のごとく。

 

鱒腰元「あれぇぇぇ…!とっ、殿、ご無体な・・・。」

 
ひげ代官「ひ、ひ、ひ、ひ…、もがけ、もがけ…」


と当方、いきなりの悪代官と化しては少しずつ魚との間合いを詰めていく。その後は、桟橋後方に突っ込む魚に対し、湖中深く竿を沈めてのリーリングなど、毎度おなじみの「なごみ釣法」を炸裂させれば、闘争数分、ようやく魚は水面に上がってくる。「よしよし、うい奴、うい奴…」などと自慢のヒゲをなでつつおれば、その時、ふっと大切なことに気がつく。

 「しもたぁ、ランディングネット忘れてきたぁぁぁあ!」

 いつも使う大物用のランディングネットは今も、駐車場の車の中。ということで、さらに魚が弱るのを待つこと数分、ようやくこちらの言いなりになった紅い頬をそっと撫でててから、掌ほどの体高ある60センチクラスのグラマラス腰元をリリース。


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 いきなりのクライマックスで気が抜けたのか、その後は間遠いアタリをものにできずに1時間ほどを過ごす。見れば釣り場には小生含め二人の釣り師の姿のみ。となれば、釣り座を変えようかと考え、第1桟橋へと向かう。タックルはそのままに、先ずはタバコを一服、さらに昼食代わりのコロッケパンをほおばった後、冷えたスポーツドリンクをごくり。さてさてそれではと、午後の部に挑戦開始。先ずは場所替えが奏功したか、飽きない程度にアタリが続き、20分に一尾のペースで、40センチ級が釣れてくる。4尾を追加し、さらにもう一尾を掛け、ファイトに入れば、向こうの土手にはエリア巡回に来たらしい田中マネの姿が見える。「これは写真を撮られるかな…」などと色気を持った瞬間に、足元まで寄せての痛恨のバラシ。人間やはり邪心を持ってはいけませぬ。

 さて田中氏はいつものカメラやロッドに代わり、芝刈り機を手に、土手の雑草刈りに精を出されている。夏場、草むらにマムシがでるこの釣り場。安全確保のために草刈りは欠かせないと以前お伺いしている。もちろんマムシ以外にもシマヘビなぞはいつもこの湖面を、マスに食われまいと必死に泳いでいく。さらには狸やイタチなど、釣りをしているだけで「わくわく動物ランド」気分を味わえるのも、この釣り場の魅力であるが、盛夏となれば、その定番は、

 カメ!


先ずは少し懐かしい開高健氏のギャグを流用しつつ、その姿をご笑覧いただこう。


直列二亀頭!!



 

 朝確認した天気予報によれば、関西一円、午後からは雨になるとのこと。その予報のとおり、4時前になる頃からポツリポツリと水面には小さな波紋ができはじめる。慌てて持参のカッパを取り出し、身にまとうやいなや、なんとまぁ、空が破けたかと思うばかりの、怒濤の大雨となる。とはいえ、雷のないことを良いことに、そのまま釣りを続行。初めてのディープルースニングにも少し慣れてきたのか、午前よりはキャストの距離も出るようになり、さらには雨で活性が上がったのか、しばらく遠のいていたアタリが復活。先ずはアベレージの40センチレインボーが2尾続く。さらには桟橋近くを流して、尺ははるかに越える痩せイワナ。その後もチビレインボー、居残りサクラマスを2尾リリースした後、本当のクライマックスがやって来る。

 先ずは着水直後にひったくるようにラインを持っていった大物一尾。さらにはじゃれるような可愛いアタリとは裏腹に、大暴れしてくれた先ほどとほぼ同サイズの50センチオーバー。最後の最後になって、頭の中が真っ白になり、何かに押さえつけられていた心が、すうっと空に舞い上がるような、そんな解放感にひたりつつ、糸を巻き、時に糸を出ししつつ、無心に魚と遊ぶことができた。本当に(数こそ出なかったものの)色んな意味で中身の濃い釣行となった・・・。
 


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 さて気がつけば、お約束の6時半になり、いそいそと納竿。事務所に入漁券を返却した後、一路、金勝(こんぜ)の山越え、我が家へと向かう。殊の外満足感を覚えている自分に納得しつつ、峠を越えれば、降り続いていた雨もやむ。遠くに見える我が町の姿を窺えば、うっすらとだが夕焼けも見える。

 うううん、これぞ、希望の光!

 先ずはこの連休に幸い多いことを期待させる、そんな薄赤い空を眺めながら、ひげオヤジは濡れた山道をひた走るのであった。 (…not to be continued)

2007/06/29  


Posted by ひげオンジ at 00:25Comments(17)

2007年05月18日

まったりな日々補遺

 2007年5月17日木曜日。何でもない普通の朝。

 その前日は、ナチュログのお仲間とともにのんびりゆったりの休日を過ごし、久方ぶりの心の洗濯もできた。帰宅後、奥方とは一波乱あるも、先ずはいつものように陳謝の言葉(いはく、「ごめんなちゃい、もうボクにどとしないから・・・」って、何度口走ってきたことか)をもって解決を得ている。当然、いつものように家を出て、いつものように職場へと出勤、そして、いつものように午前の業務に精を出し、さらには午後の予定などに「ない智恵」を、やややと巡らせつつも・・・

 ふーむ?

なぜか気持ちの底にひっかかるものがある。前回ブログアップのため、幾分、睡眠不足とはいえ、特段疲れているわけではない。それどころか、平日休暇をもらった翌日は、その「罪悪感」のため、平素以上に仕事に集中するのがこれまでの習い。なのに、

 うーん、ちょっと・・・

書類を見ても、PCの前に座っても、気持ちはどこか遠い所に行ったままのよう。「なぜだろう、何が足らないというのだろう・・・?」というボンヤリした不安に戸惑いながら、落ち着かぬ気持ちで雑事をこなしおれば、もう時計は12時を指している。窓の外を見れば、朝からの雨も上がり、西の方から青空と5月の陽差しが駆け寄ってくるのが見える。とその時、ふっと心の底にある曖昧な気分の原因がかいま見えたような気がした。

 昼休憩を迎えた職場にはまばらな人影。新聞を横目に弁当へ箸を伸ばす上司の元に歩み寄れば、すぐさま、

「あのぉ、少し微熱があるようなので、昼から帰っていいですか?」

 我が上司、『おまえ、昨日休んだばかりじゃねぇか・・・』という非難の声を目の色に変えながらも、「ああ、そうか。いいよ、あんまり無理することもないし・・・。」とすんなりとお許しの言葉。昨今、社会を賑わす過重労働、過労死等のニュースのおかげで我が職場もずいぶんと有給は取りやすくなった。「そうすか、すんませんねぇ・・・。」という言葉を吐くにや遅く、気がつけば両手はハンドルにあり、アクセルに乗せた右脚を思い切り踏み込んで、南東向いてひた走りに走る。そそくさと駐車場に車をおいては、上着を脱ぎ、大あわててネクタイを外す。とはいえ、元を正せばただのスーツ姿。そのままの姿では気まずく、暑いことを承知で、ズボンとYシャツの上からレインウェアを羽織り、ビジネスソックスも積み込んであったゴム長を履いてしまえば判らない。そして坂道を上り、下りすれば、そうとも

 なごみの湖

の桟橋の上に立っている自分がいた。昨日に続き、平日の釣り場。桟橋には小生以外にフライ青年の姿一人のみ。先ずは大きく深呼吸してから、6番の竿に糸を通し、5Xのティペットの先にはマドラーを結ぶ。そして、ゆっくりとキャスト。キャストを繰り返すうちに水を吸ったフライが次第に水面下へと沈んでいく。ツン・ツンと小さく動かした後、湖面を覗けば、一尾の鱒が疑わしそうにフライをのぞき込んでくるのが見える。「どうかな・・・?」と思い、もう一度、ツンとフライを動かしてやれば、ゆっくりした動きの後、

 ゴクリ…

とフライをくわえる鱒。もちろん空耳には違いないのだが、その時は本当に魚がフライをくわえるその瞬間の音が「ゴクリ」という響きをもって、鼓膜にまでしっかり届いてきた。その響きの消えやまぬうちに、左腕は中空に跳ね上がり、手にした6番の竿は真円に近い弧を描く。一気に底に突っ込もうとする魚体の重さを全身で受け止めつつ、

 そうだ、これだ、これだったんだ!

という思いを改めて噛みしめる。昨日の「瑞浪FP」では、お仲間との和やかな交流とともに、充分な数の魚を釣り上げ、確かな充足感を得ることはできていた。しかし、それでも、何か達成感のないままにいた自分がきっとどこかにあったのだろう。その鬱積した思いを癒すには、この広い釣り場と、暴力的なまでの鱒のファイトと、それを全霊で受け止める自分の身体が不可欠であったのだ。小手先ではなく全身で魚と格闘することで、自分の中の無垢の自分を感じる必要があったことに、今ようやく気がついた自分。竿先で鱒の遁走を追い、ドラグによりその体力を奪い、さらにはリールで間合いを詰めること数分、ようやくランディングした50センチの鱒の姿を見て、やっと朝からの鬱蒼とした気分に光明が差す。

 作為の日々を生きる自分を、無作為の自然(もちろん完璧なものではないにしろ…)と重ね合わせることでしか、人は人としての自分を取り戻せない・・・。

ゆったりと湖中に消える鱒の姿を見送りつつ、己(おのれ)が釣りというものを生涯の友とする、その本当の理由を改めて噛みしめる思いでいた。

 

(虹鱒と岩魚。手持ちの携帯による無理矢理画像であること・・・ご容赦の程を。)


 さてそれからもサイトの釣りで3尾の鱒を追加した後、朝からの雨のためか、濁りとゴミが湖面を覆い始める。サーフェスの釣りはこれ以上は無理と判断し、重めのオクトパスを取り出し、ゴミに覆われた湖面を叩き破るほどの強めのキャストでのルースニング。幾度も空振りを続けながらも、45センチ(このサイズの鱒がスピードが一番あり、釣っていて一番楽しいの皆様先刻ご承知のはず)前後のアベレージクラスを数尾釣り上げていく。時にお隣の青年(若いながらも口元にはヒゲを蓄え、まさに「ひげオヤジ」ならぬ「ひげ小僧」)のランディングなどもお手伝いしつつ、仮病を使ってまで釣りに来た自分への「罪障感」は深い「満足感」へと昇華されていった。

 4時を過ぎる頃、小生の立つ中央桟橋に釣り具とともにカメラを抱えた田中マネージャーが下りてくる。この釣り場の公式サイト(ttp://www.wazuka-nagominoko.com/)にある

「新着情報」

の取材とのことだが、この田中氏が本日のクライマックスを連れてきた。先ずはルアー(芥子色のスプーン)の一投目で、撮影用の鱒を掛けた田中氏の腕前に感心しつつ(ちなみにその魚は最後の一暴れのため、撮影失敗。ところがその5分後には、すぐ次の一尾…新着情報5月18日分に掲載の魚…を掛けている田中氏。その凄腕、トラキンなどで大騒ぎしている人達に見せてあげたい・・・)、ふと自分の投げた黄色のインジケーターに目をやれば、クィンというきれいなアタリ。鋭くアワセをくれてれば、ラインが左へと一気に走る。ラインをたぐりつつファイトに入れば、すぐさま田中氏がカメラを持って、小生の姿にファインダーを合わせるのが見える。

 「だめぇー、写真はだめぇ!今日は仕事をサボってきてるんだから!」

と思わず絶叫。まさか、仮病を使って釣りをする小生の姿を世界に向け、配信してもらう訳にはいかない。ところが、そんな時に限って運は向く。それから田中氏の眺める中で3連発。アベレージクラスの鱒達に続けざまに遊んでもらい、田中氏からも「入れ食いやねぇ~」とお褒めの言葉をいただくことになった。そうこうする間にも、小生隣の「ひげ小僧」氏にも大きなアタリ。後自身の釣られた魚の写真も含め、先ずは釣り客のファイトシーンの撮影を無事に終えられ、営業終了時刻の迫る中、

「ごゆっくりどうぞ・・・」(って、無理でしょ、時計を見なさい!)

というおなじみの口癖を残し、田中マネジャーは去って行かれた。


(「なごみの湖」公式サイトより。奮闘する「ひげ小僧氏」。ちなみに右上に映っている足は・・・?)

 それからも50オーバーのレインボー岩魚(もしくはアメマス)、サクラマス(春先とは違い、今はずいぶん深い所にいる)にも遊んでもらい、気がつけば21尾の魚たちに遊んでもらった後、改めて田中氏に礼を述べつつ、釣り場を後にする。

 車に戻れば、竿の水気を完全に落とし、ランディングネットにも魚の匂いが残っていないよう丹念に汚れを落とし(車の消臭スプレーがこんな時に役に立つ)、羽織っていたレインウェアも片付けては、ネクタイを締め直し、帽子でついた髪の癖もしっかりとった上で、上着を着れば、これはもうどこから見ても、「普通の勤め人」

 よおし、これで完璧に証拠は隠滅、完全犯罪完成!

との確信を得て、帰宅することに。これなら我が奥方がミス・マープル級の名探偵であっても、ばれることはあるまい。(ちなみにうちの上司は「灰色の脳みそ」ならぬ「腹黒の手前みそ」の持ち主なので不安はない)ただ唯一の不安があるとすれば・・・、それは、このブログを読んでいるナチュログお仲間の密告以外には考えられない・・・、ということだ。私は、私は、

 私は、皆様を信じてますぞぉぉぉぉぉ!

2007/05/18  


Posted by ひげオンジ at 21:18Comments(16)

2006年12月25日

Road to Kuroya 2

 皆様方、先ずはMerry X'mas!!

とはいえ、先述の通り、根っからの仏教徒であるはずの小生にジンゴロベー♪の鈴の音など、「祇園精舎の鐘の音」に勝るはずなく、いつもと変わらぬ12月の朝に他ならない。それよりもなによりも、年末を飾る「くろや釣行!」。道具類の準備は徐々に整いつつあるも、何よりも大切な、

魚の釣り方

を忘れていることに気付き、少なからず焦る。ここしばらくはザコマスばかりを相手にし、6Xのティペットでを鼻くそ堀りながら、フニャフニャと遊びほうける日々が続いていたのだ。

 これではいかん!何せ相手はあの名にしおう「魔王」。もともと鈍い上に、それ以上に鈍り錆び付いたこの腕で、太刀打ちできる相手ではないはず。となれば、当然、「トレーニングあるのみ!」ということでクリスマスもあればこそ、土日勤務を言い訳に、この月曜日、朝から「なごみの湖」へと緊急プラクティス釣行に出かけることに。

 先ずは第一のチェックポイントは先週交換したトラッドレスタイヤ。もう5シーズン目だが、幸い実走距離は少なく、まだ溝にも少し余裕がある。気温は低い(マイナス4度)が一切凍結面のない今日の天気ではその真価は問えないが、先ずは山坂道も無難に越えて、これは信用して良いだろう。

 二つ目のチェックポイントは防寒対策。上半身はスキー用のタートルにフリースを二枚重ね、下半身は、アンダータイツに裏フリースのフリーパンツ。それに黒のヤッケを羽織り、スキー用の毛糸の帽子とゴム長靴で仕上げ。これならどこから見てもFF師には見えず、ただの、

第一次産業従事者・・・

に見える。日本の国を支える農業、建設業の皆さん、本当にご苦労様です・・・という感謝を込めたこのスタイル。誰か文句あるか!!

三つ目のチェックはもちろんキャスティング・・・だが、これは言うまでもなくどうしようもなくダメ。第一本人に向上心というものが全くない。「釣れない魚は釣らない!」という実に潔くも自堕落な「座右の銘」を有するこのバカに、まったく未来というものはない。とはいえ、戦いの舞台となる「くろや」はさほど大きな池ではないと聞けば、先ずはターンオーバーさえしっかりできるようにシューティングのタイミングだけは丁寧にチェック。

 さて、本日の「なごみ」。受付の際、管理人さんが「スポーニングのせいかな、渋いよ・・・」と泣きを入れておられたように、結果は、干してない干し柿と同じぐらいの、

 激シブ!

 釣り初めからバタバタと50アップと40足らずが2尾釣れて、「よおし、これなら・・・」と思ったのもつかの間の夢。魚はかなり浮いていて、ほぼサイトで釣れる状態なのだが、着水後のフライに反応はしても、ほとんどが「プイッ」と横向くばかり。ティペットを5Xから6Xに落としてもさほど状況は変わらない。時折水面にライズする魚もいるが、おそらくミッジか何かにライズしているのだが、こちらはそんな繊細なタックルの用意はしていない。時々気まぐれに口を使う魚を拾い釣りするのが精一杯のまま、終了時間。


 結局、一日粘って、何とか12尾。それでもリールファイトの練習を何度かできたことで、先ずは今回のプラクティス釣行の目的は果たせたということにしよう。


 さて、本日のランチはなんと、「可愛らしいカップケーキ」が2個。昨日のイブ、某女性が他ならぬこのひげオヤジにと、プレゼントしてくださった一品。うううん、こう見えても、(無駄に太っているせいで)スミにおけないぞ、ひげオヤジ!と自分で自分をほめておいてから、先ずは持ってきたコーヒーと共に遅めのブランチ。

・・・・ってか、味がしないぞ、このケーキ!しかも表面はバサバサで中はまったりと生焼けの感触。これではただのコンクリの生乾きを囓っているのと同じではないか?こんなものを食わせて人を病気にでもするつもりなのか!

と、暴言を吐きかけたその時にふっと気付くことが。

「これは、もしかすると、あの魔王の手先がたくらんだワナか?」

 そうとも、この「魔王への道」、すでに戦いの幕は開いていることをしっかりと肝に銘ずべきであろう。

 ゆめゆめご油断召さるるな、各々方!

2006/12/25  


Posted by ひげオンジ at 23:24Comments(13)