2012年04月20日
Déjà-vu!
4月18日、水曜日
明日は朝から出張だ!ということで、いつになくテキパキ仕事場で走り回る健気な50代といえば、これはもう間違いなく、このひげオンジに他ならず、いつもはまったくもってのダメダメ人間であっても、こんな時ぐらいは、
やる時はやる!
という雰囲気ぐらいは大切にしたいもの。もちろん、ジタバタと走り回っているだけで、仕事の方はまったく片づいていないということなど、このブログをご愛読いただく読者諸兄には先般ご承知のことであろうが・・・・。
って、どっかで書いたことないか、この文章。なんて言いつつ、ふと思い出すのは一年前。去年の今頃もこんな風に出張予定を翌日に控え、準備万端整えた後、突然のドタキャン!ということがあったが、なんとまぁ、今年もまったく同じことになってしまう。ということで先ずは前日の職場の様子をダイジェストにてご報告。
****************************************
ひげオンジ:「んじゃ、女史殿(目の前に座っている職場同僚)、明日は9時に現地集合で良いですな。」
暴言女史:「えっ、ひげオンジ殿も来るんですか?」
オンジ:「はぁあ?だって明日は上司殿と三人で、クライアントを現地案内する予定なんでしょう。」
女史:「いや、もうそれは上司殿とあたくし、二人で済ませるように決まっています。」
オンジ:「えーっ、そんなの聞いてないよ。」
女史:「何を言ってるんですか。上司殿からちゃんと話はあったはず。オンジは頭だけでなく、とうとう耳まで悪くなったんですか?」
オンジ:「けど、そのつもりで仕事の段取りはしてあるんだし・・・。」
女史:「いいじゃないですか。明日もし暇になるなら有給もらって釣りにでも行ってきたら。」
オンジ:「えっ、ほんと、良いのそれで?」
女史:「良いです、良いです。だいたい、オンジ殿さえいなけ・・・オホン、えー、そもそもオンジへの連絡を忘れたのは上司殿なんだし、気にする必要はないでしょう。」
オンジ:「ふ~ん、なんか、すっきりしないけど・・・。んじゃ、先ずはお言葉に甘えさせていただくことに・・・」
****************************************
ということで翌日の午前7時30分。我が愛車は昨年同様、京都府南丹市美山町佐々里川のほとりへと滑り込むことになった。晴天の四月。ゆったりと流れる川を見ていれば、これぞまさに
というものの存在を改めて痛感することと相成る次第。
ここを訪ねる釣り人に、きちんと入漁券を売ってくださる、まさに鄙にはまれな瀟洒なカフェテラスと呼ぶべき「スペースウッド」のドアをしずしずと開けつつ、「おはようございまぁす!」とまぁ、小学生もかくやと言わんばかりの元気な声でご挨拶すれば、この釣り場の管理人殿から、すかさず「おはようございます」とのお返事が返ってくる。
後はいつものように氏名、住所、電話番号等、必要事項を記入申請した後、大枚3000円を支払って一日入漁券を購入。まったく管釣り並の法外な値段だが、小生の住むこの関西で、ほとんど唯一と言って良いこのC&Rエリア。これまでの、そしてこれからのこの釣り場の存続を願う気持ちから、ほとんど
と思えば特段高いとも思わないから不思議。できればこの釣り場が成功することで、この先ちゃんとしたC&Rエリアがこの関西にも定着することを願うのは、小生一人では決してないでしょう。
さて管理人殿に現在の現在の状況を聞けば、
管理人殿:「うーん、今年は春が来るのがまるまる2週間ほど遅い感じですね。でも、魚の方は結構出てくるので楽しめるはずですよ」
とのお言葉。それさえ聞けば後はもう百人力。「よぉし、釣るぞ!」と息高く、先ずはカフェから下ること1km弱。今は使われなくなった建屋の前に車を停めて、いそいそと支度に掛かる。さてさて今年の佐々里はいかなるものぞ・・・。
ちなみにかっきり1年ぶりとなるこの流れ。我が自宅からは距離にして66km。冬期には閉鎖されるというきつい山道を二つ通らねばならぬゆえ、山坂道にさんざ苦しめられるとはいえ、さほど遠い釣り場ではない。となれば、ここをホームリバーにして通年楽しめば良いではないか、というご意見なども各方面から小生に寄せられることになろうが、それがどうにもこうにもそうは問屋の大根下ろし。この佐々里。何と言っても標高のさほど高くない里川であるだけに、
がやたらめったら毛針をつつく。少しでも流れの緩い所を流そうものなら、ポチャン、ポチャンと妙に貧相くさいライズでフライをどこかに持って行ってしまう。んじゃ、こいつらを避けるためにティペット太く、フライも大きくすれば、今度はC&R特有のスレきったヤマメ君にまったく相手をしてもらえないというジレンマに突入する。
というあちらを立てればこちらが立たない・・・とまさに「煩悶と葛藤の釣り場」・・・というのがここ佐々里C&Rの真実なのであります。それゆえ年券を買ってフルシーズン楽しもうという気持ちにならないというのが実のところ。とはいえ、小生の暮らす関西エリアは基本的に
アマゴ文化圏!
日帰りでヤマメのお顔を拝見できるのは唯一ここだけ、ということなれば、少なくとも年に一度は必ず通うべき必然性を持った流れなのであります。
さて入渓後一時間。予定通り(?)カワムツを4尾ほどリリースした後、小さな堰堤を一つ越えて広いチャラ瀬に出る。少し深みになったボサ下の流れにフライを流せば、すかさず
というしっかりしたライズ。よっしゃ!とロッドを立てれば、グングングンとそれまでとは打って変わった重たい動きが掌一面を喜ばせる。流れに乗って下流へと遁走を試みる魚をなだめつつ足下まで寄せてみれば、
デ、デカイ・・!(^^)!
これはもう間違いなく小生にとっての佐々里レコードとなる一尾と感激しつつ、ネットを取ろうと右手を背中に回してみれば、なんとネットのカールコードがこんがらかっており、いきなりネットは流れの中に水没。ありゃりゃと思い、ネットを拾おうと竿先から気持ちが切れた瞬間に、
フツッ・・・・
とばかりに手応えが消える。うーん・・・これぞまさしく、
とまれ、世に言う言葉に万が一の間違いはないなと改めて痛感する次第。いやはやさてさてまったくもってのスットコドッコイ・・・なのであります。
さて激しく落ち込んだのも束の間。次なるチャラ瀬に立てば何とパッシャというライズが見える。「そうかそうか、底に君はいるのか・・」と心の中で二度呟いた後、その上手50センチのほどの所にフライを浮かべ、すーっと流れに乗せてやれば、
バシャン!
という小さな飛沫と共に白銀の魚体が朝日と流れのにきらめいて見える。先ほどの失敗があるために、先ずはしっかりフッキングを確認した後、慌てず騒がずゆっくりしっかりネットを右手にそっと流れに差し込んでみれば、ようやくのこと
のご登場と相成った。サイズは20cmほどだが、稚魚放流なのか再生産なのか、そのいずれかは分からぬものの、白銀の魚体がまぶしく精悍な面構えの好もしい体高高い一尾。毎度のこととは言いながら、先ずはこのボ☆ズ逃れの一尾こそ、何より喜ばしい限りなのであります。
さてそれから先もそれなりに反応はあるのだが、どれも乗らず釣れずの悪循環に突入することに。さらに進んだ堰堤下では右上手でしっかりとしたライズを思い切り空振りした後、左上手に流す毛針が流れに飲まれ、ズンと水没するやいなや、ツンと光る魚影が見える。オレンジ色のウィングが視界から消えるやいなや、スンとロッドを立てれば、グングンとラインは堰堤真下へと走っていく。まま、それにも慌てることなくネットインしたのは、これがもう完璧にして混じりっけなしの
遊泳力の弱い今春の放流魚なのであろう。深みに潜んで先ずは体力回復に努めつつおったのが、不運にもこのひげオンジの罠に掛かったという次第。まま、上司にだまされ、一瞬途方に暮れていた小生のことを思えば、これで
おあいこ!
ということにきっとなるのであろう。
さてそれから先もノンノンズイズイと釣り上がっていくが、いくつもあるライズのうちフッキングできるのはカワムツ君ばかり・・・。時には白銀のボディを水面上の飛び散らかしてのスプラッシュライズまであるのだが、ことごとく乗らない。
「うーん、これだけ魚が勢いよく飛び出すっていうのは、川底ぎりぎりに定位する魚が、一気に水面まで飛び出してくるせいなのか?」
なんて一丁前の口を利くなど十年早いが、先ずは、やはり今日の佐々里。管理人さんのおっしゃったとおり、時期的に、まだ二週間早い・・・いうことなのでしょう。とはいえ、ニンフでトロ場を沈めるとなると、カワムツ君の急襲にてんてこ舞いするはず。いやはやまったくトホホホホ・・・という感じで午前の部を終了。5時間あまり遡行して結果は2尾!というまったくお粗末極まりない、というのもなぜか
既視感(déjà-vu)
なのであったりしますねぇ。
缶コーヒーとサンドイッチ、それにバームクーヘンというお馴染みの昼食を済ました後、さてさて午後はどうしましょうか?と頭を少しひねりつつも、ここでもやっぱり登場するのは、
既視感(déjà-vu)
去年も午後の釣りはここを地元とする京都の釣友「ま。殿」の言葉がふと思い出される。その言葉とは、
ま。殿:「ひげオヤジさん(当時)、ここ(佐々里C&R)では『☆@%♀▲♪?』が、ものごっつ、おもしろおまっせ!」
ということで今年も午後の釣りは『☆@%♀▲♪?』とすることに決定。先ずは1番のショートロッドにタックルを取り替え、昨年同様、「ええっ!まさか、こんなところで・・・」というシチュエーションに飛び込んでいく。
ここ佐々里、昨年と違う点を唯一言えば、「減水」ということになろうか。昨年ならためらわずにフライを流したポイントがことごとく浅く、しばらくは歩くだけのこととなってしまう。それでも10分後。少し深みになったバンクの際に毛針を落とせば、
という飛沫が上がって、グリグリグリというしっかりとした手応えが掌全体に響き渡る。
「いやぁ、やっぱ佐々里は『☆@%♀▲♪?』だよね!」
と独りごちつつ、それでもチビ助ばかりに遊んでもらった昨年とは違い、いきなりの20cm。それに気をよくして、あれこれ工夫しつつキャストを続ければ、
ということに。そのどれも体高高く、胸ビレをピンと張った美麗な魚。いやはや昨春、このひげオンジがリリースした子達が、みんな大人になって戻ってきたのかな・・・と思ったりする。いやはや、やっぱC&Rの威力たるや、まさにこの上ないものなのであったりすますね。
それから後は、ここというポイントでは必ず何らかの反応があり、そのうちの幾つかがロッドをキュンと曲げてくれる。時にバックの開けた箇所では、落ち込みから広がる緩い流れに堂々としたロングキャスト。そして悠々と流れるフライに大きなライズ。反射的にロッドをあおれば、すかさずラインが水面に突き刺さる・・・とまぁ。
という実感を心の底から味わったりする。いやはや、おマヌケ上司殿やら暴言女史やら、何人ものおかげで拾うことのできたこの休日。本当に悪いはずのことが法外な喜びに変わったりするという、まさに
ということを実感できる良い一日となりました。
さて、午後だけで結局は8尾を追加し、先ずは目標の「ツ抜け!」を達成した小生。帰りの悪路を思えば、それほど長居の許されぬというのが、この佐々里川。4時半に納竿し、再度、入漁券を購入したカフェへと戻り駐車券を返却する。「鄙にはまれな」という言葉がまさにうってつけな可愛らしい奥方殿に本日の釣果を報告した後、帰路へと着くことにした小生。「あっ、そうそう・・」と思い出すのは仕事のこと。痩せても枯れてもこの国の給与所得者の一人である以上、そのことを忘れていては明日からの生活が成り立たない。
先ずはポケットから携帯などを取り出し、苦手なメールなどを入力する。
ひげオンジ:「今日は勝手してごめんなさい。クライアントの方はどうだったでしょうか?直接の担当がいなくてクレームがついたのではと心配しています。」
などという文面を送信した後、すぐさま返ってきた返信といえば、
暴言女史:「仕事の方はいたって順調。『担当は、仕事を放り出して釣りに行った』と報告しました所、クライアントも、『そうか、それは良かった・・』とのお返事でした。『できれば激流に呑まれて明日からはその姿が消えてなくなれば良いのに・・』というのが上司殿、およびクライアントのご意見のようですが、その後始末をしなければならないわたくしのために、先ずは無事にお帰り下さいませ。では。」
などという心温まるメッセージ。そうかそうか、そんなに小生のことを大事に思って下さるのか・・・なんて誤解も六階もあらばこそ、先ずはこんなメールまでもが、この先、この小生にはきっと、
となるものだったりして・・・。うーん、それじゃ・・・、やっぱり・・・、今しばらくは死ねないねなどと、いつになく神妙に思う小生なのでありました。
明日は朝から出張だ!ということで、いつになくテキパキ仕事場で走り回る健気な50代といえば、これはもう間違いなく、このひげオンジに他ならず、いつもはまったくもってのダメダメ人間であっても、こんな時ぐらいは、
やる時はやる!
という雰囲気ぐらいは大切にしたいもの。もちろん、ジタバタと走り回っているだけで、仕事の方はまったく片づいていないということなど、このブログをご愛読いただく読者諸兄には先般ご承知のことであろうが・・・・。
って、どっかで書いたことないか、この文章。なんて言いつつ、ふと思い出すのは一年前。去年の今頃もこんな風に出張予定を翌日に控え、準備万端整えた後、突然のドタキャン!ということがあったが、なんとまぁ、今年もまったく同じことになってしまう。ということで先ずは前日の職場の様子をダイジェストにてご報告。
****************************************
ひげオンジ:「んじゃ、女史殿(目の前に座っている職場同僚)、明日は9時に現地集合で良いですな。」
暴言女史:「えっ、ひげオンジ殿も来るんですか?」
オンジ:「はぁあ?だって明日は上司殿と三人で、クライアントを現地案内する予定なんでしょう。」
女史:「いや、もうそれは上司殿とあたくし、二人で済ませるように決まっています。」
オンジ:「えーっ、そんなの聞いてないよ。」
女史:「何を言ってるんですか。上司殿からちゃんと話はあったはず。オンジは頭だけでなく、とうとう耳まで悪くなったんですか?」
オンジ:「けど、そのつもりで仕事の段取りはしてあるんだし・・・。」
女史:「いいじゃないですか。明日もし暇になるなら有給もらって釣りにでも行ってきたら。」
オンジ:「えっ、ほんと、良いのそれで?」
女史:「良いです、良いです。だいたい、オンジ殿さえいなけ・・・オホン、えー、そもそもオンジへの連絡を忘れたのは上司殿なんだし、気にする必要はないでしょう。」
オンジ:「ふ~ん、なんか、すっきりしないけど・・・。んじゃ、先ずはお言葉に甘えさせていただくことに・・・」
****************************************
ということで翌日の午前7時30分。我が愛車は昨年同様、京都府南丹市美山町佐々里川のほとりへと滑り込むことになった。晴天の四月。ゆったりと流れる川を見ていれば、これぞまさに
既視感(déjà-vu)
ここ佐々里の看板。下の数字はこの呪われた村でかつて起こったという、
「佐々里38人殺し」を記念するもの(っていうのは、まったくのウソですよ~ん♪)
「佐々里38人殺し」を記念するもの(っていうのは、まったくのウソですよ~ん♪)
というものの存在を改めて痛感することと相成る次第。
ここを訪ねる釣り人に、きちんと入漁券を売ってくださる、まさに鄙にはまれな瀟洒なカフェテラスと呼ぶべき「スペースウッド」のドアをしずしずと開けつつ、「おはようございまぁす!」とまぁ、小学生もかくやと言わんばかりの元気な声でご挨拶すれば、この釣り場の管理人殿から、すかさず「おはようございます」とのお返事が返ってくる。
後はいつものように氏名、住所、電話番号等、必要事項を記入申請した後、大枚3000円を支払って一日入漁券を購入。まったく管釣り並の法外な値段だが、小生の住むこの関西で、ほとんど唯一と言って良いこのC&Rエリア。これまでの、そしてこれからのこの釣り場の存続を願う気持ちから、ほとんど
寄付!
煙突からは煙。ここ佐々里ではまだまだストーブが必要だったり・・・
ここにもこんな看板が。がんばれ関西屈指のヤマメの川!
と思えば特段高いとも思わないから不思議。できればこの釣り場が成功することで、この先ちゃんとしたC&Rエリアがこの関西にも定着することを願うのは、小生一人では決してないでしょう。
さて管理人殿に現在の現在の状況を聞けば、
管理人殿:「うーん、今年は春が来るのがまるまる2週間ほど遅い感じですね。でも、魚の方は結構出てくるので楽しめるはずですよ」
とのお言葉。それさえ聞けば後はもう百人力。「よぉし、釣るぞ!」と息高く、先ずはカフェから下ること1km弱。今は使われなくなった建屋の前に車を停めて、いそいそと支度に掛かる。さてさて今年の佐々里はいかなるものぞ・・・。
小生の地元ではすでに見頃を過ぎた桜が、ここではこれから・・・
ちなみにかっきり1年ぶりとなるこの流れ。我が自宅からは距離にして66km。冬期には閉鎖されるというきつい山道を二つ通らねばならぬゆえ、山坂道にさんざ苦しめられるとはいえ、さほど遠い釣り場ではない。となれば、ここをホームリバーにして通年楽しめば良いではないか、というご意見なども各方面から小生に寄せられることになろうが、それがどうにもこうにもそうは問屋の大根下ろし。この佐々里。何と言っても標高のさほど高くない里川であるだけに、
こいつ!
これなら一日100尾でも釣れる(?)トボケた顔がまた憎らしい
がやたらめったら毛針をつつく。少しでも流れの緩い所を流そうものなら、ポチャン、ポチャンと妙に貧相くさいライズでフライをどこかに持って行ってしまう。んじゃ、こいつらを避けるためにティペット太く、フライも大きくすれば、今度はC&R特有のスレきったヤマメ君にまったく相手をしてもらえないというジレンマに突入する。
というあちらを立てればこちらが立たない・・・とまさに「煩悶と葛藤の釣り場」・・・というのがここ佐々里C&Rの真実なのであります。それゆえ年券を買ってフルシーズン楽しもうという気持ちにならないというのが実のところ。とはいえ、小生の暮らす関西エリアは基本的に
アマゴ文化圏!
日帰りでヤマメのお顔を拝見できるのは唯一ここだけ、ということなれば、少なくとも年に一度は必ず通うべき必然性を持った流れなのであります。
さて入渓後一時間。予定通り(?)カワムツを4尾ほどリリースした後、小さな堰堤を一つ越えて広いチャラ瀬に出る。少し深みになったボサ下の流れにフライを流せば、すかさず
バシャン!
さてさて、今日もひげオンジのFF日和ですねぇ~♪
というしっかりしたライズ。よっしゃ!とロッドを立てれば、グングングンとそれまでとは打って変わった重たい動きが掌一面を喜ばせる。流れに乗って下流へと遁走を試みる魚をなだめつつ足下まで寄せてみれば、
デ、デカイ・・!(^^)!
これはもう間違いなく小生にとっての佐々里レコードとなる一尾と感激しつつ、ネットを取ろうと右手を背中に回してみれば、なんとネットのカールコードがこんがらかっており、いきなりネットは流れの中に水没。ありゃりゃと思い、ネットを拾おうと竿先から気持ちが切れた瞬間に、
フツッ・・・・
とばかりに手応えが消える。うーん・・・これぞまさしく、
逃がした魚は大きい(T_T)
とまれ、世に言う言葉に万が一の間違いはないなと改めて痛感する次第。いやはやさてさてまったくもってのスットコドッコイ・・・なのであります。
さて激しく落ち込んだのも束の間。次なるチャラ瀬に立てば何とパッシャというライズが見える。「そうかそうか、底に君はいるのか・・」と心の中で二度呟いた後、その上手50センチのほどの所にフライを浮かべ、すーっと流れに乗せてやれば、
バシャン!
という小さな飛沫と共に白銀の魚体が朝日と流れのにきらめいて見える。先ほどの失敗があるために、先ずはしっかりフッキングを確認した後、慌てず騒がずゆっくりしっかりネットを右手にそっと流れに差し込んでみれば、ようやくのこと
佐々里ヤマメ!
のご登場と相成った。サイズは20cmほどだが、稚魚放流なのか再生産なのか、そのいずれかは分からぬものの、白銀の魚体がまぶしく精悍な面構えの好もしい体高高い一尾。毎度のこととは言いながら、先ずはこのボ☆ズ逃れの一尾こそ、何より喜ばしい限りなのであります。
さてそれから先もそれなりに反応はあるのだが、どれも乗らず釣れずの悪循環に突入することに。さらに進んだ堰堤下では右上手でしっかりとしたライズを思い切り空振りした後、左上手に流す毛針が流れに飲まれ、ズンと水没するやいなや、ツンと光る魚影が見える。オレンジ色のウィングが視界から消えるやいなや、スンとロッドを立てれば、グングンとラインは堰堤真下へと走っていく。まま、それにも慌てることなくネットインしたのは、これがもう完璧にして混じりっけなしの
放流ヤマメ・・(-_-;)
こいつはニジマスか!とまで一瞬思う、黒点の目立つ派手な魚体・・
遊泳力の弱い今春の放流魚なのであろう。深みに潜んで先ずは体力回復に努めつつおったのが、不運にもこのひげオンジの罠に掛かったという次第。まま、上司にだまされ、一瞬途方に暮れていた小生のことを思えば、これで
おあいこ!
ということにきっとなるのであろう。
さてそれから先もノンノンズイズイと釣り上がっていくが、いくつもあるライズのうちフッキングできるのはカワムツ君ばかり・・・。時には白銀のボディを水面上の飛び散らかしてのスプラッシュライズまであるのだが、ことごとく乗らない。
「うーん、これだけ魚が勢いよく飛び出すっていうのは、川底ぎりぎりに定位する魚が、一気に水面まで飛び出してくるせいなのか?」
なんて一丁前の口を利くなど十年早いが、先ずは、やはり今日の佐々里。管理人さんのおっしゃったとおり、時期的に、まだ二週間早い・・・いうことなのでしょう。とはいえ、ニンフでトロ場を沈めるとなると、カワムツ君の急襲にてんてこ舞いするはず。いやはやまったくトホホホホ・・・という感じで午前の部を終了。5時間あまり遡行して結果は2尾!というまったくお粗末極まりない、というのもなぜか
既視感(déjà-vu)
なのであったりしますねぇ。
****************************************
缶コーヒーとサンドイッチ、それにバームクーヘンというお馴染みの昼食を済ました後、さてさて午後はどうしましょうか?と頭を少しひねりつつも、ここでもやっぱり登場するのは、
既視感(déjà-vu)
去年も午後の釣りはここを地元とする京都の釣友「ま。殿」の言葉がふと思い出される。その言葉とは、
ま。殿:「ひげオヤジさん(当時)、ここ(佐々里C&R)では『☆@%♀▲♪?』が、ものごっつ、おもしろおまっせ!」
ということで今年も午後の釣りは『☆@%♀▲♪?』とすることに決定。先ずは1番のショートロッドにタックルを取り替え、昨年同様、「ええっ!まさか、こんなところで・・・」というシチュエーションに飛び込んでいく。
ここ佐々里、昨年と違う点を唯一言えば、「減水」ということになろうか。昨年ならためらわずにフライを流したポイントがことごとく浅く、しばらくは歩くだけのこととなってしまう。それでも10分後。少し深みになったバンクの際に毛針を落とせば、
パシャン!
という飛沫が上がって、グリグリグリというしっかりとした手応えが掌全体に響き渡る。
「いやぁ、やっぱ佐々里は『☆@%♀▲♪?』だよね!」
と独りごちつつ、それでもチビ助ばかりに遊んでもらった昨年とは違い、いきなりの20cm。それに気をよくして、あれこれ工夫しつつキャストを続ければ、
立て続けの4尾・・(^_^)v
どちらも小生のイメージ通りのヤマメ君!C&R万歳なのであります
ということに。そのどれも体高高く、胸ビレをピンと張った美麗な魚。いやはや昨春、このひげオンジがリリースした子達が、みんな大人になって戻ってきたのかな・・・と思ったりする。いやはや、やっぱC&Rの威力たるや、まさにこの上ないものなのであったりすますね。
それから後は、ここというポイントでは必ず何らかの反応があり、そのうちの幾つかがロッドをキュンと曲げてくれる。時にバックの開けた箇所では、落ち込みから広がる緩い流れに堂々としたロングキャスト。そして悠々と流れるフライに大きなライズ。反射的にロッドをあおれば、すかさずラインが水面に突き刺さる・・・とまぁ。
This is Fly-Fishing!
流れの中央から勢いよく飛び出してきたアマゴ君!ちょっとビックリ・・
という実感を心の底から味わったりする。いやはや、おマヌケ上司殿やら暴言女史やら、何人ものおかげで拾うことのできたこの休日。本当に悪いはずのことが法外な喜びに変わったりするという、まさに
人生万事塞翁が馬・・・
ヤマメとアマゴ・・これだけボディに差があれば、この小生でも見分けは付く!
ということを実感できる良い一日となりました。
****************************************
さて、午後だけで結局は8尾を追加し、先ずは目標の「ツ抜け!」を達成した小生。帰りの悪路を思えば、それほど長居の許されぬというのが、この佐々里川。4時半に納竿し、再度、入漁券を購入したカフェへと戻り駐車券を返却する。「鄙にはまれな」という言葉がまさにうってつけな可愛らしい奥方殿に本日の釣果を報告した後、帰路へと着くことにした小生。「あっ、そうそう・・」と思い出すのは仕事のこと。痩せても枯れてもこの国の給与所得者の一人である以上、そのことを忘れていては明日からの生活が成り立たない。
先ずはポケットから携帯などを取り出し、苦手なメールなどを入力する。
ひげオンジ:「今日は勝手してごめんなさい。クライアントの方はどうだったでしょうか?直接の担当がいなくてクレームがついたのではと心配しています。」
などという文面を送信した後、すぐさま返ってきた返信といえば、
暴言女史:「仕事の方はいたって順調。『担当は、仕事を放り出して釣りに行った』と報告しました所、クライアントも、『そうか、それは良かった・・』とのお返事でした。『できれば激流に呑まれて明日からはその姿が消えてなくなれば良いのに・・』というのが上司殿、およびクライアントのご意見のようですが、その後始末をしなければならないわたくしのために、先ずは無事にお帰り下さいませ。では。」
などという心温まるメッセージ。そうかそうか、そんなに小生のことを大事に思って下さるのか・・・なんて誤解も六階もあらばこそ、先ずはこんなメールまでもが、この先、この小生にはきっと、
既視感(déjà-vu)
となるものだったりして・・・。うーん、それじゃ・・・、やっぱり・・・、今しばらくは死ねないねなどと、いつになく神妙に思う小生なのでありました。
2012/04/19
Posted by ひげオンジ at 00:55│Comments(4)
│佐々里C&R激闘編
この記事へのコメント
ブラザーこんにちは~
何とデジャブ釣行?!
だったの??(笑)どこまで・・・
可愛いサイズからちゃんとしたおねえちゃんにも遊んでもらえて
ヨカッタヨカッタ、やはりまだ寒さで活性が上がるのは昼ごろからなのでしょう
つ抜け・・・いいね~だ(^ー^)
では又。
何とデジャブ釣行?!
だったの??(笑)どこまで・・・
可愛いサイズからちゃんとしたおねえちゃんにも遊んでもらえて
ヨカッタヨカッタ、やはりまだ寒さで活性が上がるのは昼ごろからなのでしょう
つ抜け・・・いいね~だ(^ー^)
では又。
Posted by TATA GP at 2012年04月20日 07:23
おはようございます。
今年も快く送り出されて、ヤマメに逢いにサボリーな釣行ですね。(笑)
釣果も上々。デジャブでも魚が大きくなっていて良かったじゃないですか!
来年は尺になっているかも?(爆)
こちらは時々無性にアマゴの顔が見たくなります。
今年も快く送り出されて、ヤマメに逢いにサボリーな釣行ですね。(笑)
釣果も上々。デジャブでも魚が大きくなっていて良かったじゃないですか!
来年は尺になっているかも?(爆)
こちらは時々無性にアマゴの顔が見たくなります。
Posted by jbopper at 2012年04月20日 09:09
良い感じで既視感を楽しまれたようで(笑)。うらやましいです。
二段目の写真は弱い赤帯がなんとも。レインボーなら背びれや尾びれの斑点があります。あとはローリングファイトかヘッドシェイクで。
ほんとC&R区間を拡張していかないと川から渓魚が居なくなりそうです。魚種の見分け方を検索すると大漁虐殺の自慢報告が多くて・・・。
ま、また釣りに行きましょう。
二段目の写真は弱い赤帯がなんとも。レインボーなら背びれや尾びれの斑点があります。あとはローリングファイトかヘッドシェイクで。
ほんとC&R区間を拡張していかないと川から渓魚が居なくなりそうです。魚種の見分け方を検索すると大漁虐殺の自慢報告が多くて・・・。
ま、また釣りに行きましょう。
Posted by ならおう at 2012年04月22日 08:53
『☆@%♀▲♪?』攻めでしたか…。
G.W.には、今や小浜でSaltFlyFisherと化してるつきちん。が、
佐々里川に凱旋予定です。
ウェーダーがボロボロみたいですが…。(笑)
渓魚の鼓動が伝わって来ますな!
G.W.には、今や小浜でSaltFlyFisherと化してるつきちん。が、
佐々里川に凱旋予定です。
ウェーダーがボロボロみたいですが…。(笑)
渓魚の鼓動が伝わって来ますな!
Posted by ま。 at 2012年04月24日 22:47
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