結成!石徹白探偵団

ひげオンジ

2011年05月22日 02:15

5月21日(土)朝、3時40分

 昨夜から準備しておいた着替えやらタックルやら、万端耳を揃えて整えて、駐車場を飛び出したのは、4時を15分過ぎる辺り。今から2時間半のドライブを終えれば、毎度のごとく

 石徹白川!

にたどり着くはず。先ずはいつものように名神~東海北陸道を東へ北へと走り続け、いつものコンビニで食料を買い込み、後は走り慣れた峠道を、ただただウネウネと走り続ける。少しペースの遅い軽自動車に道を譲ってもらえば、

 「やっぱり岐阜の人はみんな優しいなぁ・・・」

などと感謝感激しつつ、ゆるゆると下り坂を走っていけば、

 「オラオラオラッ、何人たりともオラの前は走らせねぇ!」

と渾身の気合のこもるNISSANのRVが小生の後ろでアオリに煽ってくる。

 「なんだ、、まったく柄の悪い人だなぁ・・・」

とぼやきつつ、今度は小生が路肩に車を寄せて、道を譲れば、そのRV。なんと白いナンバープレートの片隅には、

和歌山!

の文字がしっかりくっきり読み取れる。小生の車を追い抜きざまにちらりと車窓から見えた巨躯二体。それはもう間違いなく、昨日の抜け駆け釣行で、兄弟そろって尺上を釣り上げた!

みかんブラザーズ・・・



これがみかん公から「罰金」として没収した梅干し。その美味さときたら・・・
はっき言います。食べたことのない人には判らないから・・・


のご両名に違いない。前夜の投稿で、今日石徹白に集う仲間達を、

 アオリに煽る!

その勢いは、この峠道でも健在なのでありました。とはいえ、すでに一時の父となって久しい「みかん公」。少しはしっかり大人になって、ユルユルと時間を使うことを覚えなければいけませんな・・・、とご意見するのは年長者の特権。先ずはこの中高年を震え上がらせた罰金として、超高級梅干し!を没収させていただくことに。まま、その美味に免じて、今回限りは許してあげることにいたしましょう。

 さて、お約束の7時を早まること15分。いつものスキー場下の駐車場に車を入れれば、そこには、灰・青・赤・紺・銀・白…とまるで虹のように居並ぶ車列。そうとも、今日こそが、

 石徹白・春の集い!(って、「初夏の陣」から今年は改名。とはいっても、釣り★鹿があちこちから集まって大騒ぎするだけのことは、何も変わらないのだから、少し悲しい)

の本番なのでありました。車から降りてみれば、先着の皆様方は、一足先に渓に降りている「抜け駆け野郎」の釣り姿を眺めては、励ましの罵詈雑言!を懸命に掛けておられるご様子。「おはようございまぁぁぁあす!」というご挨拶もそこそこに、へぇ~どれどれ、と小生もその列に加わってみれば、しきりにロッドを振る御仁こそ、あらら、10ヶ月ぶりのご対面となる ナカモト師範代!

のお姿であった。この信州を代表する釣り小僧のキャスティング姿を眺めることで、

 ああ、今年も来たんだ・・・

という実感が湧いてくるから不思議なもの。さて、それからも後お二人のお仲間を少し待っておれば、結局、今日、土曜日

13人の刺客!



まま、実物とはずいぶんとは違うが、これもまた誇大広告ということで・・・お許しを。


が、この石徹白の流れに集結することに相成った。

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 さてさて、我等がhajihadu大将主催によるこの「石徹白の集い」。早くも今年で5年目に突入というのだから、驚き桃の木山椒の木、というのは当然のことながら、毎年、ここで新しいお出会い(しかも、みんな良い人ばかりなのは、なぜ?)があり、そしてその出会いからまた大きな人の輪が広がっていくのが、何より幸せなこと。あまりに大勢なので全員をご紹介するのは止めておくことにするが、おいかわ大師匠やら、今はなぜか
「全日本アリ飼育普及委員会初代会長かつ名誉顧問」
とまぁ、ずいぶん偉くなってしまったrelease-windknot殿のお姿もある。さらには、この石徹白では始めてご一緒することになったblue殿やら、ツインズパパ殿にも改めてご挨拶。先ずはこれも恒例となった

記念写真・・・

とまれ、その実物は後日届くはず。先ずはその写真を撮るまでのジタバタのご様子など






先ずは記念写真の設定に余念のない大将と、
自分の車を勝手に使われキレかかっているmassa520特攻隊長
さらには手前は、「お化粧直し」のために慌てふためくおいかわ大師匠


などを撮影した後、「んじゃ、12時過ぎたら、ここに再集合ね!」というhaji大将の号令一下、それぞれの刺客は思いのままに流れへと散っていくことに。さて今回の小生のお目当ては、釣り馴れたC&Rエリアではなく、

石徹白川本流!


これが入渓直後の渓の様子。雪代こそないが、やはり冷たく太い流れ・・・


ということに相成る。せっかく多くの先達が集うこの催し。いつでも歩けるエリアでは意味がなく、今まで行ったことのない流れを教えてもらうの何よりの楽しみとなる。この午前の部は、信州グループを代表する、

ナカモト師範代





および、ご存じ!

渓職人kisoyamame殿




という超豪華メンバーによるエスコートで、太い太い流れへと突入することに。水量は落ち着いたとは、やはり本流。流れは強く、あくまでも太い。小生のおぼつかない遡行では流心近くに出るとはできず、かといって岸辺には張り出した木の枝が小生のキャスティングを妨げる。
 少し途方にくれつつも同時に入渓した師範代の姿を下流に見れば、すぐさま、ご挨拶の一尾をネットインされている。
 「そっかあ、釣れるんだぁ、ここも」と勇気凛々となって、おぼつかない足取り釣り上がっていくことに。左岸に入ったおかげでレフティの小生には思うように流せるポイントは限られるが、それでもきれいな流れの、少し緩んだ所を選んで
キャストしていく、
キャストしていく、
キャストしていく、
キャストしていく、
キャストしていく・・・、


が、まったくもって反応なし。周囲を見渡せば、虫の気配も少なく、やはりここでも春の訪れが遅いことを否応なしに実感させられてしまう。

 キャンプ場上手の大プールで先回りされていた御家人kisoyamame殿とも合流するが、あの御家人殿をもってしても、今回の本流は厳しい・・・とのこと。そうなればもちろん、このひげオヤジに出番なぞないことは言うまでもない。(ちなみにこの本流ではあの師範代のみが2尾の釣果・・・師範代の実力をもってしてこれなんだから・・・状況の方がご推察下さいませね)

 さて早々に本流を切り上げ、再度C&Rエリアへと舞い戻る。お昼の集合時間まではまだ少し時間があるので駐車場下の流れに入り、先ずはお気楽プールまでをさらっと流してみる。先ずは3発ヒットがあるもののどれも載らず釣れず、小生の釣る横を通り過ぎたカップルが目の前20メートルほどの所にいきなり入渓されるのを目の当たりにし、(ちなみに今日の石徹白、どこもかしこも釣り人だらけ・・・まま、お天気の休日なのだから仕方なし)これにて一巻の終わり。思いっきりボ★ズの悲哀・・・を背中にしょって、トボトボと集合場所へと戻っていくことに。ヤレヤレ・・・

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 さて全員そろってのランチタイム。サンドイッチに激辛ラーメン、さらにはアンコ大福やらおにぎりやら、めいめい思いのまま昼食で、まったくまとまりがない!のが却ってよろしい。
 haji大将に、みかん公、さらには東海のヘラクレスことY.yoshi殿など座談の名手が居並ぶ中、ただ聞き役に回っているのもこれはこれで楽しいもの。ちなみに横を見れば、前夜の記録更新の感激のあまり、すで大酒喰らって眠り込んでいる夏蜜柑公のお姿をゆっくりながめているのも、この集いでは恒例のこと・・・。

 あーだ、こーだとワイワイガヤガヤしている中で、やはり徹頭徹尾、無口!を極めるのは、我等がおいかわ師匠。さらには、今隣で菓子パンをモグモグしていたかと思うといきなり徘徊を始める、落ち着きのなさこそ、release-windknot殿の真骨頂。あちこちでアリンコの姿を眺め続ける、その探求心には恐れ入りつつ、本当に気ぜわしいぞ、全日本アリ飼育普及委員会名誉総裁!



皆で仲良く談笑しておるのに勝手にアリを探しに出かける名誉総裁。
これこれ、お連れのgohdon殿が泣いておられますよ・・・


 さてさて今度は、「五時半ここに集合ね・・・」というhaji大将のお声が響くやいなや、再度、13名の刺客はあっちへ、こっちへとそれぞれにサンクチュアリ求めて散らばっていく。

 「午後からは入ったことのない支流に行きたいなぁ・・・」

 「さてさて午後はどうしましょうか?」などとトボけたことを呟きつつある小生に、「それなら、オレが去年入った支流を尋ねてみれば。ほらほらこの流れなんだよ。」と地図を広げてアドバイスを下さるのが、すでに午前の支流探索で一山当てているhaji大将。
 「んじゃ、そうします。」とまぁあっさり、お言葉に従うことにすればなんと、この石徹白周辺の細かな地図まで大将から手渡される。「いいね、絶対に無理しちゃダメだよ。」と毎度のごとく本当にありがたい大将の言葉を頂戴した後、なんと午後の部には、

blue殿下


今回初見参のblue殿下。そのご様子と伺えば、
元YMOの「細野春臣」をず~っと縦に伸ばしたようなお姿。
しかし、その丁寧極まりないFFスタイルは見習うべし!


さらには、

ツインズパパ刑事


さてさてこちらのツインズパパ殿のお姿といえば、ずばり!
ものすごく弱そうな"舘ひろし"という印象。
実際にそのお人柄の優しさが一挙手一投足ににじみ出る・・・


のご両人がお付き合いして下さることと相なった。

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 大将が教えてくれた場所からいきなり森の中に紛れ込む3名の刺客。道なき道を歩みつつおれば、これぞ、まさしく

支流!




と呼ぶべき細く段差のある流れが続く。午前中とも併せ、この石徹白の初めての流れを探査していくうちに、なぜか小生の脳裏には、

 ぼ・ぼ・ぼくらは少年探偵団~♪

というものすごく懐かしいメロディが湧き上がってくる。あの小林少年よろしく、この渓の真犯人を追い求め、どこまで追い続けていこうとする自分こそ、まさに急遽結成された、

石徹白探偵団!


ちなみにこれが「少年探偵団」のオリジナル・・・な、懐かし!


の一員なるかという思いで一杯になったりするから、まったくもって呑気なものです。

 大将ご紹介の、この支流。時折巡り会うプールを覗けば、小さいながらもしっかり魚影が見えている。「そうか、そうか、この場所こそがきっとパラダイス・・・」など一人ほくそ笑みつつ、魚の鼻先にフライを流すが、ここでも、

 まったく無視!

 ここもやっぱり水温が低いのか、魚はいれど、そのほとんどは水面上を見ようともしない。
 「う~ん」と呻吟しつつも藪をかき分けかき分け、遡ること20分。なんとまぁ、先行していただいたblue殿に、しっかりアタリがあったご様子。
 「出ましたよぉ~」というその声に勇気づけられ、さらに進めばけっこうな落差の滝が見える。「そうか、そうか、あの滝の向こうにパラダイスが広がるのか・・・」とさらなる期待に胸を高鳴らせ、急な斜面をズリズリ這って登ってみれば、そこはいくぶん開けた流れに。
 目の前にはいかにも美味しそうなポイントが見えれば、よぉぉぉぉし!と気合満点のキャスティング開始。後ろに前に、被さる枝に気を取られつつキャストすれば、落ち込み直下の底に小さいながらも魚影発見。頭上目がけて何度もフライを流してみるが、いっかな反応はなく、「ええぃ、それなら!」と着水と同時にラインを手繰り、少し沈めて流してみれば、

食った!


これが本日ボ★ズ逃れの一撃。まま、きれいな魚体に救われました・・・


 予想外のウェット(?)の釣りの結果、左手に握る7ft2番の竿を少しばかりも震わせつつ、無事ネットに収まったのは、なんと「天然石徹白アマゴ」。てっきり「イワナの渓」と思いつつ、釣り上がってきたのだが、まさにその変身ぶりこそ

 怪盗二十面相・・・

もかくやと言わんばかり。まったくもって「真犯人は意外な人物」なのでありましたね。

 さてチビアマゴをそっとリリースした後、前を望めば、今度は大きな堰堤が目に飛び込んでくる。「そうか、そうか、あの堰堤の向こう側に、釣り人の姿などまったく見たことのない魚たちのパラダイスがあるんだ・・・」と期待を胸に先ずは堰堤下のプールで良形のイワナな相手に、「ちくしょう、また見に来た・・・ああっ、帰った・・・」などと思いきりいたぶられつつ、ふと顔を上げてみれば、な、な、なんと、その目前の堰堤の上を、一台の車が思いきり走り去っていく姿が目に入る。

「ええええええええっ、この支流は車で入れるんだ!」

というまったくもって驚愕の新事実に開いた口が塞がらない石徹白探偵団の3名「悪戦苦闘して遡ってきたこの苦労はいったいなんだったんだ、明智君・・・」と本当に本当に、がっかりしつつ、先ずはこの渓には、

骨折り損の渓・・・




という名前を付けることに決定。気持ち的は肋骨三本に、大腿骨一本を折られたぐらいの気持ちになっているのだからまったくもって仕方がない。いやはや、ほんと、釣りって難しいものなんですよね。

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 そて、堰堤の上に上がれば、底の低い普通車でも登ってこれるような、しっかりした林道がついている。「これじゃ、仕方ないですね・・・」というblue氏の言葉に誘われ、再度C&Rエリアに逆戻り。どこか入れる所はないかと様子を窺いつつ下って行けども、どこもかしも、FF師!の姿が目に飛び込んでくるばかり。

 結局はお馴染みの別荘下の流れから再入渓してみるものの、恐らく今日一日で、何千回とフライを流された流れは、ほとんど沈黙したままで終わってしまう。結局ここでも1ヒット1バラシのノーフィッシュで、
先ずは、

終了!(^_^)v(そんな小生を横目に、ちゃんと2尾ゲットしているのが、あのblue殿。なんて小癪な人!)

 さてさて気がつけば時計は5時近く。お約束の時間もあって、そそくさと退渓した後、下手に停めておいて下さったblue殿のお車で集合場所へと戻ってみる。ちなみに今回、一泊二日釣行を決め込んでいる、haji大将、職人kiso殿、さらには、みかんBros.の4名はもちろん、おいかわ大師匠と小生を除く、その他の皆々様方は、

 もちろんイブニング!

と気合満々。「今度は7時20分集合だよ!」というhaji大将のお言葉に背中をおされ、再再度、それぞれの流れへと散らばって行かれる。先ずはそんな皆様方と、しっかり次回のお出会いをお約束して、小生は一路、帰宅の道へ。(ここ石徹白に来た時は「明るいうちに高速に乗って帰る」というのがマイルールなのであります。)

 いやはやかろうじてボ★ズは免れたものの、厳しい現実を突きつけられた今回の石徹白。しかしまぁ、急遽結成された石徹白探偵団の活躍はきっと今後に活かされるはず。そうだそうだ・・・と一人ごちつつ、頭の中ではすでに、この流れに相応しい新しい「テーマソング」が完成しているのだから不思議なもの。ちなみにその原曲は・・・


『少年探偵団のうた』
昭和31年ラジオ番組
壇上文雄 作詞
白木義信 作曲
宮下匡司・上高田少年合唱団 唄

(一番・勇気編)
ぼ・ぼ・僕らは少年探偵団
勇気りんりん るりの色
望みに燃える 呼び声は
朝焼け空に こだまする
ぼ・ぼ・僕らは少年探偵団

(二番・夢想編)
ぼ・ぼ・僕らは少年探偵団
力ようよう 海の色
夢も高なる 呼び声は
真昼の空に こだまする
ぼ・ぼ・僕らは少年探偵団

(三番・誓い編)
ぼ・ぼ・僕らは少年探偵団
誓いはかたく 鉄の色
明日をめざす 歌声は
月夜の空に こだまする
ぼ・ぼ・僕らは少年探偵団

(あたりまえだが、「こんな古い歌は知らない!」という方は、下のURLをクリックしてくださいね)

http://www.youtube.com/watch?v=3Q0jbb8bHO8

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『石徹白探偵団のうた』
平成22年釣りビジョン番組(って、ほんとなら良いのに)
ひげオヤジ 作詞
白木義信 作曲
ひげオヤジ・石徹白中年合唱団 唄


(一番・本流編)
ぼ・ぼ・僕らは石徹白探偵団
勇気りんりん 釣りの友
望みに燃える 本流は
低水温に なみだする
ぼ・ぼ・僕らは石徹白探偵団

(二番・支流編)
ぼ・ぼ・僕らは石徹白探偵団
力ようよう ケモノ道
夢も高なる 呼び声は
虚しく渓に こだまする
ぼ・ぼ・僕らは石徹白探偵団

(三番・C&R編)
ぼ・ぼ・僕らは石徹白探偵団
誓いはかたく 別の渓
明日をめざす キャス練は
虫飛ぶ渓で 空(くう)を切る
ぼ・ぼ・ボ★ズの石徹白探偵団



いやはや、皆様方、まっことお疲れ様でした。

2011/05/21


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